額ニキビ吹き出物の治し方。原因と予防のポイント
ニキビや吹き出物ができやすい部分の一つが額(ひたい)です。額ニキビは特に皮脂が増加する思春期に多発しやすく、悪化してしまうとニキビ跡の赤みや色素沈着が非常に目立つものになります。
今回は、額ニキビの原因と跡を残さない治し方をご紹介します。
額ニキビの原因と特徴
皮脂の増加とひたいニキビ発生メカニズム
額ニキビの原因は主に皮脂の過剰分泌です。皮脂増加とニキビの発生は以下のような関係があります。
1皮脂が増加すると、皮脂をエサにして増加するアクネ菌などの皮膚常在細菌も増加し、皮脂を分解して遊離脂肪酸という物質を作り出します。つまり、皮脂の増加に比例して遊離脂肪酸も増加します。
遊離脂肪酸は皮脂中に約20~30%含まれており、皮脂中にはオレイン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸などの遊離脂肪酸が特に多く含まれます。
2遊離脂肪酸は皮膚を健康的な弱酸性に導く働きがある一方で、時間の経過と共に皮膚に対して刺激を与えるようになり、毛穴周辺の皮膚ターンオーバーを乱して角質肥厚を起こすようになります。
3角質が過剰に産生されて皮膚が厚くなることで毛穴が塞がれるようになり、その内部でアクネ菌が増殖することでニキビが炎症を起こしてしまいます。(アクネ菌は嫌気性菌で酸素がなくなると一気に増殖します)。
遊離脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類がありますが、このうち不飽和脂肪酸は特に酸化されやすく、時間の経過とともに肌への刺激性が強くなります。
ターンオーバーを乱したり、炎症を起こして皮膚のキメを乱すようになってきます。なお、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸はオレイン酸やパルミトレイン酸がほとんどを占めます。
ひたいニキビは思春期に多い?
一概にはいえませんが、ひたいニキビは思春期に発生しやすい傾向があります。
思春期は男性ホルモンなどの性ホルモンの分泌が活発になる影響で皮脂も活発に分泌されますが、その影響は皮脂腺が発達している額、眉間、鼻・小鼻、頬などに大きく現れます。
若い時期は額のニキビやテカリ、化粧崩れに悩まされるところです。
一方、成人してからできる大人ニキビは、頬やアゴ、Uゾーン(フェイスライン)といった、顔の下側のあまり皮脂量が多くない部分にできやすい傾向があります。
整髪料が額にきびの原因?
額にきびの原因の一つが整髪ジェル、ムース、ワックスなどのヘアケア製品です。整髪料は髪を保護するために油脂が多く含まれているため、肌に付着することで額ニキビができてしまう可能性があります。
また、ジェルやワックスなどはシャンプーしても落ちにくく、髪や皮膚に残ってしまう可能性があります。額にきびが多発して肌が不安定な時には整髪料の使用を避けたり、髪の毛が肌に付かないヘアスタイルにしましょう。
シャンプーやリンスが額にきびの原因?
シャンプーやリンス、トリートメントなどが額ニキビの原因になる可能性があります。特に、リンスやトリートメントなどは髪の毛に潤いや艶(つや)を出すために油脂が豊富に含まれていることがあり、油脂が肌に残ってしまえばニキビを引き起こしてしまう可能性があります。
額ニキビがある場合はリンスやトリートメントなどは控え、シャンプーだけにしたほうが良いかもしれません。また、髪の毛を洗ってから顔や身体を洗うようにすることで肌に油脂成分を残さずに済みます。
額にきびはクレーターになりにくい
額ニキビはニキビ跡がクレーターになりにくい傾向があります。一般にクレーターは頬やアゴ、こめかみなどにできやすいことで知られていますが、額の皮膚は瘢痕化しにくい傾向があります。
筆者は皮膚科に勤める看護師として多くのニキビ患者さんを診てきましたが、額にニキビ跡クレーターが多発している患者さんはとても少ないです。
額は毛穴が開きやすい?
頬などと同じように額は毛穴が開きやすい部分です。それは皮脂が多いことが関係しています。皮脂中には遊離脂肪酸が含まれますが、遊離脂肪酸は酸化すると炎症を起こしたり、ターンオーバーを乱す要因となります。
毛穴周辺の皮膚ターンオーバーを早めてしまうことで盛り上がった状態となり、毛穴が凹んで見えるようになります。また、遊離脂肪酸による炎症が長期的に及ぶと毛穴がすり減って開いたように見えるようになります。
額ニキビの治し方・吹き出物対策
額にきびを治すには、皮脂をコントロールする、皮脂汚れを落とす、ターンオーバーを整えるといったケアが必要です。
低刺激性の洗顔料で優しく洗顔
額ニキビの予防・改善のためには肌に刺激を与えない洗顔を心がけることが重要です。キメ細かい泡をたくさん作って、肌をこすらないように優しく洗いましょう。
泡立てネットを使えば、簡単にキメ細かい泡を豊富に作ることができます。洗顔は1日2~3回が目安です。
洗顔料は無添加石鹸が理想です。(無添加石鹸は刺激が強い合成界面活性剤が含まれていません)。
皮脂が多いからといって脱脂力が強い洗顔料では皮脂や潤い成分をとりすぎてしまい、かえって皮脂分泌やターンオーバーを乱してしまう可能性があります。
ピーリング化粧品で穏やかに角質ケア
額ニキビを治すにはピーリング化粧品を利用するのも一つの方法です。毛穴のつまりはターンオーバーが乱れて角質が厚くなってしまうことで引き起こされます。
毛穴を塞ぐ角質を穏やかに剥がすことで額ニキビの予防・改善につながります。
市販のピーリング化粧品には、洗顔料、固形石鹸、化粧水(ふきとり化粧水)などがあります。いずれの種類でも優しく使用しましょう。
ピーリングをやりすぎると肌が疲弊してくるようになるため、額ニキビがある時のみ週1~3回程度を目安に行いましょう。そして、額ニキビが治ったら必ずピーリングを中止しましょう。(ピーリングは肌を薄くしてしまうため、やりすぎは禁物です)。
額ニキビには水溶性ビタミンC誘導体
オイリー肌タイプの額ニキビを予防・改善するには、水溶性ビタミンC誘導体の化粧水が効果的です。ビタミンCには、皮脂分泌や酸化を抑える効果や、ニキビ跡の色素沈着を予防し、治す働きがあります。
ビタミンC誘導体には「水溶性」と「脂溶性(油溶性)」がありますが、皮脂が多い額ニキビの場合は水溶性のリン酸と結合した「リン酸型ビタミンC誘導体」が有効です。
皮膚科医においてもニキビ治療にビタミンC誘導体を積極的にすすめる医師は多いです。使い続けるうちに額のニキビ・吹き出物の改善が期待できます。
市販のニキビ治療薬
多発した額のニキビには市販のニキビ治療薬でも十分な効果が期待できます。市販薬には、オロナイン、ピンプリット、ペアアクネクリーム、クレアラシル、アクネス、ビフナイトなどがあります。
皮膚科でにきび治療
額ニキビがかゆい、痛みがある、強く腫れたなどの場合は皮膚科で治療を受けるのが理想です。
特にニキビがかゆい場合、アレルギーを起こしている可能性があり、炎症が長引いてしまうことがありますので、皮膚科で治療を受けると良いと思います。
額にきびがかゆい場合、抗生物質とステロイドを組み合わせた「リンデロンVG」などの塗り薬が使用されることもあります。