私が園医である保育園の保護者さまからのご質問にお答えした内容を同じ疑問をお持ちの方のお役に立てたらと思い、掲載させていただきます。

1.仕上げ磨きはいつまでしたら良いですか(毎日やられている方から)

  自分で磨けられるようになるまでです。目安は小学校低学年ぐらいまでは少なくとも必要ではないかと思います。仕上げ磨きはもちろん子供が磨ききれていないところをきれいにすることが目的ですが、幼児の場合、歯みがきの習慣づけの目的もあります。                      

2.口臭の原因と予防法(虫歯はないのですが・・・)

 口臭の原因について大人も同じですが、お口の中の原因として

  • 歯肉炎(歯周炎)による口臭
  • 多数歯の虫歯、または虫歯がひどい場合による口臭
  • 舌苔(カビによる)口臭
  • 唾液の量が少ない場合の口臭
  • またはその複合

そのほか、鼻炎による口臭、口呼吸による口臭、肺や消化器系の疾患による口臭などがあげられます。原因は大人もほぼ同じです。乳製品のたんぱく質が分解されるときの腐敗臭はある意味、子供の口臭の特徴かもしれません。予防はまずしっかり歯みがきをして口臭の元となるものを取り除くということ、また規則正しい食生活、良くかむこと、水分の補給が必要になってきます。 

3.前歯が黄ばんでいるのが気になります。これからの磨き方で変わってくるのでしょうか

 年齢を重ねるにつれて、乳歯であろうと永久歯であろうと少なからず、食べ物などの色素が歯に沈着していきます。色素沈着は歯みがきでは完全に取り除けません。色素沈着はタバコのヤニがよく知られていますが、お茶紅茶コーヒーなど飲料するものでよく起こります。急須に茶渋がつくのと同じです。特にウーロン茶によってよく色素沈着が起こります。また鼻づまりや鼻炎による口呼吸(お口で息をする)で沈着しやすくなります。色素沈着はそのものは見た目以外には何の害もありませんが、鼻の問題、口呼吸の問題が疑われますので、あまりにも色素沈着が激しい場合は歯医者に相談して見てください。

タバコのヤニが付着した子供の歯。もちろん子供が吸っているわけではありません。家族のタバコの副流煙によるものです。

4.歯を磨いたあとに牛乳を飲んで寝ますがよくないですか

 よくないです。牛乳にも少なからず糖分が含まれています。寝ているときに虫歯菌を増やす原因になります。寝る前は水かお茶にしてください。そして寝る前にはしっかり歯磨きをしましょう 

5.大人の歯が生え始めてから、歯並びが前後にガタついてきました。矯正などやるとしたらいつぐらいからしたら良いですか

 たとえば受け口の場合でも原因は骨の問題か、歯の問題か、機能的な問題か、またはその複合かがあります。その原因によって矯正をはじめなければいけない時期が異なります。骨や機能的な問題があるなら、それはできるだけ早めにとりかかった方がいいでしょう。幼児から咬合誘導という意味で矯正治療をする場合があります。

  • 受け口、極端な出っ歯、顎がゆがんでいる→できるだけ早めに対応
  • 歯のゆがみ、傾き、がたつき→様子を見ることができる

少なくとも手遅れ(外科的な処置しか選択肢がない状態)にならないように矯正治療が困難にならないように必要なときに必要なことがすぐ出来るように定期的に歯医者に見せて確認してもらうことが大切です。 

6.現在、年中(4歳)ですが寝る時の指しゃぶりがやめられません。歯科検診の時はいつも上顎前突、開咬と診断されます。無理にでも指しゃぶりをやめさせたほうが良いでしょうか。永久歯が生えてきた時の影響も教えてください。

指しゃぶりなどによっても歯並びが悪くなることがあります。その指の形に前歯部が開いてきてしまいます。(開咬) またそれが続くとガミースマイル、、いわゆる歯ぐきの飛び出した口元になることがあります。やはり早めに指しゃぶりは治したほうがいいでしょう。ただし、指しゃぶりをやめさせる特効薬はありません。またそのことに親が神経質になれば、ますます精神的に指しゃぶりをするという悪循環に陥ってしまうことがあります。指しゃぶりをしているのを見つけたときは怒らず、静に指をとってあげてください。おきている時であれば、気を何かにそらしてあげてみてください。指しゃぶりは必ず自然に治るものなので気長に対応していくことが必要ではないでしょうか。

7.ゆ合歯があるのですが永久歯が生える前に歯医者に行ってレントゲンなどを撮ったほうがいいですか

 ゆ合歯があるからといってそれだけでレントゲンは必要ないと思います。ただし、永久歯との生えかわりがスムーズでないとか歯並びがおかしいとかほかの要因においてはレントゲンを撮ることも有用です。

8.3ヶ月に1度くらいフッ素化合物は塗ったほうが良いでしょうか。頻度を教えてください。

 碧南市では幼児に対して4ヶ月に1度のフッ素化合物塗布をする機会が設けられています。2ヶ月に1度が効果的という発表もあります。急性中毒量は2mg/kgです。 

9.歯ぎしりについて

大人の場合、かみ合わせが悪いと起こりやすいのですが、幼児の場合、あごは大きくなっていく過程でであり、歯もだんだんと生えそろっていき、生えかわりますので、そもそもかみ合わせが安定しているわけではありません。逆に言えば、かみ合わせの自由度は大人よりあると思われます。ですからかみ合わせの悪さによって歯ぎしりが起こるとは考えにくいのです。むしろやはり精神的な要素が少なくないと思います。ですから歯ぎしりを治すことはなかなか難しいところがあります。現実的には歯ぎしりによって起こる問題に対して対処していくことを考えたほうがいいようです。歯ぎしりによっておこる問題はもちろん音がありますが、歯が削れてくるとかあります。心配なときは歯医者に相談してみてください。可能であればマウスピースをいれる方法もあります。ただしこれも自然には治っていくことが多いようです。

10.春の検診で虫歯と診断され治療へ行きました。乳歯の虫歯は永久歯の虫歯へつながると聞いたことがあります。虫歯があると永久歯もやはり虫歯になってしまうのか・・少し心配です。

 虫歯の原因を考えて見ましょう。前回のブログでもお話したように虫歯は虫歯菌によって起こります。またその虫歯菌は砂糖をえさにしています。ですから虫歯を治した(削ってつめた)からといって虫歯菌や甘いものを常に食べる習慣を改善しなければまた虫歯になります。乳歯が虫歯になったということは虫歯菌がお口の中にいると言うことです。削ってつめたからといって必ずしも虫歯菌をなくしたことにはならないのです。永久歯も虫歯にならないためには歯みがきをきちんとしてお口の中をきれいにすること、虫歯になりやすい生活習慣を改める必要があります。


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