粉瘤(アテローム)の見分け方とニキビとの違いについて
粉瘤(アテローム)とニキビは一見すると非常に似ています。粉瘤と間違えやすい、ニキビなどできものが現れる病気と粉瘤の違いについて、また粉瘤の見分け方について説明します。
1. 粉瘤とニキビ(尋常性ざ瘡)の特徴とは?
粉瘤(ふんりゅう、アテロームとも呼びます)は、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる皮膚の病気です。体のいろいろな場所にイボのようなしこりができることが特徴です。粉瘤はニキビと見た目が似ていますが、その状態は全く異なります。粉瘤では、もし放置した場合、感染を起こして痛みが強くなったり、重症化すると異臭を放ったり化膿細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿であるしたりすることもあるため、ニキビよりもたちが悪いのです。
一方、ニキビは、皮脂や細菌感染症を起こす微生物の1つ。ウイルスと比較して10-100倍の体の大きさをもつが関係して、毛穴(毛包)が炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを起こした状態です。毛穴が皮脂によって詰まることで、中に皮脂や角質が溜まり、そこで細菌が繁殖して炎症が起きます。女性の場合、月経、ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるが関係していて、月経前にニキビが悪化することが良く知られています。
2. 粉瘤とニキビの違いと見分け方について
ニキビの大きさは数mmですが、粉瘤はどんどん大きくなって数cm、10cmになります。表面をよく観察してみると、粉瘤の真ん中の辺りに開口部と呼ばれる小さな黒い点が見られます。これは「へそ」とも呼ばれるものです。ニキビではこのような黒い点はないため、この違いが、粉瘤とニキビを見分けるポイントになります。
3. 粉瘤とニキビの触り心地の違いについて
粉瘤とニキビは触り心地も異なります。粉瘤の場合、嚢胞体の表面や内部にできる、主に水分が溜まった袋状の構造物。多くの場合良性であり治療は必要ない(のうほう)と呼ばれる袋状の組織が皮膚の中にできます。その嚢胞には、老廃物が徐々に溜まります。その結果、触るとつまめるくらいのしこりができるのです。ニキビでは、基本的にはつまめるほどのものにはなりません。この触った感じも、粉瘤とニキビの見分け方のひとつになります。
4. ニキビと違う粉瘤の臭いについて
粉瘤とニキビの見分け方について、もうひとつポイントになるのは、においがするという点です。粉瘤は臭いにおいを放つことが知られていて、この「におい」も粉瘤とニキビを判別するポイントになります。この異臭は、嚢胞に溜まった老廃物が腐ったにおいです。ニキビは基本的に異臭はしませんので、この点も粉瘤とニキビで異なります。
5. ニキビ以外で粉瘤と間違われる可能性のある病気一覧
ニキビや粉瘤(アテローム)以外にも、皮膚にできものが見られる病気はたくさんあります。その中でも粉瘤と似ていて、見分ける必要がある病気を説明していきます。
外毛根鞘性嚢腫(のうしゅ)
皮膚の下に出来て、ゆっくり大きくなっていく良性腫瘍「がん」ではない腫瘍。無制限に大きくなったり、転移したりする悪性腫瘍とは異なるが、部位やサイズによっては手術が必要となるとして、粉瘤にとても良く似ています。しかし外毛根鞘性のう腫は髪の毛の毛根から発生するため、ほとんどが頭皮にできることが特徴です。治療法は手術で、方法は粉瘤の手術ととても似ています。粉瘤よりも境界の壁が固くて破れにくいため、手術自体は簡単です。
脂肪腫
皮膚のすぐ下にできる良性腫瘍として、よく見られる病気です。正常の組織との間に境界となる膜があり、その中で脂肪組織が異常に増殖しています。体のいろいろな部位にできますが、背中や肩、首に多いことが特徴です。特に症状はなく、皮膚の下の柔らかいしこりとして触れることができます。しこりがつまめるという点でも粉瘤と似ています。特に治療する必要はありませんが、治療する時は手術によって取り除きます。
ガングリオン
手や手首に出来やすいです。嚢胞(のうほう)の中に液体が溜まったもので、関節などに発生やすいことが知られています。ガングリオン手首や指の関節の周囲にできる、中にゼリー状の液が入った膨らみのこと。自体は良性病気の中でも、相対的に経過が悪くないもの。多くの場合、腫瘍をつくる病気に対して、悪性腫瘍と対比させるために使われる用語ですが、痛みや手に力を入れにくいなどの症状を引き起こすことがあるため、症状が強ければ手術することも選択肢のひとつです。
毛母種
石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)とも呼ばれる病気です。皮膚の下に石のように硬いしこりを触れるのが特徴です。特に症状がないことが多く、ゆっくりと大きくなります。自然に治ることはありませんが、良性の腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるなので特に治療する必要もありません。中には悪性の腫瘍と判別できないこともあり、そのような場合は手術でとって、病理検査を行います。
耳前瘻孔(じぜんろうこう)
耳たぶにできる耳前瘻トンネルのような穴のこと。臓器と臓器がつながったり、臓器の壁に穴が空いたり、臓器から皮膚に穴が空いたりした状態を指す孔が粉瘤と間違えられることがあります。耳前瘻孔では生まれつき、耳の周囲に小さな穴が開いています。耳前瘻孔も粉瘤と同じように、細菌が入り込んで感染して、炎症をおこすことがあります。局所麻酔の手術で摘出できます。
6. 粉瘤とニキビの治療法の違いとは?
それでは最後に、粉瘤とニキビの治療法の違いについて簡単に説明します。
粉瘤とニキビでは、治療の方針もかなり異なります。
粉瘤は感染していなければ症状がないので、放置しても問題ないです。ある程度大きくなってくるようであれば、感染を起こす前に手術で取り切る方がいいでしょう。粉瘤は薬で治るのではないかと期待する方も多いと思います。しかし残念ながら、粉瘤を治す薬というものはありません。粉瘤にニキビ用の薬やスキンケア用品を使用しても効果がないことにも注意しましょう。
一方、ニキビは粉瘤のように重症にはなりません。基本的には塗り薬や飲み薬などで対応することになります。
粉瘤の治療は手術
ニキビと間違えやすい粉瘤ですが、特徴を知ることでその違いを見分けることができるかもしれません。繰り返しになりますが、粉瘤の場合は感染して重症化すると手術が必要になります。「ニキビではなくて粉瘤かもしれない」と気づくことで、早く治療を受けることができる点でも、この違いを知っておくことは大事です。粉瘤の詳しい治療法については、「粉瘤の治療法とはどのようなもの?手術を中心に解説」をご覧ください。