高カルシウム血症(血中カルシウム濃度が高くなった状態)や一部の癌で引き起こされる骨痛の治療に用いられたり、骨粗鬆症の治療などのために処方されることの多いビスフォスフォネート製剤(商品としての名称は様々)ですが、それによって、逆に骨壊死や大腿骨骨折が起こる確率が高くなることも、近年、問題となっています。
骨のための薬で骨折したり骨細胞が死んだりするのは、あまりにも皮肉ですよね。
そうした薬に頼るよりもノビレチンと呼ばれる柑橘系植物由来フラボノイドが骨の健康にとって有効だとする研究が報告されています。
ノビレチンは、ミカンなどの柑橘類の外側の皮と実の間にある、あの、白い筋やふわふわとした白い物質に含まれているフラボノイド(抗酸化物質)です。
温州ミカンなどの柔らかめの柑橘類の白い筋には、大量のノビレチンが含まれているんです。オレンジやレモンやグレープフルーツは、外側の固い皮にも多いんです。オレンジピールやレモンピールは、東洋医学でも、陳皮などと呼ばれ、薬として用いられてきましたが、科学的にも薬用効果が認められたと言うことですね。
中でもノビレチンの含有量が飛び抜けて多いのがシークワーサーです。温州ミカンでは100g中24mg、カボスは89mg、ポンカン127mgのところ、シークワーサーには、267mgも含まれています。
ノビレチンは、コレステロール低下薬として働く
ノビレチンは、15年くらい前から、血糖値の上昇を抑える働き、コレステロールの正常なコントロールに有効であることや内臓炎症(癌の予兆)の改善、慢性リウマチの予防や治療に効果があることが報告されています。
そのため、肝毒性があることが判っているコレステロール低下薬を飲むよりも、柑橘類を食べる方が、コレステロールの低下には、安全で有効だと言われています。
抗がん、抗認知症作用への期待
また、痛みや炎症の緩和、抗がん作用、脳細胞の保護、アルツハイマー病の症状の緩和などの機能がノビレチンにあることも、動物実験で観察されています。
ノビレチンの抗認知症作用には、顕著な
- 記憶障害改善作用
- 脳コリン作動性神経変性抑制効果
- アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβタンパクの沈着抑制作用
- 神経成長因子(NGF)様効果
が発見されています。
お肌の皮脂を正常にコントロール
更に、皮脂の健康的なコントロールにノビレチンが有効に働くことも判っていますので、脂性肌のためにニキビや吹き出物に悩まさせている方は、是非、お蜜柑を白い筋ごと、房ごと召し上がってくださいね。もちろん、実に含まれているビタミンCがお肌に良いことは周知の通りですが、おミカンを薄皮ごと、白い筋ごと食べることで、皮脂まで調整できちゃうんですよ。
脂性肌の人はもちろんですが、ホルモンバランスの崩れからニキビ肌になりやすい10代は、おミカンは薄皮と筋といっしょに食べましょう。
さて、骨に話を戻しましょう。
ノビレチンにミネラルを結合させる効能
柑橘類に多く含まれているビタミンCがミネラルの体内吸収を促進することは栄養学の基礎的な知識となっていますが、柑橘類のノビレチンは、吸収後のミネラルの結合を促進させてくれることが最近、判ってきました。
私達の骨は、固定された物質ではなく、定期的に破壊され、新しい骨に生まれ変わることを繰り返している、髪や皮膚と同じように、死滅と再生を繰り返している臓器です。この骨細胞の死滅と再生のプロセス(ターンオーバー)は、内臓炎症とエストロゲンの量から大きな影響を受けます。慢性的で長期的な軽い内臓炎症やエストロゲンの不足が骨粗鬆症の発症率を高めます。
甲状腺ホルモンも関係しています。甲状腺ホルモンは年齢と共に減少していくのですが、T3と呼ばれる甲状腺ホルモンが、骨のターンオーバーとミネラルの骨への吸収率を司っています。この甲状腺ホルモンが低下すると、ミネラルの吸収率が低下します。
『ジャーナル・オブ・ファーマコロジカル・サイエンス(Journal of Pharmacological Science: 薬理学的科学ジャーナル)』は、卵巣を摘出された(エストロゲン欠乏となった)マウスにノビレチンを投与したところ、骨粗鬆症の進行が止まったという研究報告を掲載しています。それだけでなく、骨の再生を有意に向上させたことも報告しています。
皆さん、あの白い筋やふわふわしたもの食べてますか?
温州ミカンのように小さくて柔らかい柑橘類なら、食べちゃってるかもしれませんが、夏みかんや八朔などのように大きめの柑橘類の場合、筋やふわふわもちょっとしっかりめなので、全部綺麗にむいて食べている人も多いのではないでしょうか。グレープフルーツなんて、スプーンで中身だけすくって食べてることが多いですよね。
最近流行ったコールドプレス・ジュースなんて、皮も筋も全部取り除いちゃうものですから、あまりにもったいない!ジュースではなくスムージーにして、薄皮も筋も全部飲んじゃって欲しいですね。
また、ご主人やお子様のために、キレイに筋を全て取ってあげている人もいるのでは?もったいないですよ。特に、成長期のお子さんの骨のためには、全部食べさせましょう。
皆様、柑橘類は丸ごと食べてみましょう!
ホールフード(丸のままの食品)の意義はやっぱり科学的にも立証できるんですよね。
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