概要

ビバリーヒルズダイエットは、食品の食べる順序や組合わせが体重増加の原因になるという考えに基づいた流行のダイエットです。このダイエット法を考案したのはJudy Mazel (1943–2007) で、Mazel は、食品を特定の組合わせと特定の順序で食べることで、体重を減らすことができると考えました。Mazel は、食品を間違った順序で食べると消化が妨げられ、脂肪が蓄積される原因になると主張しています。

このダイエット法では、35 日間で最大 11.5 kg 体重を減らすことができるとされています。ビバリーヒルズダイエットは生活習慣を変えることを狙いとしています。このダイエットに挑戦する人は、35 日間の食事プランを完了した後も、引き続きこのダイエットのルールに従うことになります。このダイエットでは、運動に関するアドバイスは行っていません。

ダイエット中は、1 日に食べてもよい食品の種類はごく少なく、1 種類の食品しか食べてはいけない日もあります。このダイエットは、米国医師会 (American Medical Association) をはじめとする主流の医学団体から強く反対されています。

利点

体重を減らせるという利点はあるものの、ビバリーヒルズダイエットはとても制約が多く、お勧めできません。体重を 1 週間に約 450–900 g 減らすのが健康的な痩せ方です。

リスクと注意点

  • このダイエットを行っている間は、十分なカロリーを消費するのが難しくなる可能性もあります。極めて低カロリーのダイエット、つまり 1 日の摂取カロリーが 800 kcal を下回るダイエットは、医師の指導の下で行われるのが一般的です。
  • このような制約の多いダイエットを長期間続けると、栄養失調になる恐れがあります。
  • 新ビバリーヒルズダイエット'のウェブサイト (現在は閉鎖されています) では、妊娠中または授乳中の女性や、糖尿病、潰瘍、けいれん性結腸または各種の過敏性大腸症候群を患っている人は、このダイエットを行うべきでないと警告しています。
  • また、同ウェブサイトでは、深刻な病気や慢性疾患を抱えている人は、必ず医師の指導の下でこのダイエットを開始するよう警告しています。
  • たとえ深刻な病気を抱えていなくとも、このダイエットを始めようという人は、医師またはその他の医療専門家に相談するべきです。このダイエットでは、重要な栄養源が制限されてしまいますので、お勧めはできません。医師または管理栄養士に相談すれば、健康的な別のダイエット法を教えてもらえるでしょう。
  • このダイエットでは、開始から 6 日目までタンパク質を摂ってはいけないことになっており、その後の食事にも定期的にタンパク質が含まれていません。健康のために毎日摂取する必要のあるビタミンやミネラル、その他の栄養素を摂取することも極めて難しくなります。ビタミン剤やサプリメントは、健康的でバランスの良い食事を摂ることの代わりにはなり得ません。
  • 果物を過剰に摂取し、その他の食品の摂取は限定されるため、下痢を起こして脱水や栄養失調につながる恐れがあります。
  • 仕組み

    35 日間の食事プランが提供され、どの食品を食べてよいか、どの順序で食べるかが指定されます。食品は、炭水化物、タンパク質、果物、脂質の 4 つのグループに分類されています。ほとんどの日は、1 日に食べてもよい食品が 2~3 種類までとなっています。具体的なルールと組合わせは次のとおりです。

  • 果物は、たとえ種類の異なるものであっても、常に単体で摂取しなければなりません。タンパク質など、種類の異なる食品を食べてしまった場合には、翌日まで果物は食べられません。
  • タンパク質と炭水化物を一緒に摂ることはできません。ほとんどの乳製品は、分類上、タンパク質のグループに該当します。
  • 牛乳はタンパク質の食事となら摂取できますが、炭水化物の食事とは摂取できません。脂質はどちらのグループとも摂取できますが、果物と一緒に摂取することはできません。
  • 毎日、最初に果物を食べます。果物の後は、炭水化物、そしてその次にタンパク質を摂ることができます。グループの異なる食品を食べてしまったら、その前のグループの食品は翌日まで食べられません。
  • グループの異なる食品を食べるときは、間隔を 2 時間空けなければなりません。
  • ダイエット炭酸飲料や人工甘味料が添加されているものは飲食できませんが、アルコールは制限されていません。
  • ビール、ウォッカ、ラムなど、ほとんどのアルコール飲料は炭水化物に分類されており、炭水化物と一緒に摂取しなければなりません。
  • ワインは果物に分類されていますが、単体で摂取しなくてもよく、果物と一緒に摂取することができます。
  • シャンパンは中性食品で、どの食品とも一緒に摂取できます。
  • 次の食品に移るまで、所定の食品を好きなだけ食べても構いません。
  • 食品は記載されている順序で食べなければならず、逆の順序で食べたり、置き換えたりすることはできません。
  • これらのルールは極めて制約が大きいですが、元々のビバリーヒルズダイエット—ほど制約が大きくはありません。元々のビバリーヒルズダイエットでは、最初の 10 日間は果物しか食べられず、動物性タンパク質は 19 日目まで禁止されていました。

    一般的な食事の内容

    食事内容は日によって大きく変わります。1 日目:

  • まずは、パイナップルを好きなだけ食べます。
  • 次に、穂軸に付いたままのトウモロコシを好きなだけ食べることができますが、いったんトウモロコシを食べ始めたら、もうパイナップルを食べることはできません。
  • 最後に、レタス、トマト、玉ねぎに Mazel 風ドレッシングをかけたサラダを食べることができます。(Mazel風ドレッシングとは、このダイエットの本に作り方が載っているドレッシングで、このダイエットを通して頻繁に登場します。)サラダを食べたら、穂軸に付いたままのトウモロコシもパイナップルも、もう食べることはできません。
  • 食品がきちんと消化されるようにするため、食品を変える際は間隔を空けなければなりません。
  • 新ビバリーヒルズダイエットでは、1 日のうちに 1 種類の食品しか食べてはいけない日もあります。ダイエット 3 日目はブドウしか食べられませんし、スイカしか食べてはいけない日もあります。新ビバリーヒルズダイエットには、1 週目は野菜と炭水化物がしばしば含まれており、6 日目はラムチョップと海老が含まれています。

    専門家の意見

  • Mazel' の提唱を裏付ける科学的証拠は存在しません。
  • もともとのビバリーヒルズダイエットの本が発売された後の 1981 年に、Journal of the American Medical Association 誌にこのダイエットの危険性を強調する論文が掲載されました。
  • その論文の中で、このダイエット“は、流行のダイエットのなかでも最新かつおそらくは最悪のダイエット法であるとされており”、重度の下痢を引き起こし、発熱、筋力低下、そして最悪の場合には命を落としかねない極度の血圧低下に至る可能性があると述べられています。
  • この論文は、医師に、担当患者にこのダイエットをさせないよう呼び掛けています。
  • ビバリーヒルズダイエットに興味のある人は、管理栄養士または医師に、体重を落とすための別の選択肢について相談されることを強くお勧めします。
  • ビバリーヒルズ ダイエットはとても制約が多く、長い目で見ると実用的ではありませんし、危険も伴います。
  • 政府が提供している、米国農務省' (USDA) のDietary Guidelines for Americans やMyPlate (ChooseMyPlate.gov) などから、バランスの良い食事に関する、信頼できる一般消費者向け情報が得られます。
  • 食品の組合わせに関する詳細については、http://www.livestrong.com/article/328031-food-combining-myths/ をご覧ください。