たかの友梨は究極の超絶ホワイト企業になれる!?
残業代未払いや、有給休暇を取らせないなどの労使問題が大きく取り上げられていた、エステサロン「たかの友梨ビューティクリニック」。
たかの友梨社長が、問題提起した従業員に対して「脅し」ともとれる発言をしていたことも明らかになり、その企業体質・経営体質が問題視されていました。この騒動は、たかの友梨は「ブラック企業」だ、という認識が社会的に広まるきっかけともなりました。
さて、そんなたかの友梨ビューティクリニックですが、大騒動となった労使問題を経て、超絶ホワイト企業に生まれ変わる!?みたいです。
たかの友梨がホワイト企業に生まれ変わる?その内容とは
「たかの友梨」とエステ・ユニオンが「ママ・パパ安心労働協約」を締結したことが発表された。・・・中略・・・
まずこの協約では、妊娠・出産・育児を抱える女性が働き続けられるための施策について、会社と新たに取り決めをしている。会社は、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法、労働基準法等に定められた、妊娠・出産・育児・介護等のために必要な措置(休業・業務軽減・時短勤務等)を実施することを約束している。
ここまでは法律の水準を遵守するという最低限の内容だ(もちろん、現実にはそれすらできていない企業が多いので、これだけでも重要である)。しかし目を見張るのは、法律の水準を超えて、子育て中の組合員の労働時間を短縮するための独自の制度を、会社とユニオンで定めていることだ。
は、エステ業界の労働組合で、その事務局内部には「たかの友梨ユニット」というたかの友梨専門の部署があるくらい、たかの友梨ビューティクリニックとの交渉に力を入れてきていたようです。
そして、今回、エステ・ユニオンがたかの友梨ビューティクリニックと「(遵守されれば)超ホワイト企業となるような」労働協約を結ぶことに成功したわけです。
どのような点が一般的な労働協約と違うのか、整理してみました。
- 法律(育児休業法)では、子供が3歳になるまでは時短勤務制度の設置が義務付けられているところ、たかの友梨では小学校入学(7歳)までその時短勤務制度を延長している点
- 法律では、子供の小学校入学までは残業を制限する義務が会社にあるとされているところ、子供が小学校に上がった後でも組合員(従業員)が望めば、残業を免除し、小学校の休日などに労働シフトを合わせることにしている点
- その他、家庭の事情を会社に考慮してもらえない場合には、ユニオンが両者の間に入り問題を解決することが出来るとしている点
という感じになります。
なるほどなるほど、確かにエステユニオンとの協約が遵守されれば、たかの友梨ビューティクリニックの労働環境は劇的に改善して、超絶ホワイト企業になる、と言えそうです。
さらに、上で引用したコラムの筆者は、これまでブラック企業と批判されてから改善策を打ち出した企業(ワタミやすき家など)とは、問題の解決方法が全く異なると指摘しています↓(引用元は同一)
・・・(前略)・・・裁判を起こされたりマスコミから叩かれたりした企業は、「一時的に改善する」ことはあるものの、監視機関がないのをいいことに、またすぐにもとの体質に戻ってしまう。
これらと比べ、たかの友梨の新しさは、ユニオンとの労働協約によって改善したということだ。法律遵守の約束はもちろん、法律を上回る水準のルールを設けたうえ、今後会社が労働条件を悪化させないように、ユニオンがチェックと交渉を続けることができる。
これこそが、たかの友梨が「究極のホワイト企業」に転換していくと評価できるポイントだ。職場にユニオンができ、継続的に交渉していくのであれば、体質がもとに戻らないように監視することができる。また、継続的な改善を話し合いで進めていくことにもなるだろう。
これまで「ブラック企業」と世間やメディア・行政から批判を受けて、改善策を打ち出した企業と根本的に異なる点が、
間にエステ・ユニオンという第三者が入っていること
というわけです。
ワタミやすき家の労働環境改善は、企業が考え、企業と従業員との間で就労規定改訂などの形で行われたものです。
あくまでも、企業が作ったもの。だから、企業の都合で後で変えることが出来る。
しかし、今回のたかの友梨ビューティクリニックの労働環境改善の場合、エステ・ユニオンという第三者が間に入って労働協約を結び、その協約の遵守状況を常に監視し、場合によっては交渉も行うことになっています。
企業と従業員の間の力関係は、圧倒的に企業が上です。なぜなら、企業と従業員の関係は「雇用関係」だからです。雇用関係は言わば支配従属関係ですから、従業員は企業から言われたことは守らなければなりません。
しかし、企業と従業員の間に、企業と支配従属関係にない第三者が入ることで、企業は協約を勝手に変えたり破ったりすることが困難になります。
大企業の場合、労働組合があることが普通ですが、企業によっては労働組合も企業側の姿勢・考えを持っていて、企業の利益になる判断をするケースが少なくありません。労働組合の幹部は、その企業の元役員だったりしますので。
しかし、今回のたかの友梨ビューティクリニックの場合、エステ・ユニオンはたかの友梨とは直接的な関係はありません。
あくまでも、エステ業界の労働組合ですから、企業の影響力が及びにくいと言えます。
そう考えると、大企業の労働組合よりも、実効性が高いと言えそうです。
たかの友梨は本当にホワイト企業になれるのか!?
とはいえ、これまでのたかの友梨社長の発言や行動を考えると、
本当に協約を遵守できるの!?
という疑問を持たざるを得ません。
エステ・ユニオンとたかの友梨ビューティクリニックとの間に力関係が無いとしても、資金力・交渉力などでは企業側に分があります。
そして、企業の目的は常に「営利の追及」です。
それは、たかの友梨ビューティクリニックに限らず、トヨタでもSoftBankでも、町工場でも同じです。
企業は、株主のために、利益を稼ぐ必要があります。
そう考えた時に、今回締結された労働協約を厳密に遵守した場合に、はたしてたかの友梨ビューティクリニックの利益はきちんと出るのか?
という疑問が残ります。
仮に、利益が出なかった場合、そのまま労働協約の遵守状況を保ち続けることは難しいのではないでしょうか。
ずっと赤字の企業は、早晩潰れてしまいますので。
全国的に見ても、従業員にとって理想的な労働協約を結んだ、たかの友梨ビューティクリニックですが、
このような理想的な労働協約を遵守しつつ、企業の利益を出していくためには、たかの友梨社長の手腕が改めて問われることになります。
「たかの友梨はホワイト企業に生まれ変わった」というイメージが消費者に根付けば、事態は好循環になっていくと思います。
たかの友梨社長が、この苦境を脱し、どうやってたかの友梨ビューティクリニックを立ち直らせていくのか、その手腕に注目です。