ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 ナチュラルクールミント2017年3月19日 23:19 ねむい時には歯磨きをするといいと言ったのは誰だったか。ダイバーはぼんやりする頭を覚醒させる為にミントのキツい歯磨き粉に手を伸ばした。洗面台の照明が眩しいと思いながら、鏡に映る眠そうな自身の顔を見た。眠そうな以外はいつもの顔だ。 愛用のダイバーゴーグルは額までずり上げてから、念のため手の中のチューブが歯磨き粉であることを確認する。前に洗顔フォームと歯磨き粉を間違えるというのをやらかしてからはしっかりと確認していた。あの形容しがたい口腔内の不快感は二度と味わいたくないと思いながら、パッケージに書かれたミントフレーバーの文字を確認したところで、手の中にあったチューブが背後から伸びてきた手に攫われた。ダイバーは眠気のせいで今の今までその存在に気がつかなかった。「うわアロハいたの」「うわって何さ。ていうかダイバー、歯磨きすんの?」「眠気覚ましにいいかなって」「へー、初めて聞いた」「オレもどこで聞いたか覚えてねーけど」「テキトーじゃん」「アロハも歯磨きすんの?」「やるやるー」 アロハはダイバーの手からくすねたチューブをしげしげと眺めてばかりで返す様子はない。そのまま洗面台に立てかけられた歯ブラシに手を伸ばしたアロハに対してダイバーは身体をずらして場所を空けるが、歯ブラシを持ったアロハはまたダイバーの後ろに戻った。それに加えて、アロハが手に取ったのはダイバーの歯ブラシだ。眠気で霞がかかっている頭に、やっとその違和感が訪れたダイバーは首を傾げる。「オレがやる」 にんまりと笑ったアロハの手には既にチューブの中身を乗せた歯ブラシが握られていた。反論する間を与えられず、肩を押されたせいでダイバーが洗面台に向かって手をつけば、そのままアロハに背後を取られる。そのままアロハが体重をかけてくるせいで、ダイバーは自分とアロハの分の体重を支えるので精一杯になる。鏡に近づく自分の顔と、後ろに見える楽しそうなアロハに表情を引きつらせた。アロハがブラシを持っていない手でダイバーの顎を押さえてしまえば、ほとんど身動きは取れなくなる。「アロハ待ってちょっと待ってほんと」「やぁだ」「お願いだから!」「はいダイバー、あーん」 ダイバーが頭を逸らしてもすぐにアロハの肩に当たって逃げられない他に、すぐ近くにはアロハの顔があって、背中には薄いシャツ越しにアロハの体温がありありと分かってしまう。聞く耳を持たないアロハはダイバーが口を開けたタイミングで歯ブラシを差し込んだ。せめてもの抵抗に口を閉じるが、アロハは気にしないで奥歯の側面をブラッシングしていく。 口の中でさりさりと動かされる歯ブラシはいつものものなのに、ダイバーは酷い違和感を覚える。プラスチックが頬を擦る感覚も、歯に伝わる振動も、歯茎に触れるブラシの感覚も何も変わらないはずなのに、その一つ一つが身体に響いてくるのだ。ぞわそわとした感覚が身体中に走って、鼻にかかった声が出る。ダイバーが身をよじって逃げようとしても口の中は唾液と、しゃこしゃことブラシで泡立てられていっぱいになっていくし、アロハの拘束は強くなる一方だった。「どしたのダイバー、気持ちいいの?顔トロけきてんじゃん?」「んっ、ぅ…ひゃえ、あぉ、はァ…」「聞こえなーい。イイから口開けろってダイバー」 鏡越しに見せられる自分のあられもない表情と、ニヤニヤと笑うアロハの顔を見たくなくてダイバーが目を瞑れば、余計に口の中で予期せぬ動きをする歯ブラシの感覚を拾ってしまう。文句は泡立った歯磨き粉でまともな言葉にならない上に、その隙に歯の内側にブラシを差し込まれてしまえばいよいよ口を閉じることが出来なくなる。そうしている間もとめどなく分泌される唾液がブラシにかき混ぜられて泡立ち、少しずつ口角からあふれていく。「んっ、ぅう、あぉはァ…」「あっは、ダイバーってば気持ちよさそ。もっとヨくしたげるから口開けろって」「ぁふ、ぅんっ、ぐっ……あァ…」 歯の内側を擦られる度に、ダイバーの腕から力が抜けそうになる。くすぐったさは身体の内側を余さず駆け抜けて、脳みそが痺れるような快感はダイバーから抵抗の意識を削いでいく。歯の根元、歯茎を柔らかく擦られるとたまらなく気持ちがいい。口の中はどんどんあふれる唾液でいっぱいになるが、こぼさないようにしていてもブラシの柄を伝って既にアロハの手を汚していた。真っ白いシンクに水より粘性のある液体がパタパタと落ちて何本も線を作っている。「ほら、ダイバー、あーん」「…ぁ、あー」「そうそう、イイ子イイ子。ちょーエッチな顔してさ、ダイバーってば歯磨きされてそんなに気持ちいいの?」「アふ、きぉひいぃ…」 従順に口を開いて見せたダイバーにアロハの笑みが深まった。口の中からはとめどなく唾液があふれて、白い泡はショッキングピンクの舌が動く度に絡まって混ぜられている。鏡に映るダイバーの顔はすっかり上気して、口角から零れる白混じりの唾液は顎の下まで伝って落ちて行く。身体の内側の粘膜を好き勝手にされる快感に耐えるように握られる手や、時折丸まる足先はまるでヤっている時ようだとアロハの嗜虐心が煽られる。 アロハは三本牙の裏を念入りに優しく優しく歯ブラシを往復させる。歯に軽く当てて擽るように動かすだけの刺激でも、特に上のカラストンビ周辺が気持ちいいのかダイバーは上顎を擦られる度に身体を震わせて耐えていた。ダイバーが許してくれと訴えてもアロハは手を止めずに、一際丁寧に磨いていく。「ひ、あぉ、アロハぁ、も、やらっ」「やめない」「んあぁっ、は、ぃんっ」「ダイバー見える?今のダイバー、めっちゃエロい顔してんの」「や…やらぁ…ひ、がぅ…んぅぅ」「違わないでしょ」「はぁぅ…うぅ…あろ、はァ…」 ダイバーの上顎を擦れば一層甘ったるい声が上がって、唾液がぼたぼたとこぼれていく。ダイバーの背中に感じるアロハの体温も暑くなって、鏡越しのアロハの表情にも興奮の色が浮かぶ。 ダイバーの腕からがくんと力が抜けた時点で、アロハはダイバーの口から歯ブラシを抜いた。洗面台に縋る形で荒い息をするダイバーを見下ろして、歯ブラシを置いた手は唾液でぐっしょりと濡れて、その手のまま艶の増したダイバーの触腕をなぞる。「ダイバー、これで終わる?」「…アロハこそ、終わる気ないくせに」「分かってんじゃん」 鏡越しにアロハを見上げたダイバーは、答えと共に押し付けられたアロハの熱で身体のインクが期待に沸き立つのに身を委ねた。