とびひの塗り薬 抗生物質フシジンレオ軟膏 VS テラマイシン軟膏

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肌の接触で火事の飛び火のように広がるため、世間ではとびひといわれますが、正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)です。

とびひは主に2種類があり、子供がなりやすい夏のとびひは、水疱性膿痂疹です。

  1. 水疱性膿痂疹(すいほうせい)
    →水ぶくれタイプ

  2. 痂皮性膿痂疹(かひせい)
    →小さいかさぶたタイプ

※本記事のとびひとは、水疱性膿痂疹を指します。

とびひで使われる医療用薬は、主に次の3種類です。

  1. 抗生物質、抗菌剤の塗り薬
    ゲンタシン軟膏、フシジンレオ軟膏、テラマイシン軟膏、アクアチム軟膏など

  2. 抗生物質の飲み薬
  3. かゆみ止めの飲み薬

ゲンタシン軟膏、フシジンレオ軟膏テラマイシン軟膏は、昔からある古いタイプの抗生物質塗り薬で、アクアチム軟膏が比較的新しいタイプの抗菌塗り薬です。

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とびひの原因菌と広がる原因

とびひの主な原因菌は黄色ブドウ球菌です。

黄色ブドウ球菌は鼻の周辺や鼻の穴に多く、鼻を触るくせがある子供は、鼻からとびひが始まることが多いです。

また、鼻を触った手で、傷、あせも、虫刺されなどをかきむしり、化膿することでとびひが全身に広がっていきます。

とびひが治癒するまで

  1. かいたところに小さな水ぶくれができる
  2. 水ぶくれのまわりが赤くなる
  3. 次第に水ぶくれは大きくなり、化膿が広がる

とびひに適切な治療をすると、水ぶくれは乾燥してかさぶたになり、はがれていきます。

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とびひの塗り薬3
フシジンレオ軟膏

とびひの塗り薬1と2はこちらの記事です

フシジンレオ軟膏は、1972年に輸入承認されたフシジン酸を有効成分とする抗生物質の塗り薬です。

フシジン酸は、とびひの原因細菌である黄色ブドウ球菌の殺菌効果がすぐれていることで知られています。

フシジンレオの適応細菌

フシジンレオの適応細菌は、フシジン酸に感性の(殺菌される)ブドウ球菌属です。

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染

フシジンレオ軟膏添付文書 適応症より

フシジンレオ軟膏と耐性菌

とびひの診察後に「3日くらいしたら、もう一度診察に来てください」と言われたことはないでしょうか。

その理由は、フシジンレオ軟膏のとびひへの効果を確認するためです。

フシジンレオの適応細菌は、フシジン酸に感性のブドウ球菌属です。

今回のとびひの黄色ブドウ球菌がフシジン酸に感性かどうかは、使ってみないとわかりません。

フシジンレオ軟膏が効かないとびひに使い続けると、耐性菌ができてフシジンレオ軟膏は効かなくなります。

過去にフシジンレオ軟膏をとびひなどの感染症に使いすぎたため、耐性菌が急増したという話も聞きます。
(フシジンレオ軟膏は比較的耐性菌が発現しやすいが、ブドウ球菌にはかなり有効)

耐性菌とは
特定の抗生物質に効果を示さない細菌などのこと

フシジンレオ軟膏の使い方

フシジンレオ軟膏の添付文書には

「患部を清潔にした後、1日数回適量を直接患部に塗布するかまたは無菌ガーゼに延ばして貼付する」と記載されています。

実際の現場での使い方は、フシジンレオ軟膏を1日2回~3回、とびひが出ているところに限定して塗ります。

とびひが広がってくるようであれば、広く塗るという方もいますが、耐性菌の問題からおすすめできません。

とびひが広がるということは、フシジンレオ軟膏の効果が不十分であるため、塗り薬の変更や抗生物質飲み薬の追加が必要です。

ただちに再診するべきです。

ガーゼは医師の指示が無い限り、とびひに使う必要はありません。

フシジンレオ軟膏の効果

フシジンレオ軟膏のとびひに対する有効率(効果)は92.1%です。

また、フジシンレオ軟膏は化膿したニキビ(赤ニキビ)にも使用される場合もあります。
(有効率69.2%)

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とびひの塗り薬4
テラマイシン軟膏

テラマイシン(1本25g)

テラマイシンは1本25gの大きさしかなく、スマートではありません。

テラマイシンと兄弟関係にあるテラコートリル軟膏(1本5g)の方がよく見かけます。

テラマイシン軟膏は、オキシテトラサイクリンポリミキシンBの配合剤で、テトラサイクリン系抗生物質です。

軟膏は真っ黄色でインパクトがあります。

出典:タケダHP

市販薬としてテラマイシン軟膏aがありますが、医療用のテラマイシン軟膏と同じものです。

市販用テラマイシン(1本6g)

テラマイシン軟膏の適応細菌

オキシテトラサイクリン・ポリミキシンBの適応細菌は、制限がありません。

案にオキシテトラサイクリン感性菌(オキシテトラサイクリンで死滅する菌)/ポリミキシンB感性菌といいます。

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染

テラマイシン添付文書より

オキシテトラサイクリンは、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広く抗菌効果があります。

ポリミキシンBは、グラム陰性菌(特に緑膿菌)に優れた抗菌効果があります。

  • グラム陽性菌の例
    ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌

  • グラム陰性菌の例
    緑膿菌、大腸菌、赤痢菌

テラマイシン軟膏の使い方

テラマイシン軟膏もフシジンレオ軟膏と同じで1日2回~3回、とびひが出ているところに限定して塗ります。

とびひが広がる場合は、ただちに中止して診察を受けてください。

とびひの抗生物質の塗り薬はいつまで続けるのか

とびひの抗生物質(抗菌剤)の塗り薬は、適切に使用しないと耐性菌を作る原因になることは先述の通りです。

本剤の使用にあたっては、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめる

フシジンレオ軟膏添付文書より

とびひは、小さな水ぶくれができ、次第に大きくなり膿を持った水ぶくれになり、最終的にかさぶたになってはがれていきます。

水ぶくれのとびひは、他人や他の皮膚にうつします。

かさぶたになるまでは抗生物質の塗り薬は続けます。

すべてのとびひがかさぶたになったとき、とびひの抗生物質の塗り薬は終了です。

まとめ

  1. とびひは主に2種類(水ぶくれ型とかさぶた型)があり、子供がなりやすい夏のとびひは、水ぶくれ型の水疱性膿痂疹
  2. とびひの主な原因菌は、黄色ブドウ球菌
  3. 黄色ブドウ球菌は鼻の周辺や鼻の穴に多く、鼻を触るくせがある子供は鼻からとびひが始まり、化膿が全身に広がることが多い
  4. フシジンレオ軟膏の有効成分フシジン酸は、とびひの原因細菌である黄色ブドウ球菌の殺菌効果がすぐれている
  5. テラコートリルの有効成分オキシテトラサイクリンは、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広く抗菌効果があり、ポリミキシンBは、グラム陰性菌に優れた抗菌効果がある
  6. フシジンレオ軟膏(テラマイシン軟膏)は、1日2回~3回、とびひが出ているところに限定して塗る
  7. フシジンレオ軟膏(テラマイシン軟膏)は、耐性菌の増殖に注意
  8. フシジンレオ軟膏(テラマイシン軟膏)は、とびひがかさぶたになるまで続ける