ヘルスケア
2015/11/14

40代になってから全く痩せない。ダイエットは、食事制限と運動だけじゃもうダメ!

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Photo / Takayuki Abe Styling / Makiko Suzuishi

アットコスメのユーザーさんへのアンケートでも、悩みとして多く挙ったのが「40代になったら全く痩せないし、体重が増える一方! どうにかならないの?」という声。更年期にはなぜ痩せにくくなるの? アンチエイジングとダイエットに関する指導や講演を行う横浜クリニック院長の青木晃先生にその理由を伺いました。

ダイエットに必要な4つの柱が 崩壊しているのが40代~の女性

「ダイエットには4つの柱が必要です。食事、運動や生活活動、代謝、そして自律神経。4本の柱が同時に立たないとダイエットはうまくいかないんです。20代の頃は少し食事を減らしてちょっと運動したらすっと痩せられた。でも40歳を過ぎて同じようにダイエットしたり、もっと食事を減らして運動しているのに、痩せるどころか太ってしまうという女性も多いですよね。それは1と2の柱が立っていても3と4の柱が倒れているからいけないんです。だから、まずは代謝の柱を立て直し、自律神経の柱も立て直さないといけないのです」

自律神経の働きが悪くなると 痩せにくくなる

ダイエットには糖質をおさえるなど食事を気をつけて運動すればいいと思っている方も多いと思いますが、自律神経がダイエットに影響するのですか?

「太るのも痩せるもすべて自律神経の働きなんです。自律神経は身体の中と外をうまくネゴシエーションするシステム、暑ければ汗をかく、寒ければブルブルふるえて筋肉を収縮して熱を出して保温する、それらはすべて自律神経が勝手にやってくれています。心臓を動かすのも、ごはんを食べると消化吸収が行われるのも、自律神経の働きです」

「現代文明で生活すればするほど、自律神経は働かなくなります。そもそも、自律神経は地球と自分たちを同化させるためのシステム。だから昼と夜に交感神経、副交感神経が別に働くようにできています。日中は交感神経がアクティブに働き、夜はリラックスモードの副交感神経が優位になる。夜中でも光がついていたり、昼近くまで寝ていたりといった生活のせいで自律神経が狂ってきます。するとからだのシステムがだんだん狂い、それがストレスになって老化の引き金が引かれたりします」

更年期の不調や免疫低下も 自律神経の崩れが原因だった

自律神経が狂うことと、痩せにくくなることのつながりは?

「自律神経の働きが落ちると、交感神経の働きが悪くなり、代謝が低下してしまうためです。交感神経の働きが低下することでうまく痩せられないことを、“Most Obesity kNown Are Low In Sympathetic Activity(肥満者の大多数は交感神経の働きが低下している)”の頭文字をとって、モナリザ症候群といいます」

「自律神経がプロデューサーで、ホルモン、免疫、代謝という役者が、筋骨格系という舞台のうえで演劇を演じている様子をイメージしてください。自律神経がそれぞれの3人の役者をうまくプロデュースし、演出し、彼らが見事な演劇を演じられている状態が健康です。自律神経の機能が低下している人は、痩せないだけでなく風邪を引きやすくなったり、生理や更年期の症状に悩まされるのも、このような仕組みのためです。またこの図を見てもらうとわかるとおり、舞台がしっかりしていないと役者は演技ができません。その舞台にあたるのがボディフレーム。それがおかしい人が最近は多いですね。運動不足で歪んでいたり、筋肉の力がなくなっていたり、インナーマッスルが弱くなっていたり……。すると舞台そのものが軟弱になっている。そういう人たちがヨガやピラティスをすると痩せるというのは、舞台がしっかりすることで、上の役者たちがうまく機能するようになるからです。だから筋骨格系をリセットすることは、ダイエットのためにも重要です」

自律神経を立て直すために 心がけたい生活習慣とは

筋骨格系をリセットするには、何をしたらいいのでしょうか?

「ヨガやピラティス、バレエエクササイズ、フラメンコ、フラダンスなど、コアマッスルを鍛える運動なら何でもいいと思います。そのうえで、自律神経を整えるためには、自然のリズムにあった生活を送ること。早寝早起きして、朝日を浴びたり、副交感神経が優位になる深呼吸をしたり、朝食を食べ、睡眠の質を高める。温かいお風呂にしっかり浸かり、リンパマッサージを行うのも効果的です。僕は朝と夜に自律神経を整えるためのエクササイズも考案しました。それがモナリザ・エクササイズ。夜寝る前にぜひ試していただきたい2つのエクササイズをご紹介します」

夜のモナリザ・エクササイズ「Flower」

①脚を軽く開いて立ち、鼻から息を吸い、吐きながら肩を前から上へ、上から後ろへ大きな円を描くようにまわします。2回行います。

②息を吸い、吐きながら肘を曲げ、ひじで大きな円を描くようにまわします。

③息を吸い、吐きながらひじが軽く曲がった状態で、前から後ろにまわします。胸の前の広がりを感じてください。2回行います。

夜のモナリザ・エクササイズ「Swan」

①両足を腰幅に開き、背筋を伸ばし、肩の力を抜いて立ちます。その後ひざを軽く曲げ、息を吐きながら両手を前に伸ばして背中を丸めていきます。おへそを背骨のほうへぐっとしまい込み、おへそをのぞきこむイメージです。

②息を吸いながら丸めた背中を伸ばし、同時にひじを後ろへ引いて肩甲骨を寄せましょう。胸をしっかり開き、おなかが前へ突き出ないよう意識してください。

③息を吐きながら、両手をからだの前でクロスさせ、①よりもさらに奥へおへそをしまい込むよう意識しながら背中を丸め、おへそをのぞきこみます。この一連の動きを3回から5回繰り返します。

人間は飢餓に備え、脂肪を蓄えるよう プログラムされている

「そして最後に、そもそも、人間の身体は痩せるようにできていないということも、覚えておいてください。200万年の歴史がある人類の歴史をたどると、ほとんどが飢餓との戦いだった。飽食で“痩せたい”という状態になっているのはこの数十年だけ。だから生物としては、隙さえあればできるだけ脂肪を蓄えて、飢餓に備えるようにプログラムされているんです。生物としての仕組みに逆らうわけですから、舞台とプロデューサーがしっかりしていないと、なかなか難しいということがおわかりいただけるのではないでしょうか」

青木先生のモナリザ・エクササイズはわかりやすい本も出版されているので、ぜひ参考にしてみてください。

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横浜クリニック
青木 晃先生

横浜クリニック院長。東京皮膚科・形成外科 銀座院 内科部長 元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授。防衛医科大学医学部卒業。日本健康医療学会常任理事、日本内科学会認定内科医、日本抗加齢医学(アンチエイジング)会専門医。1990年代にアメリカで始まったアンチエイジングの本質は健康長寿のための究極の予防医学、「太ることは老化でもある」という考え方からアンチエイジングとダイエットに関する指導、講演、テレビ出演などを積極的に行う。主な著書に『モナリザ・エクササイズ』(エクスナレッジ)などがある。