2015.7.24更新

第27回 ニキビ
「ニキビ」とは
「ニキビ」は、本来ならば肌表面に排泄される皮脂が毛穴に詰まってアクネ菌が増殖し、炎症を起こして小さく隆起したもので、医学的には『尋常性座そう(じんじょうせいざそう)』と呼びます。一般的に思春期にできるものが「ニキビ」、大人になってからできるものが「吹き出物」と言われ、原因が異なります。思春期には男性でも女性でも男性ホルモンの働きが活発になるため、その影響で皮脂腺の活動がさかんになり皮脂量が増え、余分な皮脂で毛穴がつまるためニキビができやすくなります。大人ニキビは女性に多く、ストレスや睡眠不足、乾燥などによって肌のターンオーバーのリズムが崩れて古い角質がうまくはがれずに厚くなり、毛穴をつまらせてしまうことが主な原因で、化粧などの刺激もあり、繰り返しできることが少なくありません。
セルフケア
「ニキビ」のセルフケアはOTC医薬品による手当てと医薬部外品などによるスキンケアになります。
「ニキビ」用のOTC医薬品は塗り薬が主流で、主に毛穴の出口をふさぐ角質を柔らかくして毛穴の出口を開く作用の『イオウ』、ニキビの炎症を抑えるイブプロフェンピコノールグリチルレチン酸などの『抗炎症系』、アクネ菌の増殖を抑えるイソプロピルメチルフェノールレゾルシンホモスルファミンなどの『抗菌剤系』の成分が配合されています。
医薬部外品によるスキンケアは直接ニキビを治す効果は弱いのですが、ニキビができにくい肌を作る効果があります。日頃行っている洗顔や化粧と同じように使うことでニキビの予防ができます。
思春期ニキビと大人ニキビではニキビの原因の他、肌の状態も異なるため手当ても変わってきます。
思春期ニキビに!
十代後半の思春期にいちばん悩む肌トラブルが思春期ニキビです。思春期ニキビは過剰に分泌された皮脂で毛穴がつまることが主な原因のため、治療には皮脂の漏出を防ぎ、毛穴の詰まりをとること、アクネ菌を殺菌することが重要です。そのため、思春期ニキビには『イオウ』を配合したものが効果的です。『イオウ』にはアクネ菌の殺菌作用の他、過剰になっている皮脂を減らし肌を乾燥させる作用もあります。赤みや腫れがある場合には『抗菌剤系』の入った物を加えると良いでしょう。ローションタイプのものは成分が沈殿しているため、よく振ってから使用します。
スキンケアとしては専用の洗顔剤を正しく使用するだけでも効果が期待できます。皮脂をスッキリと洗い流してくれて、殺菌効果のある洗顔料を選びましょう。1日数回ぬるま湯で洗顔剤をよく泡立て、手で擦らずに泡で優しく洗い、最後にしっかりとすすぎます。洗顔前に温めたタオルやスチームや湯気などで毛穴を開かせるとより効果的です。
●『イオウ』+『抗炎症系』+『抗菌剤系』
●『イオウ』+『抗菌剤系』
●洗顔剤
大人ニキビに!
20代以降の大人のニキビはストレスによるホルモンバランスの変化や化粧などの刺激、不規則な生活などが原因で、口やあご周りや首などのフェイスラインに出来るのが特徴です。治療には『抗炎症系』と『抗菌剤系』の成分で出来るだけ早く炎症を抑えることが重要です。肌を乾燥させる『イオウ』は肌のバリア機能を低下させニキビを悪化させることがあるため、使用しない方が良いでしょう。
スキンケアでは、思春期と比べると乾燥肌の人が多く、乾燥による皮膚のターンオーバーの乱れもニキビの原因となるため、洗顔後には必ず専用の保湿剤でしっかり保湿しましょう。
●『抗炎症系』
●『抗炎症系』+『抗菌剤系』
●スキンケア
漢方薬で治療
漢方医学ではニキビは内傷病と考えられており、体の内部状態と密接に関係しているものとして治療します。特に大人ニキビはストレスによって体の内部のバランスが崩れることが原因となっているため漢方薬が有効で、外用薬と一緒に使うとより効果的です。漢方薬は症状や体質に合わせて選ぶことが大切です。食前もしくは食間(空腹時)に飲みましょう。
清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
老廃物を体外へ発散させる発散作用をもつ防風(ぼうふう)、荊芥(けいがい)、連翹(れんぎょう)に炎症を鎮める黄連(おうれん)、黄ごん(おうごん)、排膿を助ける桔梗(ききょう)などが配合され、体の上部を冷まし炎症を緩和する作用があります。患部が大きく赤く腫れあがっているニキビに用います。体質としては便秘がちで、冷えはあまりひどくなく、腹部に圧痛点がない人向きで、思春期ニキビにも効果があります。
十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
発散作用を持つ荊芥(けいがい)、防風(ぼうふう)、排膿を助ける桔梗(ききょう)、炎症を抑える柴胡(さいこ)、血行をよくする川きゅう(せんきゅう)などが配合されており、赤く腫れて膿を持ち、痛みを伴うニキビに用います。顔以外に背中のニキビにも効果的です。
荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
炎症を抑える黄ごん(おうごん)、黄連(おうれん)、殺菌作用のある黄柏(おうばく)、排膿を助ける桔梗(ききょう)など17種類の生薬が配合されています。肌で炎症を起こしやすい体質を改善しますので、炎症を伴うニキビや湿疹に用います。血液の循環を良くする作用もあり、血行が悪く肌が浅黒い人のニキビに向いています。
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
便が硬く便秘傾向にあり、大きさも大きく先が膿んでいるようなニキビが、顔全体にできている場合に最適です。脂っこいものや、辛いものをよく食べる人で、食べ過ぎによるニキビが出来やすい人におすすめの漢方薬です。発散作用のある防風(ぼうふう)や麻黄(まおう)、体内に溜まった老廃物などの余分なものを排出する大黄(だいおう)や芒硝(ぼうしょう)などの働きで水分循環を良くして便秘を改善し、ニキビを防ぎます。
2,430円(税込)
便通作用等により「高血圧や肥満に伴う動悸など」、「肥満体質」、「便秘」等を改善します。

【便秘とニキビ】便秘になると、大人ニキビができやすくなります。お腹に便がたまってしまうと、排出されるはずの毒素が体内をめぐって毛穴などから出てくるようになり、これが毛穴のつまりを引き起こし、ニキビができてしまうのです。便秘の解消がニキビの改善につながります。
数が少なく小さいニキビの場合にはOTC医薬品で手当てができますが、数が多く、赤みや腫れが強く、繰り返しできる場合は適切な処置が必要です。

この様な場合にはニキビ痕を残さないためにも早目に皮膚科を受診しましょう。