ダイエット願望による低栄養に注意!

このサイトでは、「健康で幸せなダイエット」を合言葉に、無理なダイエットによる健康障害やストレスの防止について警鐘していますが、やはり無理なダイエット法や間違ったダイエット法などによって身体的・精神的な障害に陥る人が少なくありません。

ところで「低栄養」という言葉をご存知でしょうか?

「低栄養」というのは栄養不良の一種で、人間が必要とする栄養量が摂取できないときに起こる体の状態をいいます。

人間には様々な栄養素が必要となりますが、その中でも特にタンパク質とエネルギーが十分に摂取できない状態のことをPEM(たんぱく質・エネルギー欠乏症)といい、さまざまな身体的精神的障害をきたします。

では、なぜこのようなPEMが増えてきているのか、その背景と対策などについてご紹介していきます。

 

1 根底に女性のやせ願望

日本人の特に女性は「やせ」が多いことが厚生労働省が毎年行っている国民健康・栄養調査のBMI (Body Mass Index 一般的に肥満度をいう)結果で明らかになっています。

女性の場合は、若い世代からその母親世代まで「やせ」が増加傾向にあります。依然は女性のやせ願望は中学生頃から始まるといわれていましたが、最近では低年齢化が進み、小学校高学年ぐらいからやせ願望を持つ女子が増えています。

そこで日本以外の国ではどうかというと、過去に行われた日本人とアメリカ人のBMI比較では、アメリカ人の男女及び日本人の男性の場合は成長とともにBMIも増えていますが、日本人の女性に限っては15歳頃にBMIの増加が止まり、20代では年齢とともにBMIが減少に転じているという結果が報告されています。

これは、アメリカ人との比較だけでなく、アジア人の中でも特に日本人の女性が「やせ志向」が強いといわれています。

 

2 ボディ・イメージのゆがみが原因?

では、どうして日本の女性はやせ願望が強いのでしょうか?

その原因の一つとして、ボディ・イメージ(体型に対する認識)のゆがみが指摘されています。どういうことかというと、実際にはそんなに肥満ではないにもかかわらず、自分自身が太っていると感じている女性が多いことがあげられます。

その背景には、テレビやファッション雑誌などマスコミによって「痩せすぎの女性」が美の見本のように扱われ、それをもてはやす風潮が確実に存在しますよね。

ですから、特に若い女性にとっては、自分も同じように痩せた体型になりたいという願望を助長させているのです。

過去にアメリカ国内で行われた調査ですが、このようにボディ・イメージがゆがんだ女性とそうでない女性とを比較した場合、ゆがんだ女子がダイエットのために異常な行動(無理に嘔吐、下剤やダイエットサプリメントなどの服用、絶食など)をとる割合が4倍以上も多くみられたという報告があります。

 

3 家庭環境にも問題が

実は、ボディ・イメージのゆがみに端を発していることは間違いありませんが、さらにそれを助長するのが生活環境、いわゆる家庭環境の問題があります。

たとえば、昔なら家族が食卓に集い一緒に食事をすることによって、子供の好き嫌いを指摘したり食べ残しをやめさせたりも出来ましたが、近年の家庭環境においては、家族が別々の時間に、あるいは別々の場所で食事をとることもめずらしくありません。

このような環境では、「孤食」や「個食」が進み、自分が食べたいものだけを食べるようになり、栄養のバランスが崩れてしまうのは明らかです。

 

4 低栄養でどんなことが起こるか?

やせたい女性にとって、最も手っ取り早い方法は食事を減らすことです。そのために本当は食べたい食事を我慢するのですから当然ストレスが生じます。

さらに食事制限によって健康維持のために本来必要とされる栄養素が不足することにより、身体的・精神的障害が蓄積されていきます。

一般的に、15歳から17歳の女性が通常の身体活動を行えるレベルの生活をするために必要なエネルギー量は、2250kcal/日といわれていますが、実際の統計ではその8割程度しか摂取できていないことが分かっています。

このように、エネルギー摂取量が不足することにより体重は減少するため、理想のやせ体型になることはできますが、その代償として低栄養となりさまざまな身体的・精神的障害に陥る確率が極めて高いのです。

また多くの女性にとっては「出産」というとても重要なイベントが控えていますが、痩せすぎた女性が妊娠した場合、低体重出生児(出生時の体重が2,500g未満)の出生率が高くなります。

このような子供を出産すると、出生した子供にとっても将来的にさまざまな障害や健康的リスクが現れやすいといわれています。

 

また、若年女性の低栄養は、自分自身の将来にも禍根を残す場合があります。

実は、人間の骨の量は思春期に最も増加し、20~30歳代でピークを迎えます。ですから、若年時に低栄養状態が続くことにより通常の骨量を作り上げることが出来ず、高齢期になって「骨粗しょう症」の要因となります。ちなみに日本では推定1000万人以上の人が骨粗しょう症で、その8割が女性といわれています。ですから、骨粗しょう症を予防するには、若い時代に出来るだけ骨量を増やすためにカルシウムやマグネシウムなどの必要な栄養素をしっかりととる必要があります。

鉄分の摂取も重要です。食事制限により鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になる可能性が高くなります。実際に日本女性の4人に1人が貧血状態にあり、特に女性が増加傾向にあります。貧血により月経異常も報告されていますので、若年の低栄養により出産にまで影響を及ぼすおそれがあることも知っておかなければなりません。

 

5 低栄養を改善するために

単純に結論をいうとすれば、「やせにならない」こと。そのためにやせ願望を正す。食事制限をしないことです。

しかし、これは非常に難しい課題でもあります。「言うは易し、行うは難し」のたとえのとおり女性のやせ願望を根本から覆すことはおそらく無理でしょう。

たとえば、外国の例ですが、ヨーロッパのいくつかの国では、やせたモデルに憧れる若い女性の摂食障害を防止するために、ファッションショーへの出場が禁止されたり、過度のダイエットを推奨する広告を取り締まる法律が出来るなど、若い女性のやせ願望の抑制する動きが実際に起こっています。

実は日本でも厚生労働省が進める21世紀における国民健康づくり運動「健康21」の中で、女性のやせを減らすという目標は掲げられているのですが、具体的な解決策は示されずにいます。いうまでもなく街角に立つと痩せすぎたファッションモデルの広告が至る所にあふれており、テレビや雑誌もしかりです。

しかも、若い女性のやせ願望に最も影響をもたらせているのは、どうやら「母親」であるともいわれます。よくよく考えてみれが母親の若い時代にもマスメディアの影響によりやせ願望で育ってきたのですから、子供にとやかく言えた義理ではないということでしょうか。

 

では、どうしたら若年女性の低栄養状態を改善することが出来るのでしょうか。

その答えは・・・「健康に幸せにやせよう!」です。このサイトにはその答えとなるテーマをたくさん散りばめようと思っているので、ぜひこれからも注意深くご覧くださいネ。

 

 

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