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グーグルが求人検索サービスを開始 「インディード」社長は競争を歓迎
なぜindeedはGoogleを恐れないのか
全米人材マネジメント協会(SHRM)は先ごろ、世界最大の求職サイトである米インディード(Indeed)のクリス・ハイアムズ社長のインタビュー記事を掲載した。5月中旬にグーグルが求人検索の新サービス「Google for Jobs」を発表したことに関して、「競争を歓迎する」とコメントし、この分野での自社の優位性に対する強い自信を伺わせている。(以下、抄訳)
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クリス・ハイアムズ社長「話題に上ること自体が成功の証だ」
- ――グーグルの求人検索エンジンが、「インディードのライバル」になると噂されていることについてどう思いますか?
ハイアムズ:まず初めに、当社がそういう文脈で話題に上ることが嬉しい。10年前ならば、誰もそんなことは言わなかったはずだ。これはインディードが成功した証だと私は捉えている。
グーグルは尊敬に値する組織だ。そして現在当社が求人検索のナンバーワンであるからと言って、その地位が今後も安泰だと考えるのは傲り(おごり)だろう。グーグルは今回の事業には勝算があると考えているのだし、我々は競争を歓迎する。ただ違いがあるとすれば、当社には求職者支援に専念する社員が5000人在籍していることだ。グーグルは巨大な組織だが、職業分野のみに専念する人材はそんなに多くはない。
各国の平均勤続年数 アメリカ4.6年 日本19.5年 インド1年
ハイアムズ:人材採用や雇用管理は、非常に特殊かつ難しい分野だ。さらにその事情は世界各地で大きく異なる。インディードは12年の歳月を費やして、グローバルな存在感を築き上げてきた。60を超える国々、29の言語でウェブサイトを運営し、14か国に事業所を有している。
例を挙げれば、アメリカではターンオーバー(離職)の平均年数は4.6年だが、日本ではその数字は19.5年であり、インドではわずか1年だ。このとおり世界各地で仕事探しや採用活動の実情は大きく異なる。我々は多くの歳月を費やして、この分野で実績を積み上げてきた。たとえ他企業がこの分野に100%集中したとしても、(インディードがずっと前にクリアした)ベーシックな問題の解決すらかなり手間取るだろう。
我々がいま歩みを止めてしまえば、確かにいずれはライバルに取って代わられる。現在のマーケットでの地位に満足していては、グーグルのような企業に足をすくわれるだろう。だが我々が全速力で駆け抜けて、成長を続けるならば、私としては将来を楽観視できる。
「インディード」はモバイル機器でグーグルより優位にある
ハイアムズ:当社が多くの時間とエネルギーを投資してきた大きなチャレンジの1つが、モバイル機器を通した求人応募だ。今日では、求人検索全体の6割がモバイル機器上で行われる。5年前には、わずか2割に過ぎなかった。モバイル機器を利用した求人検索における最重要事項は、(閲覧中の求人に)そのまま応募できる機能だ。このためには、求職者が自身のIDでサイトにログインしている必要がある。インディードの履歴書データべースの登録者は、9000万人に上る。つまりインディードアプリのユーザー全体の半数以上は、サイトにログインしてその場ですぐに仕事に応募することができる。
グーグルもこの分野に多くの時間とエネルギーを注ぎ込めば、やがて追いつくことができるかもしれない。だがグーグルのSNS「Google+」は成功していない。そしてたとえ彼らがインディードに掲載中のすべての求人を網羅し、我々の持つ検索機能や専門知識をすべて手にしたとしても、モバイル機器からの効率的な仕事応募にはまだ対応できない。一方で、我々はこの問題を5年前に解決している。
グーグルは(求人検索分野においても)きっと事業成功を収めるだろう。だがもし人々が実際に仕事探しや求人掲載を行うためのプラットフォームを構築したいならば、クリアすべき課題は実に多い。グーグルが過去に検索エンジン以外の分野に進出した歴史を考えてみてほしい。たしかに「Gmail」は大きな成功を収めたが、それ以外の大きな成功例は、「YouTube」や「Android」などいずれも買収によるものだ。それらは社内開発で築いた成功ではない。その一方で、グーグルが企てて不首尾に終わった企画ならば、私は10個くらい簡単に挙げることができる。
求職サイト「インディード」が成功を収めた2つの理由
- ――10年前には、求人サイト「Monster」が現在のインディードの立ち位置にいましたが、現在彼らの立場は弱まっています。これについてはどう思いますか? 同じような運命を辿ることを防ぐ手段はありますか?
ハイアムズ:我々自身もその問いについてよく考えている。インディードが従来の求人掲示板を越える成功を収めた理由は、当社の創立の基本理念によるものだ。求職者は「すべての求人」を閲覧したいと望んでいる。どんな求人サイトでも、「いくつかの求人」を探すことは可能だが、それはつまり「すべての求人」を探すためには複数のサイトを訪れる必要性があることを意味する。したがって当社の根本的なアイデアは、求人掲示板ではなく、求人の「検索エンジン」を作ることだった。これが我々が他から際立っていた1つめのポイントだ。
2つめはビジネスモデルだ。企業の観点から言えば、通常の求人サイトのモデルは、いわば新聞の「告知欄」のようなものだ。そのパフォーマンス(効果性)とは関係なく代金を支払わされる。これに対して、インディードは「ペイ・フォー・パフォーマンス(※pay for performance:クリック回数などの広告実績に応じて課金されるシステム)」のモデルを採用している。インディードには無料で求人が掲載可能なので、有料クライアントは皆、ただ求人を掲載するためだけでなく、わざわざ有料クライアントとなることを選択したということだ。昨年、当社には40万社の有料顧客がいたが、この数字は毎年著しく増加している。人々が繰り返し利用するのは、当社のサービスが機能するからだ。もし機能しなければ、わざわざ金は払わないだろう。顧客の成功を自社の成功と結びつけたビジネスモデルは、事業的観点から見て、最良の判断だった。そして求職者の都合を最優先にしなければ、求職者が真っ先に頼りにするソースになることはできない。だからこそ我々は大きな成功を収めたのだ。
オンライン採用全体の58%はインディードから生まれている
ハイアムズ:将来のことや他社との競争について言えば、我々はこれまで積み重ねてきたのと同じこと――つまり求職者のエクスペリエンス向上と、我々のクライアント(企業)へのさらなる価値提供に、徹底的にフォーカスしていくだけだ。他の企業がクールな響きの新しい機能を発表したり、メディアの注目を浴びているからといって、ペースを乱されることはない。結局のところ、我々が気に掛ける唯一のデータは「採用ソース」のレポートであり、シルクロード社のデータによれば、オンライン採用全体の58%はインディードから生まれている。しかもこの数字は過去5年間毎年伸び続けているのだ。
翻訳編集=櫻谷知央