ロシアの名門・国立ワガノワ・バレエアカデミーの厳しい学校生活

275年の歴史を誇るバレエ界の最高峰とも言われるバレエの名門、ロシア ワガノワ・バレエ・アカデミーは、これまでに数多くの世界的に有名なダンサーや振付け師を排出してきました。

 

ワガノワ・メソッドは世界中のバレエ界で認められ、伝承され、各国で取り入れられているバレエ教授法です。その大本ワガノワ・アカデミーへの入学をめざす子どもは本国ロシアにも海外にもたくさんいます。今回は、ロシア・ワガノワ・バレエアカデミーについてみていきましょう。

 

ワガノワ・バレエアカデミーの厳しい入学試験

生徒たちは基本的には10歳で入学し、8年間の総合舞踊教育を受けます。ロシア全土から毎年4千人以上が受験し、たったの60人ほどが入学許可を手にします。

 

クラシック・バレエ以外のダンスも含めての試験ですが、骨格や筋肉の質、家系の特性にまで、ワガノワアカデミー独自の規定に沿って大変細かく慎重に審査されます。

そのように入学しても、ここで無事入学できた一握りの生徒達が全員卒業できるとは限らないということです。厳しい試験を突破しても、訓練過程で2/3は退学を余儀なくされるという過酷な世界です。

 

これほどまでにして手に入れたアカデミーで学ぶことのチャンスですから、自分からやめる子はいなそうですが、評価基準に沿って判断がくだされ、周囲が説得することになります。まず学校側、親、心理ケアの先生が協力し合いながら、退学を命じられた子供に話し、他の道もあるということをうながします。もちろん教師側にとっても、生徒の退学は辛いにちがいのですが基準に従うしか仕方ないという、ワガノワ・アカデミーではシビアな日常です。

アカデミー入学前の子ども達のためのレッスン風景です↓

 

8年間の訓練の後、ディプロマを無事手にするためには

無事、9年間の訓練を終えたものには、ディプロマが発行され卒業後はロシア・マリインスキー劇場バレエをはじめ、ロシア国内や世界の一流バレエ団に招かれているということになります。ダンサーを目指す者にとって、このディプロマが多くを意味することになります。

授業科目は、クラシックバレエ、キャラクターダンス、現代舞踊、美術、音楽、語学とうの科目を学び、一日6時間〜8時間のレッスンを必修とします。

ダンスのレッスン時の生徒の立ち位置は、成績によって決められます。クラスの中で自分がどのくらいのランクにいるかが自分にもクラスメイトにも一目瞭然というとてもストレスフルな環境でもあります。

 

ワガノワ・アカデミーの生徒は年に2,3回、また試験前に体重を量られます。成長期で体重が増えやすい時期であるにも関わらず、50キロを超えてしまった女子生徒は、成績を落とされ、減量する事ができなければ退学させられることになります。

 

毎年4月後半は進級試験の時期となります。進級試験にパスしなければ、アカデミーに残る事ができないというこれまた生徒にとって過酷な行事です。ストレスのため体調を崩す生徒もいるそうです。最終学年である8年生に上がることができれば卒業が約束されることになるため、特に7年生にとっては、進級試験は重要な試練となりまりす。そこで振り落とされてしまう生徒は、残念ながらアカデミーに残る事はできないのです。彼女達にとっては7年間の努力が水の泡という事態です。

 

そのようなシビアな世界で10歳からの8年間の職業訓練を積み、才能が認められたということで手渡されるディプロマには特別な価値があるのです。ワガノワ・アカデミーからのディプロマを手にすることができれば、将来は本国ロシアだけでなく、世界のバレエ界で通用します。このディプロマがあるかないかで、各バレエ団入団へのチャンスが大きく変わってきまs。

 

職業訓練としてのバレエ

ワガノワ・バレエ・アカデミーなどのロシアノ国立バレエ学校は、”職業訓練校” に分類されます。国立ということは、国家レベルでクラシックバレエダンサを育てる学校ということになります。お分かりのように、国立が意味することは、ダンサーの育成のために税金が使われるということになるのです。国にとって貴重な税金を使って、質の高い芸術作品を国民に提供し、世界へ輩出するということを目指しているため、実力がそのためには足りないと判断された生徒にまで税金は無駄遣いできないという理由で厳しく判断され、強制退学を余儀なくさせられることになります。

 

ワガノワ・アカデミーの例はバレエ界では有名な特にシビアな世界ですが、ワガノワ・アカデミーでなくとも、バレエを職業訓練として捉えて日々レッスンに真検に取り組む生徒の真剣さは同じです。まず、教室内の空気が全くちがうというのはワガノワ・アカデミーのレッスン風景をyoutube動画でご覧頂いてもお分かり頂けると思います。レッスン中の心身のリラックス状態はあり得ないという環境です。

 

お稽古?職業訓練?バレエに対する価値観の違い

日本ではバレエはお稽古のひとつとしてとらえられることが多いようですが、10歳からバレエをお稽古ごととしてではなく、バレリーナという職業を目指して職業訓練を真検に受けようという価値観には大きな差が自然と生まれてしまうのは、文化の違いともいえます。

 

日本はある意味バレエ大国だとも言われる昨今ですが、バレエ教室もそれぞれ先生の方針があり選択肢は色々ありますね。様々な環境のバレエ教室が各地域にあるというのは恵まれた環境ともいえますね。バレエの楽しみを伝えることを目的としたお教室もあれば、世界に通用するバレエを教えようと、先生方が真検に取り組むお教室もあります。

 

バレエを趣味として楽しむもよし!真検に取り組むもよし!”バレエが好き”だという気持が一番大切です。その気持を持ち続けることができるためには、先生との価値観や相性とがぴったり合うことがお互いのストレスがなくベストな環境となるのではないでしょうか。

 

バレエ留学を決める前に知るべき大切なこと

ワガノワ・アカデミーを卒業することができた者にはディプロマが授与されるということを上記しましたが、このディプロマがとても重要なことを意味するということもお分かり頂けたと思います。

 

ただ、このディプロマ発行には各バレエ学校によって制度の違いがあり、ワガノワ・アカデミーやパリ・オペラ座アカデミー等の学校ではディプロマは本国の生徒へのみ発行されるものであり、留学生には与えられないという規定があるようです。せっかく留学するのならディプロマが欲しいという気持がある場合は、留学生にコース終了後の証明が発行されるのかどうかを確認して、あとで後悔することのないようにしましょう。

スポンサードリンク