毎朝のバター珈琲で痩せた上にIQアップ?〜シリコンバレー式最強の食事(後編)〜
ダイエット本は継続と意思の力が必要で簡単ではないだけに、いつの時代も一定の需要があります。
そしてその中でも特に説得力がるものなどはベストラーになったり、新しいブームを作ったりしています。例えば糖質制限ダイエットなどは、もはやブームの域を超えてある種の常識として定着したと言えるかもしれません。
2015年に発売された「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」という本もその年のベストセラーとなり、本の中で紹介されたバター珈琲ダイエットはブームとなりました。
シリコンバレー式バター珈琲
まず、バター珈琲ダイエットというものがどういうものなのかの概要を見ていきましょう。その大枠はとてもシンプルです。
バター珈琲ダイエットの概要
1. 1日のうちに15時間〜18時間の断食タイムを設ける
2. 食事は6時間〜8時間以内に済まし、その時間以外は間食や甘い飲料の摂取はしない
3. そのために朝食は摂らず、昼食を14時頃、夕食を20時頃に摂る生活をする(14時〜20時の間以外は間食しない。また絶食時間を16時間程度に抑える場合は昼食12時、夕食20時でも可)
4. 朝食を抜くデメリット(=午前中の集中力ダウン)を防ぐために、朝食代わりにバター珈琲を飲む
バター珈琲のレシピ
1. 極力新鮮な豆を使い、メタルフィルターかフレンチプレスで抽出した熱々の淹れたて珈琲を2杯分用意する(珈琲豆にして20gほど)
2. グラスフェッドの無塩バターを大さじ1杯〜2杯とMCTオイル(ココナッツから抽出した中鎖脂肪酸オイル)大さじ1杯〜2杯を珈琲に混ぜて攪拌する
(※好みにもよりますが、豆は挽きたての方が美味しいです)
珈琲はインスタントではなく淹れたてのもの、特にメタルフィルターかフレンチプレスによる抽出が望ましいとされているため、そこが少し面倒かもしれません。しかしあとはきちんと攪拌するだけで、それほど難しいことはないのです。
バター珈琲ダイエットの減量と集中力改善効果
著者のアスプリー氏はこのダイエット法やバター珈琲は、ダイエット効果が高く、さらに集中力向上の効果もあるとしています。その主張理由を見ていきましょう。
断続的ファスティング(断食)の効果
1つ目の重要な効果は、朝食を抜くことによるファスティング効果です。昼食を2時頃にし、夕食を20時頃とすれば、その間の6時間以外の18時間は、炭水化物やタンパク質の摂取を行いません。こうすることによって前回の記事でもお伝えした腸内細菌を適度に飢えさせることができます。実は腸内の細菌が飢えると、脂肪の燃焼効率が高まる効果が発見されているのです。つまり、体質として痩せやすい体になっていくのです。
米ソーク研究所とカリフォルニア大学でのネズミを使った共同研究では、1日中食べ物を摂取し続けたネズミの腸内細菌は肥満につながる種類の腸内細菌に支配される傾向が見られました。そして痩身効果をもたらす腸内細菌の数が減少してしまったのです。
ファスティングにはもう1つ集中力の向上という効果もあります。朝ごはんを食べたら逆に眠くなってしまったという経験はないでしょうか。実は朝食を普通に食べた場合は血糖値が急上昇するため、血糖値の上昇を抑制するインスリンが分泌され、逆に低血糖状態になってしまう場合が多いのです。しかしこのダイエットでは炭水化物を朝食で摂取しないため、血糖値の急上昇はなく、安定した状態を維持できます。
良質な脂質の摂取による空腹感の緩和
ただ、上記のようにファスティングに効果があると言っても、食事を取らないことによる空腹感はつらいでしょう。そこで珈琲に入れるバターやMCTオイルが効いてきます。脂肪分は、胃の滞留率が高く、空腹感を緩和させる効果が高い食品です。それでいて、炭水化物やタンパク質を摂取しなければファスティングのダイエット効果は維持できるのです。
カフェインによる炎症の抑制
これはダイエットではなく集中力の向上ですが、カフェインには脳を興奮状態へと導き、集中力を高めさせる働きがあります。
そもそもパフォーマンスを下げる大きな要因になってしまう脳の炎症を和らげる効果もあります。イリノイ大学にて研究を行うグレゴリー・フロインド医学博士は脳の炎症を活性化させてしまうシグナルについて研究していたのですが、カフェインにはその活性化を阻害する働きがあることを認めています。
カフェインの他にも、珈琲はステンレスフィルターやフレンチプレスで抽出を行うことで、珈琲オイル(珈琲豆の中にある油分)が通常の紙フィルターによる淹れ方よりも多く抽出可能です。このオイルが良質な脂質で、炎症や老化の原因とも呼ばれる細胞の酸化を抑える効果があるのです。
バター珈琲を入れる注意点
最後にバター珈琲ダイエットの注意点を見ておきましょう。
まず珈琲に加えるバターですが、必ず無塩バターを選んでください。一般バターではかえって健康を阻害してしまいますし、バターの代わりにマーガリンを入れるのもいけません。マーガリンは味こそバターに似せて作られていますが、その成分は全く異なります。
そしてできれば良質のグラスフェッドバター(牧草のみで育てられた牛)からとれたバターを使うことがポイントになります。バターにはグラスフェッドの他にグレインフェッドという穀物飼料を食べて育てられた牛からつくられたバターがあり、こちらの方が一般的で値段も高いのですが、グラスフェッドバターの方が必須栄養素の不飽和脂肪酸のリノール酸(n-6系脂肪酸)とリノレン酸(n-3系脂肪酸)のバランスが良いのです。
※日本で普通サイズのグラスフェッドバターを買おうとすると、100g換算で約1000円します。これは少々コストが高いということで、日本でバター珈琲ダイエットを行なっている方の中には5kgの業務用のグラスフェッドバター(100グラム換算で約200円、通常のバターと同じ)を購入し、それを小分けにしてすぐに使わないものは冷凍保存する方が多い様です。
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また、珈琲に加えるバターはただ手を使って混ぜただけでは完成しません。泡立て器などを使って攪拌した方が良いのです。それというのもバターやオイルはよく溶けて攪拌されるとミセルという状態に分解され、このミセルが脂肪を効率良くエネルギーに変換してくれる効果を持つのです。
なお泡立て器を使う際はそこの深い容器を使わないと珈琲をこぼしてしまうので注意が必要です。
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その他の注意点では、妊娠中の方や健康に不安のある方は安易に行わない方が良いでしょう。主治医に相談しながらの取り組みが望まれます。