多汗症の臭いは雑菌や食事が原因=解決できる!わきがとの違いは?

多汗症やその臭いに悩んでいる人はに日本人の1割と言われます。多汗症の汗自体は無色無臭なんです。でも臭いが気になるという方!それは雑菌の繁殖や、食生活に問題があります。臭いを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?一緒に勉強していきましょう

目次

  • 「多汗症=臭い」は間違い
  • 多汗症とワキガは別物
  • 多汗症で臭いが気になる場合の対策
  • 臭くない汗が臭くなる原因と解決方法
  • 多汗症の治療方法
  • 汗のかきすぎで臭い自分とはおさらば

「多汗症=臭い」は間違い

多汗症とワキガを一緒だと考えている方!このふたつ違うのです。多汗症の汗とワキガの汗は根本的な違いがあり、多汗症の汗はもともとは臭くありません。雑菌の繁殖などが原因で臭くなってしまうこともあるのですが、ちょっとしたケアでずいぶん改善することができます。多汗症とワキガの違い、改善策、治療法など、はるこ先生と​詳しく見ていきましょう。きっと悩みも和らぎますよ。

多汗症とワキガは別物

多汗症やワキガについて説明する前にまずは基礎知識です。人の汗腺(汗が分泌されるところ)には

  • エクリン腺・・・全身にある汗腺で1cm四方に100個以上ある体温調節のために使われる汗腺
  • アポクリン腺・・・脇の下、陰部、耳の中、肛門、乳輪など限られた部分にある汗腺

の2つがあります。この2つの汗腺が多汗症とワキガの違いと大きく関わってくる部分です。

多汗症とは汗が多い状態、臭くない!

激しい運動をしたり、暑い環境にいると汗をかきます。これは、上昇した体温を平熱に戻すために体が体温調節をするためです。それに対して、体温調節が必要な環境ではないのに大量の汗をかく症状の事。これを多汗症と言います。特にワキに大量の汗をかく事を、腋窩多汗症(えきかたかんしょう)と言います。多汗症の汗は「エクリン腺」から分泌される汗でサラサラしているのが特徴です。成分の99%は水、残りの1%が塩分、尿素で汗自体には色も臭いもありません。

ワキガとの違い

多汗症の汗が「エクリン腺」から出るのに対して、ワキガの汗は「アポクリン腺」から分泌されます。この「アポクリン腺」は誰にでもあるものですが、数や汗腺の大きさは人によって差があり、汗腺の大きさは思春期が一番大きく、高齢になるにつれて小さくなるそうです。

ワキガの原因になる「アポクリン腺」から出る汗は、白っぽく粘り気のあるもので、たんぱく質、脂質、アンモニア、鉄分などが含まれています。これが肌の雑菌により分解されると、ワキガの強烈な臭いになります。

ワキガの見分け方

脇汗を大量にかく、脇が臭うというのが必ずしもワキガの症状ではありません。ワキガかどうか見分けるにはいくつかポイントがあります。

ワキガかどうかチェック!

  • 耳アカがベタベタしている
  • 服に付いた脇汗のシミが黄色い
  • ワキ毛に白い粉状のものが付く
  • 脇汗をかきやすい
  • 脇汗をかいていないのに臭い

 以上のような症状です。​理由は……

  • 耳アカがベタベタしている・・・耳の中にもアポクリン腺があり分泌物が出るため、耳アカがベタベタする
  • 服に付いた脇汗のシミが黄色い・・・アポクリン腺からの分泌物によって服が変色する
  • ワキ毛に白い粉状のものが付く・・・アポクリン腺から出た汗の結晶
  • 脇汗をかきやすい・・・季節に関係なく粘り気のある汗をかく
  • 脇汗をかいていないのに臭い・・・粘りけが強い「アポクリン腺」からの汗は、湿っている感覚がなくても肌に付いていて、いつまでも匂うということもある
はるこ先生
専門の医療機関にかかると、多汗症か、ワキガかちゃんと診断ができ、アポクリン腺の数や臭いの強さも調べる事ができるのよ。

ワキガと腋窩多汗症を併発する場合もある

ワキガと腋窩多汗症(えきかたかんしょう)は全くの別物です。そのため、たまたま同時に症状が出るという人も当然います。「エクリン腺」から出る汗はサラサラしていて広がりやすく、ワキガと多汗症が併発している場合には、その汗と「アポクリン腺」からの汗と混ざることにより強力な臭いになります。

多汗症で臭いが気になる場合の対策

もともとは無色無臭の多汗症の汗ですが、それを放置しておくと雑菌が繁殖して臭くなります。汗で気になるそれぞれの場所の予防策と解消法を見てみましょう。

脇(脇汗)

暑い季節になり、薄着になると肌の露出が増えてきます。そうなるとより一層気になるのが脇汗とその臭いです。しかし、少しケアをすることでずいぶんその不安も臭いも軽減します。予防法と改善策は以下の通りです。

ミョウバンを使う

ミョウバンは古代ローマの時代から、染色剤、消火剤、そして殺菌作用もあるので消臭剤としても使われてきました。臭いを作り出す細菌はアルカリ性、ミョウバンは水に溶けると酸性になる特徴を持っています。ミョウバンを水で溶かしたミョウバン水を肌に塗ると酸性になり、細菌の繁殖を防ぎ、消臭してくれます。

<ミョウバン水の材料>

  • ミョウバン 50g
  • 水 1,500ml
  • ペットボトル

<作り方>

  1. ​材料をペットボトルに入れて軽く振り、一晩置いたら完成。

冷蔵庫で約1か月保存できます。旅行用の小さなスプレーボトルに入れて持ち歩けば、外出先でも手軽に消臭できます。

汗をこまめに拭く

汗をそのまま放置することが細菌の繁殖を招き臭いにつながります。汗をかいたらこまめに拭き取る事が大切なポイントです。

汗がひいても油断しない

汗をかいた後、涼しいところに行くと汗はひきます。でも汗の成分と雑菌は残っています。たとえ汗がひいてもしっかりと拭き取りましょう。

市販のデオドラント剤を使う

薬局などに行くと様々な種類の制汗剤が売られています。これが一番手軽でいい方法でしょう。ただし、使いすぎは肌荒れの原因にもなります。万が一肌に合わない場合はすぐに使用を中止することをおすすめします。

体の汗で一番気になる脇汗、服にも汗や臭いは移ってしまいます。どうしたらそれを予防、改善できるでしょうか?

汗取りパットを使う

まずは、かいてしまった汗を服に付けない事。市販の汗取りパットを使いましょう。服の脇の部分にパットを貼って汗を直接吸収、服にも汗ジミが付きません。最近では抗菌作用があって臭いを抑えてくれるもの、剥がれにくく工夫がされているもの等いろいろな種類が売られています。

シミが付いてしまったときの対処法

気を付けていても万が一服に汗ジミが付いてしまった場合は、できるだけ早く処理することが大切なポイントです。

<服のシミ取りのやり方>

  1. シミ抜きしたい部分に重曹をかけて揉みこむ
  2. 40~50度のお湯に酸素系漂白剤を入れてひたす
  3. 一晩そのままつけ置きする
  4. 翌日洗濯機で洗濯する

この方法でシミ取りができます。シミのついた服が麻やシルクでできている場合は、布を傷める可能性があるのでクリーニングに出すほうが安全です。

足(足裏)

足や足の裏から出る汗は「エクリン腺」からの汗です。もともとは無色無臭なのですが、足は靴下や靴の中で蒸れて常に高温多湿な状態です。汗と一緒に皮脂や角質が流れ出して雑菌が繁殖しやすい状態になり、これが強烈な足の臭いの原因になります。有効な対策として

  • ミョウバン水や市販のウエットティッシュを使う・・・臭いが気になったら丁寧に拭き取りましょう。指の間まで丁寧に行います。
  • 消臭スプレーを使う・・・足用の消臭スプレーを使い臭いを抑えます。

気になったら可能な限り早く拭き取りましょう。その時に臭いの移っていない靴下などと取り換えられればベストです。

足の臭いは靴にも移ります。臭いの移った靴を履けば足に臭いが付いて……悪循環ですね。靴の消臭対策はコチラ

  • 丸洗いして天日に干す・・・臭いは元から断ちましょう。洗濯が可能な靴は丸洗いして天日に干します。
  • 10円玉を靴の中に入れる・・・何枚か靴の中に入れておくと銀イオンがバクテリアの繁殖を抑えてくれます。
  • 重曹を使う・・・ストッキングに重曹を入れて、シューキーパー代わりにすると消臭効果があります。
  • 市販の靴専用の抗菌スプレーを使う
  • お菓子などの乾燥剤を靴に入れる
  • 中敷きを使う・・・汗を吸い取ってくれるものや、抗菌作用のあるもの、緑茶の香りで消臭してくれるものなど、いろいろな種類の中敷きが売られています。
  • 同じ靴を毎日履かない・・・靴を休めることで臭いを放出してくれます。
はるこ先生
靴の消臭対策悩んでいる人も多いせいか、たくさん方法があるわね。 


臭くない汗が臭くなる原因と解決方法

雑菌

ワキガの臭いも、多汗症の臭いも質は違っても「雑菌の繁殖」がその原因です。雑菌の繁殖による汗の臭いを改善するには

  • 菌のエサ(汗)を無くす
  • 繁殖してしまった雑菌を除菌、殺菌する
  • 発生した臭いを抑える

この事が重要です。これをすればかなり臭いも軽減されます。

食事

食事と汗の臭いにも密接な関係があります。古来、日本人は体臭が少ない民族でした。それは昔の日本人が野菜や穀類を中心とした食生活、和食を食べてきたからです。ところが近年は日本人の食生活が欧米化してきているため体臭が強くなる傾向にあります。食べ物にも汗が臭わない食材と、臭いを増してしまう食材があるのです。

  • 臭う汗を作る・・・肉や牛乳などの動物性たんぱく質や脂肪
  • 汗が臭わない・・・野菜や穀物

食べ物が体に取り入れられると、腸の中で常在菌がそれを分解し、臭いを発生させます。その一部は便やオナラになって体外に排出。その他は血液を通って全身に回ります。その後、肝臓で無臭化して尿として排出されます。しかし、残りはさらに体の中へ回っていき口臭としても放出されます。汗の臭いだけでなく、その他の体の臭いも食べ物が原因になっているかもしれません。

疲労

疲労による汗の臭い「疲労臭」という言葉を知っていますか?通常体内で発生したアンモニアは肝臓で無臭化されますが、その肝臓での処理が追い付かない場合にそれが汗に混じって体外に排出されてしまう臭いのことです。多汗症やワキガの臭いは雑菌の繁殖によるもので、清潔にしたり、除菌したりすれば収まります。一方「疲労臭」は菌の繁殖で起こるものではないので、アンモニアの汗が出ればすぐに臭ってしまいます。

市販の制汗剤などは殺菌の繁殖を抑えるものなので疲労臭には効果がなく、香水をつけても、かえってアンモニアの臭いと混ざり異臭になってしまいます。対策としてはアルカリ性のアンモニアを中和してくれる「ミョウバン」が有効です。

根本から疲労臭を防ぐためにはアンモニアの発生量を減らすことがポイントになります。そのためには

  • タンパク質の摂り過ぎに気を付ける・・・肝機能の処理能力をオーバーするたんぱく質を摂ることで疲労臭が発生するため
  • 腸内環境を改善する・・・善玉菌の活動が弱いとアンモニアの発生量が増えてしまうため
  • 肝機能を高める・・・アンモニアを処理する臓器の肝機能を高める。ストレスや睡眠不足、喫煙、腸内環境の悪化が原因で肝機能が弱まってしまう。

疲労を感じている場合は、少し体を休める、ストレスをあまり溜め込まないこと。普段の食生活で野菜を積極的に摂り入れたり、乳酸菌が入ったヨーグルト、食物繊維の多い食材を摂ることをおすすめします。

はるこ先生
汗のにおいも様々な原因があるのよ。日頃の生活習慣に気を付けることが臭いを防げるし、健康な体づくりにも繋がるわね 

多汗症の治療方法

悩みの種の多汗症。治療方法にはどんなものがあるのでしょうか?​

塗り薬

市販されているもの

  • ​テノール液・・・微香性の制汗剤、すぐに乾いて汗と臭いを抑えてくれるでしょう。 30ml 598円
  • オドレミン・・・塩化アルミニウム配合、強い制汗作用がありワキガにも有効と言われます。刺激が強いため敏感肌には注意が必要 30ml 1,580円
  • エキシウクリーム・・・ミョウバンの効果で制汗プラス殺菌し、臭いを撃退してくれるでしょう。 30g 1,127円

病院で処方されるもの

  • ​塩化アルミニウム外用・・・汗腺の穴を塞ぐことで汗の量を減らす薬。市販品より濃度が高いため効果も高い代わりに刺激も強いので注意が必要。 100ml 3,000円~

外用薬は汗の気になる部分、どこにでも使用できます。病院で処方される塩化アルミニウムは保険適用外です。

電気治療

多汗症の治療方法で、別名「イオントフォレーシス」とも言われます。水に弱い電流を流してそこに手や足をつける、この治療で汗腺をブロックして汗の量を抑えます。施術中少しビリビリとした感覚がありますが、副作用はありません。1回の施術時間は20分、週に1回を5回程行うと徐々に汗の量が少なくなるそうです。

デメリットは効果に個人差があるという事、また持続性が低く治療をやめるとまた汗が出てしまいます。ペースメーカーを使用している方、妊娠中の方は治療を受けられません。

保険適用

​保険適用があり、窓口負担は3割 費用は1,000円弱

ボツリヌス注射

ボトックス注射ともいわれ、多汗症、ワキガ治療の一つとして人気が高い治療法です。必要に応じて手や足へも行います。ボツリヌス菌を利用して「エクリン腺」「アポクリン腺」の働きを抑えるそうです。ボツリヌス菌は毒性を取り除くと言われ、体に影響の出ない量を使用するので安心です。持続効果は半年~1年でメスを使用しないため、体への負担が少ないのがメリットです。副作用としては注射した部分の筋力が一時的に低下したり、しびれる場合がまれにあるとのことです。

保険適用

​基本的には保険適用の対象外となります。1回10万円~15万円ですが、医師が特別な場合と判断した場合(ワキガなどで臭いが特に強い場合など)は保険適用の対象となり、窓口3割負担となります。

手術

多汗症の手術方法は何種類かあります。代表的な3種類をご紹介します。

反転剪除法(はんてんせんじょほう)

​主に脇の下に対して用いる手術法で、脇の皮膚をしわに沿って切開し、その皮膚を裏返して医師の目視で「エクリン腺」「アポクリン腺」と毛根を切除。2つの汗腺を確実に取り除き、汗が出ないようにする有効な方法と言われます。施術を行った部分の汗はピタリと止まりますが、体の全体的な汗の量は変わらず、その分ほかの部位からの汗の量が増える代償性発汗が起こるようです。

​保険適用になるかどうかは医師の判断により、症状の重症度を見て医師が決めることが多いでしょう。保険適用の場合は1回50,000~、自費負担の場合は1回200,000~となります。

吸引法

​脇に数ミリの穴を開けて、そこに細い管を通して汗腺を吸収して取り除きます。反転剪徐法に比べてキズは少ない代わりに効果も薄い施術法だと言われています。症状が軽い人に向いているでしょう。保険適用外で1回150,000~250,000円です。この場合も代償性発汗の症状が出るようです。

交感神経遮断術(ETS手術)

多汗症の最終手段といわれる手術法で、​手、足の裏に効果がある手術で最近では脇の多汗症にも用いられているようです。汗をつかさどる背骨の脇を縦に走る交感神経の対象の部位を切除したり、焼いたりして発汗そのものの働きを無くすという手術です。手や脇の場合は脇から胸腔鏡を入れて交感神経にアクセスするので、傷口も目立たず、体の負担も軽度のようです。足の場合は腰から管を入れます。希望の部位の汗は100%止まるそう。

が、代償性発汗のリスクは大変大きく、想像以上に生活に支障が出る場合があると言われます。また一度切除したり焼いたりした交感神経を戻すことは出来ません。本当にその手術が必要かどうか、代償性発汗の大きなリスクも考えながら、医師と慎重に相談して片方ずつ施術を行うなどしてください。

はるこ先生
多汗症やワキガの治療法はいくつもありますね。お医者さんとお財布に相談して自分に合った治療法を行いましょうね!自分だけで悩んでいないでまずは専門家を受診してみる事をおすすめするわ。

 病院以外でのセルフケア

漢方薬を使う

漢方薬でホルモンバランスを整えたり、興奮や緊張を和らげて発汗をコントロールする方法です。

食生活の改善

肉の食べ過ぎ、外食を控えるなどの工夫で汗の臭いを抑える方法です。

入浴で汗の臭いを抑える

緑茶風呂(お茶のパックを湯船に入れて汗の臭いを消臭)、酢風呂(殺菌作用で消臭、醸造酢は120ml、黒酢は50ml程度)、笹風呂(笹の成分が湯に混ざって汗臭さを改善)​などがあります。

汗のかきすぎで臭い自分とはおさらば

汗の悩み。どうにかしたいけれど、あまり他人には話しづらいデリケートなものです。しかし、少し生活習慣を変えたり、こまめにケアしたりするだけでもずいぶん改善されます。どうしても改善できない場合も、専門医に相談すればきっと最善の策を一緒に考えて治療に当たってくれるはずです。「どうせ治らない」などと諦めずにきちんと向き合えば、からなず良い結果が得られると思います。今の現状を打開するためにも勇気ある一歩を踏み出しましょう!