皆さんこんにちは。番組担当の八富久です。
すっかり秋になりましたね。お久しぶりの俳句のコーナーです。
このコーナーで、夏休みに作った俳句を募集をしていました。
みなさんからの俳句 一部をここでご紹介します。
なつのひのアロサウルスのかせきかな たくみ3才 |
ブランチと称して母も夏休み 比々き |
夏休み二時間長く弾くピアノ かつたろー。 |
使ってもお釣りも時間夏休み 柳児 |
はちがつのモモイロペリカンしろかった けいご5才 |
ありがとうございました。
これからも、兼題ムービー以外の俳句も募集する機会もつくろうと
思いますので、ぜひ投句をお願いします。
さて、15秒の動画をお題にゲーム感覚で俳句を作っているコーナー。
「みんなで挑戦!ムービー俳句!」
今回は、兼題ムービー「あめ玉」編の入選句の発表と解説を
俳人の夏井いつきさんにしていただきました。
まずはこんなかわいい1句から。
おじいちゃんのにわのあじさいうちゅういろ けいご5さい
夏井さん) かわいいよね~。これね~。あのあめ玉のいっぱい集まってる様子とか色から「あじさい」を思い浮かべるこの子の発想力がまた素晴らしい。
しかも「うちゅういろ」ですよ。おじいちゃん 嬉しいよね。こんな句作ってくれたら。
平野キャスター) ね~。うれしいと思いますね。
局長の並べ育ててポーチュラカ 松本だりあ
夏井さん) 発想の方向はさきほどの俳句と似ていますよね。「ポーチュラカ」もカラフルなお花ですよね。「局長」なんですね。局長ってね。だいたい暇なんですよね。どこの局長も…(笑)「並べ育ててポーチュラカ」っていうここのリズムもいいし。
平野キャスター) 郵便局の局長さんとかですかね…地域にお花を…なんてね。
夏井さん) 放送局ではないですかね?
平野キャスター) あ。その件、ここでは言いづらい(笑)
夏井さん) はははは。
雪渓や窓辺の席にいやす喉 棗椰子
夏井さん) 「雪渓」というのが季語になります。夏になっても雪が溶けていない深い谷ってあるじゃないですか。「雪渓」って言葉聞くたびに北欧の美しい場所を思い出しますね。これ、高級リゾートホテルで…
平野キャスター) 何飲んでます?
夏井さん) 泡がでるやつですからね~。発泡性のワイン?
平野キャスター) いいですね。ビール…もいいですけれど、私もワイン…いただきたいですね。
夏井さん) 「いやす喉」っていうところもいいですね。
平野キャスター) そうですね。すーっと喉に入っていくような感じがありますね。
速報は震度三なりラムネ玉 柳児
夏井さん) これ、「ラムネ」が季語になりますね。これ、飲んだラムネの中にあるラムネ玉じゃないかと思いますね。それが、チリチリチリチリ揺れている…。「なに?」「地震?」と思っていると、「震度三なり」っていうニュースの速報がでてくる。「なり」っていう風に言い切るところもしっかりしているし、語順もいいですね。「ラムネ玉」っていうのが最後にでてこないとこの句は面白くないですね。いいです。
まひまひに豊葦原(とよあしはら)の晴れにけり みなと
夏井さん) さ~。これはまず、「まひまひ」とは…ってことですが、これは?
平野キャスター) かたつむり?かな?と思ったんですが。
夏井さん) 違うんです。これは、「おおみずすまし」という水面にいて、クルクルと回転するちいさな虫なんです。回るので「まひまひ」というんですね。
これを季語として認識していただいて。「豊葦原」という言葉ですよね。これも、聞き慣れないかもしれないんですが、古事記の中に出てくる日本の国の美しい呼び方です。
ということで、この句の解釈は、日本の国が誕生するシーンで、まぜて落ちたものから日本の国が誕生したということで…。そういったイメージであの映像から発想したんじゃないかと思うわけです。この発想力すごいですね。
平野キャスター) ほ~~~。
枯れたいと思っています水中花 小市
夏井さん) これを語るためには、この有名な俳句を知らなくてはなりません。
いきいきと死んでゐるなり水中花 櫂未知子
夏井さん) 水の中にある「水中花」は美しいけれど、これはいきいきと死んでいるんだといっている…。この句をふまえて、「枯れたいと思っています」と来ているわけです。
平野キャスター) 小市さんは「水中花」になりきった。
夏井さん) ええ。枯れたいと思っているんだよ…という。これですよね。
平野キャスター) そうでしたか。私は、すっかり「松坂慶子」さんの歌の方だと…思ってしまいましたよ…(笑)
夏井さん) はははは。さすがだね。それはそれですごい!(笑)
熱気球泡立つやうに夏空に 巫女
夏井さん) これは、まさに映像の中の「泡」のひとつひとつを「熱気球」に見立てたという…ことですよ。空にたくさん飛んでいる「熱気球」です。
この見立てもすごくいいんですけど、最後「夏空へ」じゃなくて「夏空に」ってしているので、もう熱気球があがっている状態のことをいうんですね。
とてもいい句ですね。
ここまで、入選句の発表と夏井さんによる解説でした。
さて、入選句の中から 今回の一番「movie俳句王」を決定します。
選ばれたのは、こちらの句!
まひまひに豊葦原(とよあしはら)の晴れにけり みなと |
夏井さん) いや~。これを選んだのはね、ホント、驚いたんですよ。
映像のグラスの中に 日本国の成り立ちを見たわけですよね。こんな発想出てくる?
こんな発想が出てくるから、この「映像俳句」というのは面白いよね。
やめられないなと思いますよね。最後の「晴れにけり」っていう言い切りもとても
気持ちが良いですね。堂々たる格調ですよ。お見事!
平野キャスター) まさか、あのグラスの映像から、こんな壮大な世界を見せてくれる
なんて思いませんでした。
夏井さん) 本当ですよ。驚きました!
平野キャスター) 言葉の力、俳句の面白さを感じる一句でした。
みなとさんの 夏井さんをアッと驚かせる一句が今回のムービー俳句王に
選ばれました。おめでとうございました。
そして、このコーナーの15秒のお題の映像は正岡子規の俳句を元に 制作しています。
今回の「あめ玉」編。
夏川や溢れて草を流れこす 正岡子規
という俳句がもとになっていました。
制作していただいたのは 河原デザイン・アート専門学校 デジタルデザイン科の
みなさん。毎回、いろいろ工夫をして映像をつくってくれています。
今回の映像を作ってくれたのは こちらの学生さんたち。
ご協力ありがとうございました。
皆さんたくさんの俳句を送って下さって、本当にありがとうございます!
次回も夏井さんをアッと驚かす あなたの一句 をお待ちしています。
入選にはいたらないものの 惜しい20句。HP上だけで公開している
今回の夏井いつきの