「Multi-Channel Stereo Phonic Philosophy」 を実現する「Advanced MCACC」を搭載

時代の先端を読み解くキーワードのひとつ「ウェアラブル」。最近ではウェアラブル・コンピューターも数多く提案されるなど、端末を身につけて使うスタイルは、小説や映画などのフィクションの世界を飛び出し、今や現実のものとなっている。

このことは、ビデオカメラも然り。ビデオカメラといえば、手で持つ、または、三脚に固定して撮影するのが一般的なスタイルだが、今、市場の新しいトレンドとなっているのが、身体や帽子、自転車、バイクなどに装着して撮影するウェアラブルカメラである。2013年度の世界市場規模は約260万台だったが、各メーカーから意欲的なモデルが次々に投入され、市場は急速に拡大すると予想されている。

ウェアラブルカメラの魅力は、手持ちや三脚を使って撮影するビデオカメラとは違う、撮影者目線の臨場感ある映像が手軽に撮影できることにある。一般的には、超小型カメラを思い浮かべるかもしれないが、パナソニックの提案は、その一歩先を行き、カメラ部と、各種設定などを行なう本体部が2つに分かれた“二体型スタイル”。一体型だと、設定などを変更する際に、カメラ本体をいちいち取り外さなければならないが、カメラ部と本体部がセパレートされていれば、手元で簡単に操作できる。屋外での使い勝手を考えると、後者のほうが自由度の高い使い方ができるのだ。

「HX-A500」では、パナソニックがこれまでビデオカメラで培ってきたセンサー、映像エンジン、レンズ技術を採用し、フルハイビジョン(1920×1080)の4倍となる高解像度4K/30pでの撮影が可能。臨場感重視で画質はそれなりだったウェアラブルカメラでも、よりきれいで、リアルな映像が撮れるのだ

今回紹介する「HX-A500」は、パナソニックのウェアラブルカメラの新モデル。軽量コンパクトなボティはそのままに、ウェアラブルカメラとしては世界初の4K/30p撮影が可能だ。この性能を実現させるために、パナソニックの横型ビデオカメラで採用されている裏面照射型高感度MOSセンサーや、最新の画像処理エンジン「クリスタルエンジンPro+」、新開発の高解像レンズシステムを搭載するなど、同社がビデオカメラで培ってきたテクノロジーを結集させたという。つまり、パナソニックが本気で開発したウェアラブルカメラなのだ。これは気になる。というわけで、「HX-A500」を持ち出して、さまざまなシーンで撮影を行なってみた。「HX-A500」が映し出す圧倒的な4Kワールドを、その目で確認してほしい。

4K/30p動画(滝)

まずは伊豆の山奥にある浄蓮の滝を撮影してみた。撮影モードは、4K/30p(3840×2160)となる「通常撮影モード」。新緑のコントラストや岩肌の表情が鮮やかに見て取れるうえ、流れ落ちる水も緻密で、奥行のある映像は、マイナスイオンいっぱいの清涼感を肌で感じられそうなほど、リアルだ
4K/30p動画(花畑)
4K/30p動画(高原)
次は、カメラ部を三脚に固定しての撮影。左の動画をご覧いただければわかるように、一面に広がる赤や紫のツツジが自然な発色で再現されている。右の、伊豆の高原から相模灘や街並みを見下ろした映像は、ただきれいなだけでなく、海や緑の色がくっきりかつ繊細に表現されている

裏面照射型高感度MOSセンサー

カメラの心臓部でもあるセンサーには、有効画素数約903万(16:9)の1/2.3型「新・大型セル&裏面照射型高感度MOSセンサー」が採用されている。パナソニックがビデオカメラで培ってきた技術を惜しみなく投入することで、コンパクトなボディに大型のセンサーを内蔵させることに成功し、暗い場面での撮影でも明るく鮮やかな映像が撮れるようになった

画像処理エンジン「クリスタルエンジンPRO+」

センサーが心臓なら、画像処理エンジンはカメラの頭脳。ここには、パナソニック独自の「クリスタルエンジンPRO+」が採用され、よりなめらかな映像の撮影が可能になった。また、最新の画像処理エンジンと、大型センサーに対応できる高解像度レンズシステムも新開発されたという。こうした妥協のない、作り込みによって高精細でなめらかな4K/30p撮影を可能にしているのだ
スタンダードモード
ワイドモード
ここでビデオカメラとしての基本性能もチェックしておこう。画角は、スタンダードモードと、視野角約160度のワイドモードの2種類から選択できる
解像度/フレームレート ビットレート
3840×2160/30p 最大72Mbps(VBR)
1920×1080/60p 最大28Mbps(VBR)
1920×1080/30p 平均15Mbps(VBR)
1280×720/60p 平均15Mbps(VBR)
1280×720/30p 平均9Mbps(VBR)
848×480/30p 平均4.5Mbps(VBR)
解像度とフレームレートは、左表のように6モードから選べる。さらにスローモーションモードも3モードから選べる

電子式ブレ補正に自動傾き補正取りたい映像を素直に残せる充実の録画機能

「HX-A500」は、70cmのケーブルで接続されたカメラ部、本体部の2つで構成される。カメラ部のサイズは26.5(幅)×26.5(高さ)×68.5(奥行)mm、重量は約31g。実物は「これで4K/30p撮影ができるのか?」と、疑ってしまうほどコンパクトだ。なお、本体部は59.5(幅)×94(高さ)×26.7(奥行)mm、重量は約128g。こちらは、一般的なモバイルWi-Fiルーター程度のサイズ感で、それなりの重さはあるが、従来機にはなかった「1.5型液晶」を搭載したことを思えば、十分に納得できる。2つのボディを結ぶケーブルは、編み込んだような繊維と透明な樹脂で覆われ、屋外での使用にも耐える屈強な作りになっている。ちなみに、ケーブルの取り外しはできない。

ウェアラブルカメラと一般的なビデオカメラでは、想定される撮影状況がまったく異なる。ビデオカメラの場合、子供の運動会や発表会、またはスポーツシーンを撮影する際、撮影者は基本的に動かず、三脚等でカメラを固定することもできる。しかし、ウェアラブルカメラの場合は、動く撮影者が装着して使用するため、状況としてはかなり過酷だ。

となると、重要な意味を持つのが、ブレや傾きに対する補正機能。どちらも従来機の「HX-A100」でも高く評価されていた機能だが、「HX-A500」ではさらに頼もしく進化していた。水平方向の傾きを自動で補正する「傾き補正(強/弱/切)」機能は、パナソニックのデジタルビデオカメラ高画質モデル「W850M」の約2倍(設定が強の場合)の補正範囲を実現。細かな振動を抑える「電子式ブレ補正」については、従来機と比較した補正エリアが約2倍となっている。固定撮りはもちろん、カメラの動きが激しい目線撮りなど、ウェアラブルカメラで想定される、さまざまな使用シーンで高い補正効果を発揮し、見やすい映像を記録できるのだ。

たとえば、自転車で走りながらオンボードカメラ風に撮影をするときは、ブレを最小限に抑えた迫力ある映像となり、ボートに乗りながら同乗者を撮影する際は、傾きを補正した映像を記録できる。なお、「電子式ブレ補正」と「傾き補正」は、センサーの余っているエリアで補正を行うため、センサー領域をめいっぱい使用する4K/30pや1920×1080/60p、ワイドモードでの撮影時は補正できない。その点には注意が必要だ。

アウトドアユースの視点から強調しておきたいポイントは、ほかにもある。たとえば、ハウジングなしでもIP5X相当の防塵性、IPX8相当の防水性を備えているため、砂埃が舞うキャンプ場、真夏のビーチ、さらに雪山でも安心して利用できそうだ。また、NFC&Wi-Fi機能、ハイスピード&スロー撮影のほか、現代のビデオカメラに求められるネットワーク機能も備え、極めて完成度の高いウェアラブルカメラとなっている。

ウェアラブルカメラは屋外、それもスポーツなどアクティブな状況で利用することが多いため、防水機能も重要なチェックポイント。「HX-A500」は、急な雨や雪山での撮影にも耐えるIPX8相当に対応しており、水深3m/30分の撮影も可能だ。上の動画はパナソニックが公開しているものだが、シュノーケリング時に装着しても使えるようだ。また、防塵についてはIP5X相当に対応しているので、キャンプ場やビーチなど、幅広いフィールドでガンガン使える
「カラーナイトビュー」OFF
「カラーナイトビュー」ON
日中のスポーツやアウトドアだけでなく、夜間撮影にも対応する「カラーナイトビュー」機能も備えている。「1920×1080/30p」のワイドモードで撮影してみると、ON/OFFの差は歴然。シャッタースピードの調整で露光時間をかせぐため、動きのある被写体撮影には向かないが、夜景の広がりをはっきり撮りたいときには効果的だろう

スローモーションモード

スポーツシーンの撮影で必ず試したくなるのがスローモーション撮影。ゴルフスイングの撮影が定番だが、屋外でビデオカメラを設置して撮影すると、正直、意識してしまって不自然になってしまう。しかし、「HX-A500」ならあまり目立たずに撮影できるし、1920×1080では60p、1280×720では120p、848×480では240p(いずれも再生は30p)に設定し、2~8倍のスローモーション撮影が可能。ちなみに、「ナイスショ~ット!」と声をかけても、スロー撮影中の音声は録音されない

液晶付きだから映像をその場で確認!二体型ならではのすぐれた操作性

続いては、従来機「HX-A100」からの大きな進化ポイントである1.5型液晶モニター搭載の本体部について、詳しくチェックしていこう。ほとんどのメーカーのウェアラブルカメラは、カメラ部と画角調整や各種設定を行なう本体部がひとつになっているが、そこに一石を投じたのが、パナソニックの従来機種「HX-A100」だった。カメラ部と本体部を分けた二体型とすることで、カメラ部を装着した場所から外すことなく本体部で操作でき、スポーツやアウトドア、旅行などを存分に楽しみつつの撮影が行える。これが好評を博した要因のひとつだ。

ただし、本体部には液晶が搭載されていなかったため、撮影前の画角の確認や設定変更には、スマートフォン・タブレット向けアプリ「Panasonic Image App」を利用していた。Wi-Fi接続できるので、使い勝手は申し分ないが、本体部に液晶が搭載されていたほうがやはり便利なのは間違いない。そこで、「HX-A500」はスペースやコストなどの問題をクリアし、1.5型液晶モニター付きの本体部に改良されたのである。

「HX-A500」の構造上の特徴であり、差別化ポイントとなるのが、カメラ部と本体部を分離した二体型であること。カメラ部と本体部は70cmのケーブルで接続されており、ハンズフリー操作が可能になっている。また、従来機からの進化ポイントとして強調したいのが、「1.5型液晶モニター」を備えている点。手元で画角や撮影画像の確認ができるのはもちろん、カメラ部の軽量コンパクト化にもひと役買っている。ちなみに、本体部にスピーカーやイヤホン端子は搭載されていないため、音声を確認するには後述の「Panasonic Image App」を使用する

記録メディアは、microSD/SDHCメモリーカード (最大32GB)に対応。ただ、4K/30p撮影モードでは、記録可能時間が約約55分(32Gメモリーカード使用時)と限られるため、長時間撮影の際は予備のメモリーカードが必須だろう。なお、4K/30pでの撮影はClass10規格対応のカードが必要となる(UHS対応のしばりはない)
1.5型液晶モニターを本体部に搭載しているので、撮影した映像の確認、撮影設定やWi-Fi設定などの確認も手元で行なえる。操作用ジョイスティックも搭載されているため、各種設定もスムーズだ
使ってみると、二体型のメリットはいろんなシーンで感じることができる。たとえば、狭い場所にもカメラを差し込めるので、1.5型液晶モニターで確認しながらタンスの裏に落としたものを探す、なんていう使い方もOK。ケーブルは編み込んだような繊維と樹脂で覆われ、頑丈かつしなやかで安心感のある作りとなっている

実際に撮影するときは、ヘッドマウントでカメラを頭の横あたりに固定するスタイルが多くなるが、一度カメラをセットしたあとは、手元にある本体部で操作できるので非常に使い勝手がいい。自転車やバイクへの装着、キャンプではテントやタープに固定して撮影というシーンも大いに考えられるが、そんなときも、簡単に画角の調整や撮影モードの設定変更ができる、液晶モニター搭載のメリットを感じられるはずだ。操作用ジョイスティックも搭載されているため、薄手のグローブを手につけたままでも簡単な操作なら可能。ちょっとした部分だが、撮影開始までのスピードを優先したいシーンではありがたく感じられた。

多彩なシーンで活躍する「HX-A500」のマウント・アクセサリー類

ヘッドマウント

ウェアラブルカメラの重要な使い勝手のポイントとして、固定方法がある。「HX-A500」の場合、さまざまなパーツが用意されており、「ヘッドマウント」もそのひとつ。これは頭にかぶるように装着し、耳の前のあたりにカメラを固定して使う。ある程度の範囲で上下左右に向きを変えられ、もちろんロックも可能だ

アームバンドケース

本体部は「アームバンドケース」に収納できる。ケースに入れた状態でボタン操作、映像の確認ができるため、使うときは、このケースに入れるのが基本になりそう。腕につけてもいいし、自転車のハンドル部分やバッグなどにつけてもいい
「ヘッドマウント」と「アームバンドケース」を装着してみた。「ヘッドマウント」の圧迫感はないが、後頭部でしっかり支えているという安心感があり、長時間の装着でも問題はないだろう。素材は柔軟なプラスチックで、やさしくフィットしてくれる。激しいスポーツなどで使うときは、同梱のゴムバンドを使用する。頭をしっかり固定するのでハードなユースケースでも安心だ

サクションカップマウント

「サクションカップマウント」は、約90度7段階調整が可能で、ボートやキャンプのテーブルなどの平面に、吸盤で固定できるマウント。カメラの取り付けは、三脚のネジをはめ込み、固定するための「トライポッドマウント」を使用する

クリップマウント

屋外で使う場合、帽子のツバやバッグのストラップなどにカメラを取りつけることも多いが、そんなときには「クリップマウント」が役立つ。カメラ部が軽量コンパクトだからこそ、こんなふうに簡単に装着して撮影できるのだ

マルチベルト

登山中や移動時などに撮影したい場合は、「マルチベルト」が便利。本体部とカメラ部に加え、ケーブルをベルト内に収納でき、バックなどに付けて手ぶらで撮影することができる

Panasonic Image App

スマートフォン・タブレット端末向けアプリ「Panasonic Image App」を使えば、スマートフォンやタブレット端末での操作も簡単。撮影設定、モードの切り替えなどは本体で行ない、撮影した映像の確認はスマートデバイスで行うといった使い分けも可能だ

もちろん、スマートフォン・タブレット向けアプリ「Panasonic Image App」を使って、映像プレビュー、画角の変更やモード切り替え、補正機能のON/OFF操作などをモバイル端末で行ってもいい。この場合、単に操作するのではなく、付加価値を持たせるような使い方をしてはどうだろう。たとえば、撮影した映像の「Ustream」配信。「Ustream」アカウントや、自分のチャンネルの用意などの準備は必要だが、アウトドアで撮影した臨場感満点のリアルタイム映像を家族や友人などと共有できる。

また、HDMI端子などの映像出力は用意されていないものの、「Panasonic Image App」のDLNA機能を使えば、撮影した映像をテレビなどの外部モニターに映し出すことも可能だ。複数の動画から自動で見どころを抜き出してくれる「ムービースライドショー」機能が用意されるなど、撮影後の楽しみ方にも付加価値が添えられている。

ウェアラブルカメラだからこそ手軽にできる活用法が、映像のライブ中継だ。動画共有サービス「Ustream」を使って、撮影した映像をそのまま、離れた場所にいる家族や友人たちにストリーミング配信。臨場感あふれる映像を配信すれば、その場でいっしょに楽しんでいる感覚になれるだけでなく、後々の話題作りにもなる

まとめ

長らく、ビデオカメラといえば、お父さんが子どもの運動会で使うというのが主流だったが、ウェアラブルカメラは、従来のビデオカメラにはなかった新しい楽しみ方を提案するアイテムだ。たとえば、スポーツ、アウトドア、レジャーなど、従来のビデオカメラにとっては厳しい状況こそ、ウエルカムであり、厳しいからこそ、真価を発揮する。

そんなウェアラブルカメラの中でも、パナソニックの「HX-A500」は、4K/30pの高画質撮影を誰でも簡単に楽しめるように開発されたモデルだ。カメラ部と本体部をセパレートした二体型スタイルは従来機「HX-A100」から採用されているものだが、本体部への液晶モニターの採用、傾きやブレ補正機能、各種マウントの充実など、ウェアラブルカメラとしての利便性が高められ、まさに、「ウェアラブルカメラの大本命」と形容するにふさわしい1台となっていた。スポーツやレジャーへ出かける機会が多くなるこれからの季節。「HX-A500」があれば、これまでとはひと味もふた味も違った新しい楽しみ方ができるはずだ。