今年6月、2度目の大阪城ホールを制覇し、ガールズバンド史上23年振り2組目となる横浜アリーナ2DAYSライヴを、見事成功させたSCANDAL。追い風を受けて突き進む彼女たちの、6枚目のオリジナルアルバム『HELLO WORLD』が、12月3日に発売された。自分達らしさに加えて、さらに聴きやすさにこだわり、間口を広げた楽曲は、ファンだけではない多くのリスナーに届くこと確実だ。来年は、本作を引っ提げての“ワールドツアー”も決定している、“ガールズバンド日本代表”の4人に、最新作に込めた想いを聞いた。
文/東條祥恵
「日常に溶け込むような、生活感があるアルバム。ここから新たにスタートしていく感覚」
――ずばり、本作を漢字一文字で表現してみて下さい!
RINA “素”かな。素顔が詰まってるし、生活感があるアルバムだなと思うので。これまではライヴのためにアルバムを作ってるという感覚に近かったんですけど、家で何も考えずにBGMとして聴ける1枚も欲しくて。そういう自然な曲をやりたい気分でもあったんです。
――なんでそういう気分になったんだろう…。
RINA 自分たちが今、一番リラックスして音楽がやれてるからだと思います。だから、ライヴ会場で盛り上がれる曲もあるけど、車の中とかお風呂のなかでも聴ける曲が入った、自然体なアルバムができたんだと思います。
MAMI “新”。まず、6枚目にして1stアルバムのような感覚があって。それは、この作品がセルフプロデュース色が強いからというのもあると思うんです。
――本作にはメンバー作詞・作曲の楽曲がたくさん収録されてますもんね。
MAMI 1年くらい前からみんなで曲を出しあって。「これ、こんな感じでやろうよ」みたいなことでプリプロ作業をしていったから、すごくスムーズに作れたんですよ。だから、バンドとしての達成感もすごくありました。そのなかで、個々に新しい挑戦もしていて。ボクが数曲キーボードを弾いて、RINAもギターを弾いてたり、HARUNAが作詞・作曲するとか。個々のチャレンジも含めて“新”かなと。
TOMOMI 私は“常”で。日常に溶け込むようなものを目指して作っていったので。自分が音楽聴くときも、今の自分にピッタリなものを選曲して聴いてるので、シーンごとにこのアルバムの曲をチョイスしてもらえたらなと思います。
HARUNA “基”。これからのSCANDAL人生のなかで、これがベースになっていくんだろうなという気がしています。いままでシングルのC/Wなどでやってきたこと(メンバー作詞、作曲、アレンジ等)がすごく本作に活かせたと思うし。だから、MAMIがいったみたいに1stアルバムという感覚に近くて。ここから新たにスタートしていくんだと思います。
――まだ知らない世界、その扉を開いて新たにスタートしていくというマインドは、本作全編を通して感じたことでもあるんですが。
HARUNA そこは、アルバムを作ってみて改めて自分たちも感じたところで。
MAMI だから、バンドとしては前向きなモードなんだと思います。2回目の大阪城ホール、横浜アリーナ公演を終えて、出てきた歌詞や曲は自然とそういうものになってましたから。
「全員が作詞・作曲し、リードボーカルをとるのが強み。今はどこまででもいける気分」
――なるほど。では次に、アルバムのなかで各々思い入れがある曲を教え下さい!
HARUKA 「Graduation」。今回4人それぞれがリードボーカルをとる曲が入ってるんですが、自然と自分が作詞・作曲した曲を歌うことになって。私が今回初めて作曲に挑戦した曲がこれです。いままでSCANDALとしていろんな曲を歌ってきたなか、ひとりでカラオケで歌える曲を作りたいなというのをテーマにメロディは作りました。なので、ぜひカラオケで歌って欲しいです。私が歌詞を書くと、どうしても自分からの脱却を描くことが多いんですけど、恋愛を経て、新たな自分に生まれ変わるというところでこの歌詞が書けたのは、26歳になった今だからこそかなと思います。
TOMOMI 私は「缶ビール」。SCANDAL史上初のお酒ソングです(微笑)。ロマンティックな曲を作りたくてお酒にまつわる曲にしたんですけど…。
――それがワインでもシャンパンでもなく。
TOMOMI あえて「缶ビール」(笑)。でも、私自身お酒が飲めないので、飲めない人の歌を作ろうというところで作りました。
MAMI ボクは「本を読む」。すごくラフに聴いてもらえて自分も気楽に歌える曲が欲しいなと思って作りました。歌詞は好きな人の“好きなもの”を好きになるというのがテーマ。自分は本は読まないし、映画も観ないタイプなんですけど、せめてメンバーが「あれ観た?」「これ読んだ?」とか言ってるものは共有したいと思ったのがきっかけで、今はメンバーに薦められた本を読んだり、RINAに映画を借りたりしてます。
RINA やっぱり「おやすみ」です。これは自分が詞、曲を書いて初めてリードボーカルをとった曲です。自分たちのバンドの特徴として、全員が作詞・作曲をし、全員がリードボーカルをとるっていうところが楽しいところなので、それが形になりました。この曲はドラムを打ち込みにして、私はギターを弾いています。リードボーカル、ドラムレス、ギターと私にとってはすごく挑戦曲ですね。
――いまピックアップしてくれた「本を読む」「缶ビール」「おやすみ」といった曲が並ぶアルバム後半は、生活感、日常にフィットした曲がつながっているところですよね。
MAMI そうですね。アルバム全体を通して1日の流れを意識して曲順は考えました。
――そしてエンディングを締めくくるのが小室哲哉さんとのコラボ曲「Place of life(feat.Tetsuya Komuro)」。じわ〜っと感動がわきあがってきて泣きそうになりました。
RINA スケール感のある曲だし、言葉がめっちゃピュアなんですよね。ストレートな言葉だけで成り立ってる楽曲なんで、みんな歌詞の意味が分かると思うんですよ。誰もが持ってる切なさにタッチする曲なので、私もそうですけど、この曲が糧になる人がたくさんいると思うので、長く、大切にやっていきたいと思います。
――『HELLO WORLD』というアルバムタイトルには、どんな気持ちが込められてるんですか?
RINA 楽曲が集まったとき歌詞を4人で見直したら、それぞれの楽曲の主人公がみんな、よりよい明日、新しい自分に向かっていたので、そういう気分に名前を付けるとしたら…ということでこのタイトルを付けました。あと、2015年はワールドツアーも決定したので。このタイトルを付けておけば何十年たっても『HELLO WORLD』を出したときに、初のワールドツアーに行ったなと思い出しやすいかなと。
――それ、いい考えですね!今、話に出たように来年は、SCANDAL史上最多公演数となる全31公演の国内ホールツアーと初の単独海外公演を合わせた7万人動員規模のワールドツアー「SCANDAL WORLD TOUR 2015『HELLO WORLD』」が始まります。最後に、SCANDALの未来はどこまで広がっていきそうですか?
HARUNA それは私たちにも分かりません、未知数です。いけるところまでいきたいので、どこまでとは決めたくないです。昔は大阪城ホールという目標を掲げてやってきたバンドでしたが、それを越えた今はどこまででもいける気分でいるので。あえて目標は決めず、目の前に見えるものをガシガシやっていきたいと思います。