製品のご紹介をさせて頂きましたベイカーレザーシリーズですが、WILDSWANS(ワイルドスワンズ)でも初めての仕様となる革ですので、取り扱いやメンテナンスについて、ご説明をさせて頂きたく思います。
イギリス・ベイカー社のヒール用レザーに関しましては、通常の革とは異なり、元々とても硬質でハリの強い革となっています。勿論、靴の飛び抜けて強度が必要な部分に使われる革ですから、丈夫さに関してはいわずもがな、というところがございます。
ですので、物理的な強さにおいて心配なところはほとんどないほどに、長くお使い頂ける革となっています。
ではメンテナンスは、と申しますと幾つかポイントがございます。
日常的なメンテナンスは、まずは勿論乾拭きや手で触れて頂くことが大切になって参ります。乾拭きなどを繰り返すことで表面がツルリと平滑に馴染み、徐々にツヤが増し、色濃く深まって参ります。(後ほど、エイジングの様子もご覧頂きます)
そして、靴用のベイカーレザーに関しては、サドルプルアップレザー等に比べ、ややオイル分の少ない皮革となっております。勿論、基本的には特殊なメンテナンスなどはせずとも、普段は手で触れていることである程度の油分が補われて参りますが、時に皮革用の無色のクリームを塗布し、優しく磨いて頂くことで、より革がしっとりと潤い、美しいツヤ感を出す事ができますので、オススメしております。
(月に一度~季節に一度くらいのタイミングで良いかと思います)
その際、油分により革の色も一層深く色づいて参ります。この辺りは、エイジングのスピード感、色合いやツヤのお好みもございますので、少しずつ様子を見ながら、スタイルに合わせてご使用頂けますと幸いです。
勿論、C.O.U.店頭やお送り頂くことでも、エイジングサポートとしてメンテナンスをさせて頂きますので、ご相談頂けましたらと思います。
また、今回のベイカーレザーに関しては、多量の水気に特殊な反応を示します。極端に水に弱いということではないのですが、水を多量に吸収いたしますと(通常のご使用では、勿論問題はございませんので、ご安心ください)、一度少し柔らかくなり、乾燥の後にまたグッと一層硬くなる傾向がございます。
靴に使用される際は、まさにそんな風に形づくるそうなのですが、お財布ですと特にそういった作りは致しません。
万が一、水の中に落としてしまったり、不慮の事故により水浸しになってしまうことなどがありましたら、陰干しで水分を飛ばして頂くとともに、ある程度乾いたところで(手で触って、水気をあまり感じないくらい)やはり皮革用の無色クリームを少しずつ塗布して頂ければと思います。ゆっくりと磨き上げる事で、程よく油分が革に浸透し、乾燥後に極端に革が硬くなってしまうことを防げます。
(サドルプルアップを使用している部分も、同様にメンテナンスをして頂ければと思います。)
ベイカーレザーも原皮はサドルプルアップなどと同様、牛のショルダーとなりますので、部分的に水や雨などの水分が付着致しますと、その部分が「ブク」と呼ばれる水ぶくれのような状態になることもございます。「ブク」は一度出て来てしまうと完全な修復は困難ですので、その点は合わせましてご注意頂ければと思います。
ちょっと独特な皮革ではございますが、強度、タフさ(革のハリ)、エイジングとそれぞれで非常に面白い皮革ですので、お愉しみ頂ければ幸いです。。
さて、そんなベイカーレザーのエイジングはと申しますと……
(光の強さや辺り具合、ディスプレイなどにより色合いが若干異なってみえることもございます。ご了承下さいませ)
こんな風に変化を進めて行きます。右側が新品の製品、左側はサンプルとして製作されたモノを、スタッフが1ヶ月強、実際に手で頻繁に撫でながら使用をしてみたものとなっています。
サンプルに関しましては、ステッチの色が異なっていたり、一部に異なる革なども用いておりますが、メインで見えているフラップ部分が右と同じベイカーレザーとなっています。
二つを並べて比べますと、明らかに使用を進めた方は色合いが濃くなり、表面にしっかりとしたツヤが覆い始めているのが分かります。
ちなみに、使用をしている内に一度、無色のクリームにて磨いております。そうすることで、また色の深みやツヤが増したようにも思います。
エイジングのスピードは比較的早く、サドルプルアップのナチュラルよりもドンドンと色づいて参ります。気がつけば、ワントーン色が濃くなり、表面が引き締まったようにツルツルとして参ります。
(左側のサンプルでは、フラップの部分が今回のベイカーレザーとなっております。)
こちらが始めの状態で……
こういう具合です。勿論、エイジングの仕方には個体差や個人差もございますが、一例としてご覧頂ければ幸いです。
素仕上げの革となりますので、エイジングをしていくとともに、汚れ等が付いてしまうこともあろうかと思います。黒ずみや汚れに関しては、基本的には除去が難しいものです。
しかしながら、その黒ずみやちょっとした汚れも、乗り越えて長くご使用を頂く事で、ぐっと色とツヤが増し、最終的には気にならないほどの風格を兼ね備えてくれそうです。
光の見え方でも異なると思いますので、別角度にて。こんな具合のスタートから……
こういうニュアンスです。ちょっと光の関係で赤みが強く見えておりますが、こちらのサンプルはC.O.U.銀座店の店頭にてご覧頂けますので、是非見て頂ければと思います。
ベイカーレザーは、本当にエイジングが愉しみになる皮革です。これまでにない質感、色合い、風合いを存分に味わって頂けると思いますので、どうぞご期待下さいませ。
さて、ベイカーレザーのエイジングを見ていると、たまたまですが以前ホーウィンコードバンを使用した際のエイジングのサンプルも見つけ……
バーガンディーがもの凄いことになっていました。ギラリヌラリと光沢を帯び、色は複雑さを増していました。
新品と並べてみると、こんな風に。なかなかの風合いですね。
これが……
こうなるわけです。
他のお色味に関しても、基本的には同様に驚くほどのツヤが表面を覆い、色合いはより複雑にムラ感を出しながら、色づいて参ります。
ホーウィンコードバンもまた、是非愉しんで頂ければと思います。
そしてそして、リザードレザーに関しましては、C.O.U.のFacebookの方でも以前製作をしたのもののエイジングを少し掲載していたりもしますので、どうぞそちらもご覧頂ければと思います。
5周年ももうすぐです。ようやく、それぞれの製品の最終的なご案内が出来るかと思います。ギリギリになってしまい申し訳ございませんが、是非愉しみにお待ち頂ければ幸いです。