治療情報 熱傷の傷跡の整形

熱傷の傷跡の整形

Burn Recovery Surgery

熱傷整形の最も大きな目的は、熱傷後発生する肥厚性傷跡や構築性傷痕を除去して容貌の回復と機能障害をなくすところにある。


1) 熱傷傷痕の発生および障害

1度程度の軽い熱傷はあまり問題なく治るが、中間2度熱傷以上の場合、感染したり治療がうまくされなかった場合は熱傷の傷痕が残ったり、場合によっては熱傷の傷跡が盛り上がる肥厚性傷跡または、傷跡が収縮して患部が引き攣れる構築性傷痕が発生することがあり、これによって深刻な顔面部を含む身体の変形と関節部の機能障害が発生したりもする。特に顔面部または、手部の熱傷傷跡は患者に精神的にも機能的にも深刻な影響を及ぼすことになる。


2) 熱傷傷痕の特性

熱傷は、他の傷とは異なり、比較的大きい傷痕が身体のあちこちに発生しやすい。生じた熱傷の傷痕の様子は時間の経過に伴い変化するが、つまり、最初は熱傷治療後、数週間薄赤色を帯びた後、次第に茶色に変化し、数ヶ月から1-2年をかけて徐々に白色の傷跡になる。

熱傷傷跡の大きい小さいは、熱傷部位、熱傷の深さ、熱傷の原因、創傷感染、遺伝的または、体質的な要素、熱傷初期に適切な治療を受けたのかなどにより大きく決定される。

熱傷を負った後3-6ヶ月が経過したにもかかわらず、熱傷の傷痕が好転せず引き続き赤い色を帯びていて痛く、痒みがあって大きく盛り上がる場合があるが、このような傷跡を肥厚性傷跡といって患者を痛みと痒みで苦しめ、ひどい状態の熱傷傷跡になる

肥厚性傷跡は場合によって収縮して周辺組織を引き攣らせる構築性肥厚性傷跡を伴う場合がよくあり、顔面部、頸部、腕と脚の関節などをゆがませる醜形と同時に深刻な運動障害を伴うことになるので患者は容貌の醜形と同時に機能障害によって深刻な精神的、肉体的な苦痛を受けることになる。

その他にも、熱傷が治った部位が過色素沈着症などで濃い茶色の皮膚になったり、低色素沈着症による白斑症のような部分的な白い皮膚で苦痛を受けたり、デコボコした不規則的な荒れた皮膚面になったりもする。

そのため、熱傷治療は、たとえ部位が小さくてたいしたものではないと思った場合でも、一旦、熱傷整形専門医の診察と専門的な治療計画によって治療を受け最小限の傷痕になるようにしなければならない。

また、熱傷を負った皮膚が3度以上の場合、皮膚組織の壊死により、やむを得ず皮膚移植術、人工皮膚移植などの手術が必要となり、熱傷整形専門医と手術の時期および方法について決定して手術が進められ、傷口が治った後、長期間に渡って皮膚のリハビリ治療および物理治療を受けることになる。したがって、深く熱傷した場合にはやむを得ず、ある程度傷跡が残ることになり、数ヶ月~1年後には熱傷整形または熱傷再建術を施行することになる。熱傷整形は、熱傷の治療後、傷跡が盛り上がってできる熱傷性肥厚性傷跡を可能な限り小さくしたり除去し、熱傷再建術では熱傷性肥厚性傷跡などで発生した構築性傷跡を除去して容貌の回復と機能障害をなくす。

熱傷は治った後の傷の部位が茶色に変わる過色素沈着症を除去するためには、日光を避け、紫外線指数が高い昼の時間帯(午前11時-午後2時)を避けて外出し、やむを得ず外出する時には、紫外線遮断クリーム(50-100 SPF)、サングラス、つばの広い帽子、日傘などを使ってできるだけ日光に晒されないようにしなければならない。窓のある部屋では、日陰にいても30%程度の紫外線が反射して入ってくるため、患部に影響を及ぼす。

肥厚性傷跡が発生した場合は、傷跡に直接シリコンアクリル副木を使った圧迫療法、シリコンジェル(silicone Gel)軟膏、シリコンジェルシート(silicone gel sheet)などを使って肥厚性傷跡の進行を防いだり緩和させたりする。弾力性衣服着用(pressure garment)により患部を圧迫する方法などがあり、このような圧迫療法はシャワーしたり運動する時間を除いて24時間、6,12ヶ月間、長期間施行することになる。けれども急速に成長する乳幼児の手部または頭部の圧迫療法は熱傷整形専門医の綿密な観察の下に施行されるべきで、圧迫材料自体による刺激または、皮膚がむけたり壊滅するなどで熱傷傷跡の回復の経過を遅延させたり悪化させることがあるので注意して使わなければならない。熱傷傷跡に塗る軟膏にはたくさんの種類があり、肥厚性瘢痕の緩和をもたらすが、患者は自分に合う軟膏を処方して熱傷整形専門医と相談して使った方が良い。

LASER施術による肥厚性傷跡の緩和のためのリハビリもあり、Fractional Co2 LASER、Pulsed Dye LASERなどが最近使われており、患者の治療の反応によって熱傷整形専門医と相談して適切に施行される。

既に生じた肥厚性傷跡、構築性熱傷傷跡を除去するには薬物療法と手術的な方法があり、薬物療法は傷跡の主な構成物質であるコラージェン合成を抑制するステロイド、コラージェン細胞調節製剤を傷跡に直接局所注射する方法があり、ステロイドは幼・小児にはほとんど使用されていない。


熱傷整形手術の方法

  • 1) 比較的小さい部位の傷跡は瘢痕除去術、部分瘢痕除去術などを施行して、傷跡が大きい場合には剝皮あるいは切除手術で傷跡を除去した後、超薄皮膚移植術(Ultrathin STSG)、皮膚板転位術、拡張された皮板転位術を使って、また、先端Laser装備などにより整形をすることになる。
  • 2) 髪の毛または眉毛が無くなった場合には、個別毛嚢移植術、Strip graft, Super long expanded scalp flap、頭皮膨張術などで永久的な毛髪整形をすることになる。変形した上口唇の整形は穿孔耳介複合組織移植術など、構築された鼻部は鼻中隔延長伸長術を含む複合組織移植術、前頭部皮板術、頰部皮板術などを使った再建がある。
  • 3) 手術方法の選択は、患部の大きさ、位置、患者の年齢などによって決定され、手術の時期は傷跡が発生した後、大概、傷跡が成熟する10ヶ月-1.5年経過後に施行される。
  • 4) 熱傷性構築性傷跡によって目を閉じることができなかったり、上下肢の間接部位の構築性傷跡、手が洗えないなどの機能障害がひどい場合と、特に小児の熱傷性構築性傷跡は機能回復、成長と発育に支障が無いように数週または数ヶ月で即刻施行することもある。
  • 5) 機能的障害がない傷跡や肥厚性傷跡は、10-12歳以降に施行するが、最近は小学校就学前に傷跡によって苦しんでいる小児には熱傷整形専門医の診察によって選別的に施行できる。
  • 6) 幼・小児の熱傷の傷跡の治療は、傷跡が成人に比べて更に多く生じる傾向があり、圧迫治療などが維持しにくくて合併症がよく発生し、自分が治療を受けることも理解し難くて精神的打撃をより一層ひどく受ける。小児患者は短い期間にたくさんの成長と発育をする特性などがあるので治療時にそのような点を考慮するべきで、したがって小児青少年科、小児精神科の専門医の協力を受けて良い結果を得られる場合が多い。このように熱傷の専門的な治療は上記の身体の色々な変形の治療を熱傷整形専門医の積極的な長期計画により順次的に適時に初期治療、物理治療、熱傷整形、熱傷再建、熱傷皮膚リハビリ、リハビリ治療などを進めていくことになる。