ワキガ体質の人はアポクリン腺が多い人です。
アポクリン腺から出るタンパク質や脂肪酸などを含んだ汗を肌に住む細菌(=皮膚常在菌)が分解することによって、ワキガ独特の刺激臭を発します。
アポクリン腺の数は遺伝によって決まり、全くない人はないし、両親のアポクリン腺の数が多ければ子供のアポクリン腺の数も多くなります。
このワキガの主要因の一つであるアポクリン腺の活動を抑制するにはデトックス注射をするしかない(※)し、アポクリン腺を取り除くには手術を受ける必要があります。
デトックス注射や手術は数十万円かかるのが相場なので、お財布(ていうか口座)的には簡単ではありませんよね。
手術やデトックス注射など以外でワキガの対策をするなら皮膚常在菌に働きかけるしかありません。
その証拠にワキガ改善を目的としたデオドラントクリームは皮膚常在菌を殺菌するものがほとんどです。
そこでここでは、皮膚常在菌について
- どんな細菌がいるのか?
- そんな簡単に殺菌しても良いのか?
そういったポイントに触れつつ話していこうと思います。
上記の(※)について |
| 一般的にはアポクリン腺を抑制するにはデトックス注射しかないとされています。 ですが、2006年のある研究データでアポクリン腺を抑制する植物エキスがあると発表されました。 実は、その植物エキスを含んだデオドラントクリームはすでに販売されています。 このことについての詳しい情報はこちらにまとめましたので、気になる方はご覧ください^^ |
嫌われがちな常在菌ですが・・・
ワキガの主要因の一つに皮膚常在菌の存在は否めません。
事実、アポクリン腺から出る汗自体にはニオイはなく、その汗を皮膚常在菌が分解することによってワキガの臭いが発散されてしまいますからね。
そりゃあ、ワキガの方は皮膚常在菌を嫌うでしょう。
しかし、皮膚常在菌って本当に嫌われるべき対象なのでしょうか?
皮膚常在菌は本来、主に肌の健康を管理しています。
優位になる皮膚常在菌によって肌の状態が変化しますので、私たちは肌の健康を維持してくれる皮膚常在菌を優位に立たせてあげる努力が必要です。
その努力を怠るかどうかによって肌の健康状態が左右されるというわけですね。
つまり、私たちは皮膚常在菌を嫌うだけではなく、皮膚常在菌との上手いつきあい方を知る必要があると言えます。
ワキガに関係する皮膚常在菌について
皮膚常在菌と一言でいっても何種類かいます。
有名どころだとアクネ菌、表皮ブドウ球菌、マラセチア菌、黄色ブドウ球菌などでしょうか?
アクネ菌なんかはニキビに悩んでいる人には超絶嫌われている菌ですよね(笑)
今回はワキガの原因菌の紹介ですので、上記の”表皮ブドウ球菌”と”コリネバクテリウム”という菌について触れていきたいと思います。
表皮ブドウ球菌について
表皮ブドウ球菌は健康な弱酸性の皮膚を好む常在菌です。
この菌が皮膚表面にいることによって他の病原菌から守ってくれています。
また、健康な皮膚を好むだけあって健康な肌の状態を維持してくれる菌です。
とても良い奴なんです。
基本的にこの表皮ブドウ球菌が常に優位にたっていればワキガの臭いは減少します。
つまり、この表皮ブドウ球菌をいかに他の常在菌より優位に立たせるかがワキガ対策の鍵となってきますね。
この表皮ブドウ球菌は汗や皮脂をエサとして生活しており、弱酸性の脂肪酸を作ってくれています。
脂肪酸の中でもかなりキツい臭いを発散するものもありますが、表皮ブドウ球菌が作る脂肪酸は香水の原料にもなる良い香りの脂肪酸です。
とにかくこの表皮ブドウ球菌はとても良い奴ですので、ワキガであるなしに限らず、この菌とは上手く付き合っていきたいものですね。
(表皮ブドウ球菌が皮膚表面にいる時は良い奴なんですが、体内に侵入すると牙をむきます。
といっても、医療器具経由でぐらいしか体内に侵入することはないかと思いますので、心配ありません。
表皮ブドウ球菌は空気を好む菌でもありますから、表皮ブドウ球菌自体も体内には入りたくないと思いますし。)
コリネバクテリウムについて
皮膚常在菌のなかの、表皮ブドウ球菌・アクネ菌・マラセチア菌はワキガの人にもワキガでない人にもいる常在菌であると言われています。
しかし、コリネバクテリウムはなんとワキガの人にしかいません。
そして、このコリネバクテリウムがワキガの独特な臭いを発する原因菌でもあるのです。
なぜ、同じ人間なのにワキガの人にしかコリネバクテリウムは存在しないのでしょうか?
その仕組みはとても簡単です。
コリネバクテリウムはアポクリン腺から分泌される汗をエサにして生きているからです。
基本的に人間と細菌の関係は”人間が生きる上で必要な身体の現象に対して細菌が「こりゃあ都合良いや!」と言ってる”感じの関係性です。
分かりやすく言うと、細菌は人間の身体の特性を利用して生きているというわけですね。
まあそれでも結果的に細菌は人間のためにもなっているので”持ちつ持たれつ”の関係です。
コリネバクテリウムとアポクリン腺も持ちつ持たれつの関係にあると言えます。
アポクリン腺があるからコリネバクテリウムが繁殖するし、コリネバクテリウムがあるからアポクリン腺から分泌される汗が分解されるし。
ちなみにアポクリン腺から分泌される汗自体は無臭で、その汗をコリネバクテリウムが分解することによって臭いが発生します。
なので、ワキガの原因はアポクリン腺なのかコリネバクテリウムなのか聞かれると、「どっちでもあってどっちでもない」と答えるしかありませんね(笑)
で、皮膚常在菌はデオドラントで殺菌しても大丈夫?
ここではあえて皮膚常在菌のなかで、良い菌(表皮ブドウ球菌)とワキガの原因菌(コリネバクテリウム)について話してきました。
制汗剤やデオドラントは商品にもよりますが、皮膚常在菌の90%以上殺菌してしまいます。
ワキガの原因菌であるコリネバクテリウムを殺菌するのはまだしも、肌の健康を維持してくれる表皮ブドウ球菌までも殺菌してしまうのはどうなのでしょうか?
私から言わせれば”まあ問題ないでしょう。”
細菌というのはいくら殺菌されようが、また繁殖し続けます。
それはコリネバクテリウムもそうだし、表皮ブドウ球菌もそうです。
ですので、デオドラントで殺菌することに関しては気にする必要はないかと思います。
ワキガに関係する皮膚常在菌についてのまとめ
最後におさらいとして皮膚常在菌についてまとめておきます。
- 皮膚常在菌は嫌うべき対象ではなく、上手く付き合っていく必要があるものである。
- 表皮ブドウ球菌は肌の健康を守る良い菌だが、コリネバクテリウムはワキガの臭いの原因菌であると言える。
- デオドラントによる殺菌は表皮ブドウ球菌もコリネバクテリウムも殺菌してしまうがすぐに復活するので問題はない。
ワキガ対策として一番身近で効果的なのがデオドラントクリームかと思います。
殺菌というと肌に悪いイメージを持ちがちですが、
実はデオドラントクリームは肌に優しい成分で殺菌していますので安心できます。