オーガニックチョコレートとは?
オーガニックチョコレートといえば、なんとなく「体に良さそう」、「安心そう」というイメージはあるものの、どうしても一般のチョコレートと比較して「高い」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際、オーガニックとスーパー等で手軽に手に入る一般的なチョコレートでは少なからず価格に差があることは事実です。
オーガニックチョコレートと一般的なチョコレートとの違い
では、なぜオーガニックチョコレートは高いのか?オーガニックではないチョコレートとの違いは何なのか?今日はそのことについてお話ししたいと思います。
まず、その大きな違いは、「合成肥料」「除草剤」「農薬*」を使っていないことです。*一部有機JAS法で認められたもののみ使用することがあります。
そして、チョコレートの主原料であるカカオだけなく、その他の原料(砂糖、ミルク*、ナッツ類、フルーツ、香辛料等々)も含めてオーガニックでなければなりません。*日本の有機JAS法ではミルクは対象外となっているため、ここでは欧米のオーガニックについてになります。
また、オーガニックチョコレートは、「合成肥料」や「農薬」だけでなく、「保存料」「合成着色料」「遺伝子組換え原料」の使用も禁止しています。もしこれらがパッケージの原料リストに書かれていたら、それはオーガニックチョコレートではありません。
そして、オーガニックチョコレートは、製造工程を可能なかぎり最小限に抑えたシンプルな製法で、非オーガニックの原料が混入しないよう、一般のチョコレートとは離れた施設で作られます。
どうやって見分ける?「オーガニックチョコレート」
オーガニックチョコレートに分類されるものには、その証である「有機JAS」マークが付いています。
ただし、輸入チョコレートの中には、現地の認証のみを取得しているものもあります。例えば、アメリカの有機認証団体「USDAオーガニック」などです。これらのマークが付いている場合は、有機JASマークが付いていなくても、海外現地の規準に基づいたオーガニックチョコレートであるといえます。
なぜオーガニックチョコレートを選ぶべきなのか?
オーガニックチョコレートが殺虫剤や農薬を使わずに栽培したカカオを使っていることは先ほど述べましたが、一般的なカカオは、綿花に次いで2番目に農薬を多く使う農産物ということをご存じでしたか。カカオは、それだけ害虫や病気に弱く、農薬や合成肥料を使わずに栽培することが難しい作物なのです。
農薬だけでなく、一般的なチョコレートには下記のような添加物が使用されています。
1.ブドウ糖果糖液糖:清涼飲料水や炭酸飲料、加工食品に使われますが、大量に摂取すると、体重増加、虫歯、栄養不足などを引き起こすと言われています。
2.人工香味料、合成着色料:アレルギーを引き起こしたり、注意欠陥などの発達障害を持つ人には、症状を悪化させるという研究結果もあります。
3.乳化剤:水と油のように本来混じり合わないものを混ざりやすい状態にします。乳化剤を使うことで時間をかけずにチョコレート生地をなめらかにすることができるため、大量生産のチョコレートにはほとんどといってよいほど使われています。乳化剤には大豆由来のレシチンが使われることが多く、遺伝子組換え原料の使用が懸念されます。
4.植物性油脂:高価で溶けやすいカカオの代わりに安価で溶けにくい植物油を使います。カカオだけのチョコレートは溶けやすいため夏は常温では販売できませんが、お店では1年中チョコレートが常温で販売されているのは、カカオの代わりに植物性油脂を大量に使っているチョコレートだからです。
5.ワックスなどの光沢剤:原油から作られた、チョコレートのコーティングに使われる添加物です。
これらの原料を使うことで、手間や費用を抑えて大量のチョコレートを生産することができます。
しかし、オーガニックチョコレートには、これらの原料は一切使われていません。大量生産では作り出すことのできない、カカオ本来の風味を味わうことができますが、そのためには、何倍もの手間ひまとコストがかかっています。
■おすすめオーガニックチョコレート
チョコレート生産における労働
チョコレートを食べる際、原料のカカオ豆がどのような環境の中で栽培されているのかということにまで思いをはせる人は少ないかもしれません。けれ ど、カカオ豆の栽培に携わる労働者からカカオの木に使われる農薬まで、チョコレートの生産は、消費者が知るべきさまざまな問題を抱えています。
カカオ豆は主に政治的に不安定な発展途上の国々で栽培されています。中でも、コートジボワールでは世界のカカオの30~40%が生産されており、労働環境という点では最も劣悪な国の一つです。奴隷や子供が、安い賃金でカカオ栽培の労働力として使われています。アフリカ各国の政府がカカオ栽培における児童労働を監視するため、2001年に「ココア協定」が制定されたにも関わらず、内戦や政治的混乱などにより違反者を監視することは難しい状況です。そんな中、大手チョコレートメーカーHやNは、コートジボワールの農園でカカオ栽培に児童労働を用いている可能性があるとして非難されています。
奴隷や児童労働の無いチョコレートとして、フェアトレード認証のチョコレートがあります。フェアトレードは、貧しい地域社会の人々が裕福な消費者に物を売る、という1940年代に始まった考え方で、発展途上国の労働者が生産した物を公平な賃金で企業と売買するための仕組みへと発展しました。
オーガニックチョコレートも、フェアトレードと同様、自然環境はもちろん、労働者の居住環境や生活水準の向上にも配慮されたものが多くあります(フェアトレード認証のカカオを使ったものも数多く見られます)。
オーガニックチョコレートを選ぶということは、自分自身の体への安心だけでなく、カカオやその他の原料の栽培における自然環境、チョコレート作りに携わる人々の労働環境にまでも配慮することにもつながります。
オーガニックチョコレート=サステイナブル(持続可能)なチョコレートなのです。
幸運なことに、ここ数年でオーガニックチョコレートの種類は増え、日本でも手に入りやすくなりましたが、一般のチョコレートと比較すると、その規模はまだまだ小さなものです。
オーガニックチョコレートを選択するということは、有機農法を支援することになり、ひいては、それをとりまく地球環境や携わる人々の生活の向上にもつながります。
1枚のチョコレートから変えられる世界があります。明日手にとるチョコレートを「」に変えてみませんか。
児童労働廃止活動に取り組む数々のNGO団体と提携し、彼らにより調査された健全な農園のカカオ豆のみを使用しています。