6月7日の日本経済新聞・朝刊に、生命保険会社が導入した保険契約の継続率と、外交員の在籍率向上策についての記事がありました。

記事によりますと、

①住友生命は、優秀な営業職員に共通する特徴をマニュアルにまとめ、全国の営業拠点に送る。契約を長く続けてもらう極意はなにか。ベテランの名人芸を経験の浅い営業職員に伝承する。

また、今年度から、継続率で業績を評価する対象を営業職員だけでなく、その束ね役である所長約7800人にも拡大。来年度には、さらに上位の管理職である約1200人の支部長にも広げる方針。

②日本生命は、今年度から主に入社2年以内の営業職員の給与制度を抜本的に改めた。
例えば、入社3ヵ月目までは新契約が取れなくても、契約内容の変更手続きや苦情対応、保険金の請求案内といった顧客サービスをしていれば従来と同水準の給与を保障する。

③ソニー生命は、今春から契約が続く限り歩合給を払い続ける「永久歩合制」を導入。


―とのことです。

…国内大手生保は、主要9社保有契約件数が、10年前の4分の3の水準に落ち込んだことで、ようやく危機感が出てきたようです。

また、契約減少の原因である、営業パーソンの大量採用・大量脱落*(ターンオーバー)を40年以上も放置してきたことが、いかに愚かだったか…ようやく気づいたようです。

*個人的には、大量使い捨てだと考えております。

管理人は、記事に登場する改善策は不十分であり、

①契約ノルマの完全廃止。

②育成・雇用維持ができないなら営業パーソンの大量採用をしない。

③お客様から契約をいただいた営業パーソンが、保全から保険金等の支払までに至る一連の業務を完遂できる雇用体制にする。

④保険会社の全職員、役員が「顧客の視点」を持ち続ける。

⑤人材を育成できる人間を管理職に据える。

⑥お客様が生命保険とじっくり向き合える仕組みを整える。

⑦過去の成功体験を捨てる。


―など現状の仕組み(営業職員の採用・育成体制、雇用システム、会社の営業管理体制)や、保険会社全職員・役員の意識を完全に改革しなければ、今後も、保有契約件数が減少し続ける状態*から脱却できないと考えております。

*管理人注・これを「ミニマム・スパイラル」といいます(嘘)。

【記事の内容】

以下、記事の内容です。

【縮む生保・復活への課題(下):止まらぬ顧客減少。「新規」より「継続」に力】
 「毎日最低でも10人の顧客と接触する」「数日先までアポイントを入れる」「常に顧客の家族構成を意識する」―。

 千葉市・幕張にある住友生命保険の「販売技術研修所」。優秀な営業職員に共通する特徴を分析してマニュアルにまとめ、全国の営業拠点に送る。加入してもらった契約を長く続けてもらうための極意はなにか。ベテランの名人芸を経験の浅い営業職員に伝承する。

 国内大手生保の2007年3月期決算では、顧客基盤の縮小に歯止めがかからない現状が浮き彫りになった。大手9社が新しく獲得した契約は前の期に比べ7%少ない702万件。解約・失効などがそれを上回り、保有契約件数は計7260万と前の期から106万件減って、10年前の4分の3の水準まで低下した。

 人口減や少子高齢化によるニーズ低下の逆風にさらされる生保業界。新契約を増やしにくい中で、収益源である保有契約件数を維持するには既存契約をつなぎ留めるしかない。「解約を1件防ぐことは新契約を1件増やすのと同じ」(大手生保幹部)。各社は営業活動の重点を“取る”から“保つ”へ移し始めた。

 日本生命保険は今年度から主に入社2年以内の営業職員の給与制度を抜本的に改めた。例えば、入社3ヵ月目までは新契約が取れなくても、契約内容の変更手続きや苦情対応、保険金の請求案内といった顧客サービスをしていれば従来と同水準の給与を保障する。契約を維持するための取り組みに報いて、解約抑制につなげようとしている。

 国内大手生保の保有契約の継続率は、加入から25ヵ月目で7~8割とみられる。せっかく獲得した契約も2年たつと10件中2~3件が解約されていることになる。顧客への相談業務を重視する「コンサル営業」が特徴のプルデンシャル生命保険は90%を確保しており、開きは大きい。

 契約が長続きすることを給与に反映する取り組みも出てきた。ソニー生命保険は今春から「永久歩合制」を導入。従来は加入から7年間は獲得実績に比例する歩合給を払い、それ以降は契約が続いても解約されても給料には響かなかったが、契約が続く限り歩合給を払い続けるように変えた。

 住友生命は今年度から、継続率で業績を評価する対象を営業職員だけでなく、その束ね役である所長約7800人にも拡大した。来年度には、さらに上位の管理職である約1200人の支部長にも広げる方針だ。

 保有契約を重視するビジネスモデル確立の課題は「営業職員のターンオーバー(大量採用・大量脱落)問題に行き着く」(大手生保首脳)。大手9社の主力販路は20万人を超える営業職員で、ほぼ2~3年で全体が入れ替わる計算という。

 新契約を取れなくて収入が増えずに辞めていくのが典型的なパターンだ。営業職員が定着しないから顧客とのパイプが細り、アフターフォローがおろそかになって解約が増えるという悪循環が続いてきた。顧客への情報提供不足は、保険金などの不払いを招いた一因との指摘もある。

 ターンオーバー問題は1965年の保険審議会答申で是正を求められて以降、改善を試みては失敗を繰り返してきた。克服は容易ではないが、市場が縮む時代への適応に避けては通れない。


以上です。

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コメント(2件)

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おはようございます。

私が大手にいた頃は、確かに入社3ヶ月のノルマで3件でしたね~。保全は普通の契約を『1』とするとその十分の一ぐらいの扱いでしたから・・・(^_^;)
保全業務もちゃんと評価してもらえれば、お客様へのサービス向上につながるかもしれませんね。
とことこママ
URL
2007/06/10 08:46
とことこママさん、おはようございます。
一番コメントありがとうございます。
…保全は新規契約の10分1の評価だったのですか?そんな評価システムでは本当にお客様の利益を実現しようという考えが失われますよ。
>保全業務もちゃんと評価してもらえれば、お客様へのサービス向上につながるかもしれませんね。
>>おっしゃるとおりです。今までの契約偏重主義を徹底して改革しないといけません。
現役保険営業マン
2007/06/10 10:43

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