【発生原因】

ニキビは様々な複合的原因によって発症しますが、まずニキビの特徴は同じ場所にいくつも出き、又治っても再発しやすい事です。
ニキビは「面疱」や初期の「丘疹」が10個以下では「軽症」です。
この段階では、ほとんど再発はしません。

再発しやすいのは10個を超えた段階からです。
しかも顎や頬、額など限られた箇所に10個以上のニキビが集中すると、周辺局所の毛細血管の血液循環が悪くなり自己修復に限界が生じます。
又、ニキビの炎症部分やその周辺には、活性酸素やそれによって酸化された過酸化脂質が集中しますので、治癒に対する環境が悪化します。

ですから1つのニキビが出来るとその周辺に、次々とニキビが発生するのです。
又、少し治ったからといっても、ニキビ跡があったりすると皮膚の立体構造が崩れているので毛穴に圧迫を受け皮脂分泌が妨げられ、再発を繰り返します。

さらに、赤みを残したままですと(炎症の残り)その箇所の血管が拡張し、古い血液がうっ滞している事にあるので、酸素や栄養素が細胞に十分いきわたらず、刺激に対して反応が鈍くなり、すこしの刺激で角質異常がおこり今まで異常にニキビの発生が起こり易くなります。

では、具体的にどんな原因が重なってニキビが発症するのか?

(1)複合的な原因が重なり合ってできるのがニキビ
ニキビは非常に日常的な病気でありながら、日本ではあまり研究が進んでいませんでした。
現在も、欧米に比べると10年以上も遅れていると言われています。
欧米では、「しみ」「しわ」の治療より「ニキビ治療」が一番難しいと言われています。

ニキビの出来る原因は非常に複雑です。
ホルモンバランス、皮脂の分泌過剰、角質のはがれ易さ(皮膚の新陳代謝)、アクネ菌や細菌の有無、紫外線、活性酸素など様々な要因が関わっています。
又こうした直接的な原因に加え、ストレス、睡眠時間、喫煙、生活リズム、嗜好品、もニキビが発症する遠因となっています。

①ホルモンバランスによる角質異常

ニキビは表皮の角質が厚くなり、それが毛穴を狭窄し皮脂の分泌が滞り、皮膚のターンオーバーがうまく行われずにニキビが発生しますが、この角質異常を引き起こす原因が性ホルモンのアンバランスです。
性ホルモンには男性ホルモンである、アンドロゲン(テストステロン)と女性ホルモンである、エストロゲンとプロゲステロンがあります。

これらのホルモンバランスを生体は微妙に保ちながら機能していますが、思春期には男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌量が多くなり、女性ホルモンより優位にたちます。
又、生理前後でもホルモンバランスが崩れ同じようにニキビが出来易い状態になります。
男性ホルモン(テストステロン)は皮脂の分泌量に関与し、皮脂腺で5α-リダクターゼという還元酵素によってデヒドロステロンに変化し、このホルモンが脂腺を刺激して、皮脂分泌を促進させる事が分かっています。
従来は、テストステロン自体が皮脂の分泌を促進すると思われていましたが、実際は、5α-リダクターゼという酵素の量が多いと、皮脂分泌を促進します。
*5α-リダクターゼこの酵素は「ハゲ」や「多毛症」に関与しておりニキビの出来易い人は「ハゲ」「多毛症」の危険因子も持っている事になります。

②皮脂の酸化

以前は、皮脂自体がニキビの原因とされてきましたが、最近ではこの皮脂が酸化されて遊離脂
肪酸'や過酸化脂質になるとニキビが発症する事が分かりました。

遊離脂肪酸に変化した皮脂は、まわりの皮膚細胞を刺激して面疱を形成します。
この面疱に炎症を起こさせ、さらに悪化させるのが過酸化脂質です。
当然、皮脂の分泌量が多い人がニキビの発症の可能性は高いですが、それ以上に皮脂が酸化される機会が多いのが最大の要因なのです。

③酸化の原因

遊離脂肪酸は分泌されたばかりの皮脂には含まれていません。
皮脂が酸化をするのは、アクネ菌が原因とされています。
アクネ菌の正式名称は「プロピオニイ.バクテリウム.アクネス」と言い、バクテリア菌の仲間です。
このアクネ菌はブドウ球菌と並んで皮膚表面に常在する「常在菌」です。
これが、脂腺から分泌される皮脂を栄養源にして増殖しています。
又、嫌気性菌と言い、酸素を嫌い脂腺の奥に常在しています。
ニキビ患者は、このアクネ菌が正常人に比べ百数十倍も存在しています。
このアクネ菌は皮脂を取り込むときに「リパーゼ」という脂肪分解酵素を分泌します。そして、このリパーゼが皮脂を過酸化脂質に変えていきます。
これが、皮脂が酸化する主な原因です。

ところが、アクネ菌を殺せばリパーゼの分泌もなくなり過酸化脂質も分泌されなくなりニキビも治癒するはずですが、
(これだけが原因と考えられ抗菌剤を投与してアクネ菌を死滅させる治療が日本では行われています)
実際には、アクネ菌を死滅させてもニキビは治癒出来ていないのが現状です。
そこで、現在新たに考えられている原因説が以下の3つとされています。
●リパーゼ説アクネ菌から分泌される「リパーゼ」の他に表皮細胞(ケラチノサイト)もリパーゼを分泌するので、この双方の分泌が原因とされる説。●紫外線説紫外線は活性酸素を発生させ、それが直接皮脂を酸化する説。●空気中の酸素による酸化説表皮にある皮脂は15%程度の遊離脂肪酸を含んでいますが、これは常に空気中の酸素によって酸化されています。これが原因という説。

④紫外線による活性酸素
現在上述の原因説で一番有力視されているのが、紫外線説です。

活性酸素やフリーラジカルと呼ばれる酸素には、他に過酸化水素、ヒドロキシラジカル、スーパーオキシド、一重項酸素、NOラジカルなどがあります。
これらは、他のものを即時に酸化しるという点ではどれも同じです。
さてニキビの元凶といわれるアクネ菌は、皮膚の表面に、コプロポルフィリン(以下ポルフィリン)
という代謝物を排泄します。これは老廃物の一種です。
*ポルフィリンは特に尿中に多く排泄されています。

このポルフィリンが紫外線に当ると、一重項酸素が発生します。
一方、ニキビの皮膚から検出される活性酸素もこの一重項酸素です。
このことからニキビ肌を引き起こす活性酸素はこの一重項酸素だということになります。
ポルフィリンに紫外線を当てると、大量の活性酸素(一重項酸素)が発生し、それがニキビの原因になるということです。
皮脂の酸化にアクネ菌が関わっている事は従来から分かっていましたが、アクネ菌だけでは酸化は起こりません。実は、そこに紫外線が加わって初めてニキビは発生するのです。アクネ菌を全て死滅させ、又アクネ菌から排泄されるポルフィリンを減少させるのも非常に難しい事です。それならそこから産出される活性酸素を取り除く事。これが、欧米のニキビの治療法です。

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