概要
皮膚の赤みやかゆみをとるお薬です。どんな症状に効くの?
使い方
特徴
特に気をつけること
症状により使用方法が違いますから、医師の指示どおりに使用してください。大事なのは決められた十分量を用いることです。副作用を心配するあまり自己判断で減らしてしまうと、かえって治療期間が長引いしまうことになりかねません。使用前後に手をよく洗いましょう。そして、指先に適量をとり、あまり強くこすらないで、指の腹でやさしく延ばすように塗り付けてください。健全な部位にむやみに塗り広げないようにしましょう。使用回数は、通常1日に2回ないし1回です(朝、夕または入浴後)。一般的には、急性期は2回とし、その1~2週間後に重症度の評価をおこない改善したなら1回に減量、またはより弱いものに切り替えるようにします。段階的に減量し、最終的に中止できれば理想的ですが、アトピー性皮膚炎などでは維持療法として少し長めになるかもしれません。病気そのものが治るわけではありません。対症療法薬ですので、止めるとぶり返すおそれがあるのです。とくに長期大量使用中に、急ににやめると重い反発症状を起こすおそれがあります。ですから、きれいになったからと自己判断でやめてはいけません。指示された期間根気よく続けてください。中止するときは、医師の判断で段階的に減らしていきます。目のまわりはできるだけ避けますが、用いる場合は目に入らないように注意しましょう。大量に入ると、眼圧が上昇し緑内障を引き起こすおそれがあります。決められた範囲内で使用してください。よく効くからと、ひげそり後や化粧下に代用してはいけません。なお、ステロイド外用薬全般の注意点については、下記備考も参考にしてください。どう効くのか
ステロイドの外用薬です。ステロイドには炎症をしずめる強い作用があります。短期間で皮膚炎をおさえることが可能で、腫れや赤みをすみやかにとり、かゆみや痛みをやわらげます。このため、湿疹やアトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな皮膚疾患に広く使用されます。症状をとる対症療法薬ですので病気の原因そのものは治せませんが、皮膚をよい状態に導き、かきむしりによる悪化の悪循環を断つという意味でも有用です。飲み合わせの注意
細菌やウイルス、真菌(カビ)などによる皮膚感染症には原則用いません。とくに、皮膚結核、梅毒性皮膚疾患、単純疱疹(口唇・顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、性器ヘルペス)、水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹などは禁忌とされます。また、重いやけどや皮膚潰瘍、切り傷には不向きです。これらにステロイドを用いると、かえって症状が悪化したり、治りが遅くなるおそれがあるためです。皮膚が薄い顔や首、陰部などは薬が効きやすく、また体内に吸収されやすいです。このような患部に対しては、ステロイドのランクや使用回数・期間などをよく勘案のうえで用います。赤ちゃんの皮膚もデリケートなので、重症度に応じて薬の強さや、使用量、使用期間を医師が慎重に検討したうえで処方します。とくに乳児期アトピー性皮膚炎では膿痂疹(とびひ)を合併しやすいので、適切に対処する必要があります。オムツで覆うと、局所作用や副作用が強まり、さらに体内に吸収されやすくなりますので気を付けてください。高齢の人は皮膚代謝が遅く薬剤の残留時間が長いので、薬が効きやすく副作用もでやすいです。このため、薬のランクを低めにするなど慎重に用いるようにします。長期大量使用あるいは広範囲の密封法(ODT)においては特に注意が必要です。妊娠中は、全身への影響がでるほどの長期にわたる大量使用は避けたほうがよいでしょう。通常量の範囲でしたらまず心配いりません。下記妊娠の項も参照ください。使用上の注意点
生活上の注意
主な副作用
外用薬ですので、1~2週間使う程度でしたら ほとんど副作用はありません。まれに接触皮膚炎(かぶれ)を起こすことがありますので、しばらく続けても少しもよくならないときや、かえって悪化するときは早めに受診してください。症状が改善しないまま、漫然と続けることは好ましくありません。顔面、ことに目の周囲に使用する場合は、緑内障に念のため注意が必要です。目に大量に入ると、眼圧が上昇し緑内障を引き起こすおそれがあります。なお、アトピー性皮膚炎に合併するアトピー白内障は、目をこするなどの外傷により生じることが多く、ステロイド外用薬の影響は少ないと考えられています。長く続けていると、ステロイド特有の皮膚症状がでることがあります。なかでも多いのが皮膚萎縮です。皮膚が白く薄くなり静脈が透けて見える、てかてか光る、へこんだ感じ、しわができるといった症状です。とくに肌がデリケートな顔や首、また皮膚代謝が衰えている高齢の人に起こりがちです。ほかにも、人によっては赤ニキビや白ニキビのようなものができたり、うぶ毛が濃くなることがあります。ただ、これらは可逆性で治療が終われば徐々に元に戻ります。さらに、顔面に数ヶ月以上、年単位で連用することにより生じるのが酒さ様皮膚炎です。顔の潮紅、小さな赤いぶつぶつ、毛細血管の拡張、皮膚萎縮などをともない、まるでお酒飲みの赤ら顔のような感じになります。アトピー性皮膚炎などが混在していることも多く対処が少し難しいのですが、中止または適切な処置により少しずつ回復しますので、気になるときは医師とよく相談してください。タクロリムス(プロトピック軟膏)への変更も一案です。ステロイドには抗炎症作用の裏返しとして、微生物に対する抵抗力を弱める性質があります。細菌やウイルス、真菌などが増殖しやすくなり、それらによる皮膚感染症が発現したり悪化するおそれがあるのです。具体的には、黄色ブドウ球菌感染による膿痂疹(とびひ)、ウィルス感染による単純疱疹(ヘルペス)や伝染性軟属腫(水いぼ)、真菌によるカンジダ症や白癬(水虫)などです。また、ステロイドにより抑えられていた症状が、急な中止により悪化・顕在化することもありえます。その重症例として考えられるのが、中止後に急激に発症するカポジ水痘様発疹症(単純疱疹の一種)です。長期連用中に自己判断で急に止めてはいけません。飲み薬のような全身性の副作用はまずありませんが、長期にわたり大量に用いている場合など、まったくないとはいえません。使用部位や使用法にもよりますが、長期大量とは数ヶ月以上毎日10gチューブを使い続けるような量です。とくに顔面使用時や広範な密封法(ODT)において要注意。きわめてまれなケースとして、大人では糖尿病や高血圧、骨粗しょう症、後嚢白内障の誘発や悪化、また赤ちゃんや子供では副腎抑制にともなう感染症や成長障害、クッシング症候群などが起こりえます。多くは不適切な長期大量使用にもとづくものですが、治療上やむおえないときは定期的に副腎などの検査を実施するようにします。適正に使用するかぎり問題ないでしょう。