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建築・都市整備・道路委員会(平成22年)行政視察概要報告書2

平成22年 建築・都市整備・道路委員会 行政視察概要
建築・都市整備・道路委員会(平成22年10月19日~10月21日)
1 兵庫県西宮市
 (1) 西宮市における放置自転車対策について
 (2) 西宮北口北西第4地下機械式自転車駐車場について
2 兵庫県(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)
 (1) 安全・安心なまちづくりに向けた公共建築物・住宅、移動手段等の改善研究について
 (2) ウェルフェアテクノハウス神戸について
3 香川県高松市(高松丸亀町商店街振興組合)
 (1) 市街地再開発事業に伴う高松丸亀町商店街のまちづくりについて

1 兵庫県西宮市
○対応者
議会事務局次長(受け入れあいさつ)
議会事務局議事調査課書記(西宮市随行)
土木局土木総括室自転車対策グループ課長(説明)
(1) 西宮市における放置自転車対策について
(2) 西宮北口北西第4地下機械式自転車駐車場について
<事業概要>
・ 概要

 西宮市では、昭和54年12月に西宮市自転車対策推進協議会設置要綱を制定し、放置自転車対策に積極的に取り組んできた。
 現在、市の駐輪場は69カ所あり、24,500台が収容できる。また、このほか、3カ所の返還所(3,600台を保管)施設を有している。
 放置自転車の台数は市全体としては減少しているものの、特急電車が停車する主要5駅の周辺は依然として解消していない。
 今後も引き続き、行政、鉄道事業者、地域住民が一体となって取り組んでいく必要がある。


西宮市議会にて説明聴取
・ 放置自転車対策の3つの柱

 (1)自転車駐車場の整備(自動ゲートシステムの導入等を含む)、(2)自転車の移動、保管、返還の管理システムの導入、(3)駐輪マナー指導の実施を3つの柱として、施策を推進している。

・ 駅周辺駐輪マナー指導

 市内24駅のうち、12駅において、午前7時から午後5時まで、シルバー人材センターの高齢者を活用したマナー指導を行っている。

・ 駐輪場の利用状況

 市営、鉄道事業者経営、個人経営の駐輪場について、いずれも90%以上の利用率となっている。


西宮市議会 玄関にて
・ 市営駐輪場の使用料

 定期使用で1カ月1,300円~2,300円となっている。屋根つき、屋根なしで料金設定を変えており、また、不人気の場所は料金を安くすることで利用率のアップを図っている。
 一時利用については、市内全箇所均一で、1日1回 100円となっている。

・ 放置自転車台数の推移

 年間3,500台前後で推移してきたが、平成21年度は1,700台と大幅に減少している。これは、自転車駐車場がある程度整備できたこと、また、駅前の大型商業施設においてコイン式の駐輪場が整備されたことなどによるものと思われる。

・ 機械式自転車駐車場の概要

 阪急西宮北口駅周辺の放置自転車対策として、駅前公園内に機械式自転車駐車場を整備し、10月1日にオープンした。
 用地の確保が難しい駅前において、地下を利用した機械式の駐輪場は、エレベーター方式により、全自動で入庫と出庫ができ、盗難の心配や雨風の影響がないため、安全性にもすぐれ、周囲の景観にも配慮したものとなっている。
 機械式自転車駐車場は2基、全部で414台の収容台数で、現在の契約台数は172台となっている。定期利用のみ可能で、月額2,300円の使用料を設定している。

<質疑概要>
Q:機械式自転車駐車場の整備費用と助成金について。

A:整備費用は3億555万円である。機械式自転車駐車場単独の整備では、まちづくり交付金の助成は難しいが、駅周辺における一体的なまちづくり整備事業として交付金を受けることができた。また、地域活性化交付金も活用することで、駐輪場整備に係る西宮市の負担は約1億円であった。


西宮市 機械式自転車駐車場
Q:地上式の方が整備費用を抑えられたと思うが、なぜ地下式としたのか。

A:西宮北口駅周辺は高度利用地区となっており、土地の有効活用のため、当初の計画段階から駅前公園の地下を利用する方式を採用した。

Q:2基で収容台数が違う理由について。

A:工事仕様書では、収容台数は400台としていたが、完成した2基の収容台数は、それぞれ216台と198台となっている。機械式自転車駐車場は、1段に18台収容できる仕組みであるが、両方とも12段で施工すると掘削工事費用等が計画よりも大幅にオーバーしてしまうため、12段と11段の仕様とした。

Q:機械式自転車駐車場の一時利用についての考え方について。

A:現在、一時利用については考えていない。この駐輪場の整備により、周辺の既存の駐輪場にあきが出ると思われるので、そこで一時利用の枠を広げたいと考えている。機械式自転車駐車場を利用するには、事前にICタグの取りつけと入出庫のためのカードの作成が必要であり、一時利用の方にも初期登録料を負担していただくことになる。市民の負担等を考慮し、現段階では定期利用の方のみを対象としている。

Q:工期について。

A:平成21年9月から平成22年9月までの約1年間である。当初は、2基同時施工を考えていたが、工事車両の進入や足場の確保の問題で工期が延長した。

Q:利用時間の拡大について。

A:現在は6時から24時まで管理人を配置し、その時間内のみ利用可能であるが、将来的には無人化、24時間体制での運用も考えられる。機械の不具合時の対応や安全の確保について、今後検討が必要である。

Q:管理・運営費について。

A:施工業者と協定書を取り交わしているが、今後20年間の平均メンテナンス料は、電気料、部品交換費、定期点検費で年間449万9千円となっている。このほか、管理者の人件費が加算される。


2 兵庫県(兵庫県立福祉のまちづくり研究所)
○対応者
総合リハビリテーションセンター所長(受け入れあいさつ)
総合リハビリテーションセンター次長(受け入れあいさつ)
福祉のまちづくり研究所次長兼企画情報課長(説明)
福祉のまちづくり研究所主任研究員兼研究第一グループ長(説明)
福祉のまちづくり研究所研究第一グループ主任研究員(説明)
福祉管理部課長兼中央病院管理部病院経理課長(視察先での案内)
福祉管理部総務課長兼保育室長(視察先での案内)
(1) 安全・安心なまちづくりに向けた公共建築物・住宅、移動手段等の改善研究について
(2) ウェルフェアテクノハウス神戸について
<事業概要>
・ 概要

 兵庫県立福祉のまちづくり研究所は、県立総合リハビリテーションセンターの敷地内にあり、兵庫県の「福祉のまちづくり条例」の具現化に向け、さまざまな取り組みを推進している。
 研究所は大きく第一グループと第二グループに分かれており、第一グループは公共的な建物や住まい、移動手段の改善に向けた調査研究、コミュニケーション機器・システムの開発など、都市計画・建築計画・交通工学・システム工学などの見地から安全・安心なまちづくり支援等の研究を行っている。また、第二グループでは、リハビリテーション支援技術等の研究、補装具製作・修理事業を行っている。

・ 兵庫県への政策提言

 兵庫県から委託された建築物、住宅、道路等に係るテーマについて、研究開発を行い、県に対し、政策提言を行っている。現在は、16の課題を受託している。このほか、民間企業や関係機関と協力しながらテーマごとに研究開発を進め、自治体や企業にさまざまな情報を発信している。

・ 研究第一グループの活動内容

 (1)建築物・交通手段・歩道などを多面的に研究し、福祉のまちづくりへ展開する「まちづくり支援」、 (2)(1)に役立つ計画づくり、生活基盤づくり、居住環境づくり、コミュニケーションの支援、バリアフリー技術の研究、(3)建築学・土木工学・都市計画・交通工学・システム工学などの技術的見地から県への政策提言が主な活動である。

・ 歩車道境界部の縁石ブロックの構造研究

 視覚に障害のある人と車いす利用者の両者にとって安全な道路となるように、段差がなく、視覚に障害があっても歩車道の境界が認識できる「溝をつけた縁石ブロック」を開発した。このブロックは、平成16年度から兵庫県内の県道で標準仕様となっている。

・ LEDマークを用いた歩行支援システム

 ロービジョン者が夜間でも歩きやすくなる方法として、新しい歩行支援システムを検討している。電柱等に取りつけたLED照射装置から光を照射し、道路面に一定間隔の誘導マークをつくり出し、これを用いて誘導するものである。

・ 現在進めている研究テーマ

 (1)地域公共交通の維持と市民参加の必要性、(2)高齢者向けグループ居住とまちづくり、(3)車いす利用者の住宅改造に関する計測方法、(4)ロービジョンの歩行環境等について研究を進めている。

・ 今後の活動の方向性

 (1)研究成果を研修につなげる(研修センター課との協働体制づくり)、(2)国・県・市町・事業者のバリアフリー政策への寄与(ガイドラインなどへの提言、まちづくり条例具現化の支援、市町へのバリアフリー化支援)、(3)「観光バリアフリー(姫路城など)」「既存建築物のバリアフリー」などの研究、(4)国の動向、特に交通基本法への対応と市町への支援等、を中心に研究を進めていく。

・ ウェルフェアテクノハウス神戸

 高齢社会対応の住宅研究や、自立や介護を支援する福祉用具の研究開発を目的に設置したもので、住宅介護機器のモデルハウスとなっている。一般の方にも見学していただくことで、障害のある方や高齢者の在宅生活のあり方や福祉機器を普及啓発する場として活用してもらっている。


ウェルフェアテクノハウス神戸
<質疑概要>
Q:福祉のまちづくり研究所の管理・運営について。

A:施設は県立だが、社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団が総合リハビリテーションセンターの指定管理者となっており、運営は法人が行っている。兵庫県からの委託料のほか、研修等の委託手数料や利用者負担などが運営費となっている。
 また、福祉用具展示ホールの機器類は、民間企業からの寄附によるもので、選定委員会で選定の上、展示を行っている。

Q:まちづくりや道路の分野ではハード面が先行しがちだが、福祉分野との連携について、どのような工夫をしているのか。

A:福祉のまちづくり条例自体が、当初から多面的に物事をとらえていくという考え方で、研究所への人事配置も福祉から土木工学の専門家までさまざまな職種が混在しており、それぞれの使命がはっきりしているため、縦割り的な弊害は全くない。相互に協力しながら一体的に進めている。

Q:研究成果の普及について。

A:受託した研究の成果については、県に対し政策提言を行っているが、実際にそれが社会で役に立つものなのかどうかの実証実験とコスト面での検討が必要になる。縁石ブロックは、県内で普及した成功例であるが、コスト面で、通常のブロックと比較して400円増し程度で商品化できたことが大きな要因である。
 まちづくり研究所は、あくまでも研究施設であるが、兵庫県で成功した事例を全国にいかに普及・促進していくかについては、今後の検討課題である。

Q:神戸市との関係について。

A:日常的に情報交換を行い、相互に交流を深めていこうという関係である。一般に県と政令指定都市とは事務の役割分担をしている部分が多いと思うが、住民の方やこの病院を利用している方にとっては、当然ながら県も市も垣根がなく、自分たちとしても特に意識はしていない。

Q:交通事業者のバリアフリーに対する意識はどのようなものか。

A:平成20年度より交通事業者バリアフリー教育訓練を行っているが、近畿地方の交通事業者の方々の意識は高いように思う。


3 香川県高松市(高松丸亀町商店街振興組合)
○対応者
高松丸亀町商店街振興組合理事長(受け入れあいさつ及び説明)
(1) 市街地再開発事業に伴う高松丸亀町商店街のまちづくりについて
<事業概要>
・ 概要

 高松丸亀町商店街は、高松市内中心部にある8つの商店街のうち、全長470mの最も大きな商店街で、400年の歴史を持っている。
 商店街振興組合が中心となって構想から20年をかけて取り組んできたまちづくりは、中小企業庁の「がんばる商店街77選」に選ばれ、特色ある取り組みで成功を収めた例として、全国から注目を集めている。


商店街振興組合会議室にて説明聴取
・ 商店街の経緯

 高松市は、国の出先機関や都市のさまざまな機能が中心部に集積する「コンパクトシティ」であったが、昭和63年の瀬戸大橋の開通により、それまで船に依存してきた物流が一変し、大手流通チェーンによる郊外型の大型商業店が進出し、徐々に空洞化が進み始めた。
 商店街振興組合では、早い時期から自分たちの町に危機感を持ち、将来に向けたまちづくりについて研究を重ねてきている。
 平成2年度には高松丸亀町商店街再開発計画を取りまとめ、以降、地元を中心とする組織や高松市、商工会議所など、各レベルにおいて中心市街地、商店街の整備、再開発に向けた検討が行われてきた。

・ 再開発事業

 全長470mの商店街をA~Gの7街区に分け、すべての街区を対象とした再開発を段階的に行っている。A・G街区には、市民広場やポケットパークなどの公共的な施設を備えた核となる集客施設を市街地再開発事業で整備し、その他の街区では、共同建てかえにより、商店街全体を一つのショッピングモールとして再構築する計画を策定した。
 再開発を進めるに当たっては、(1)諸悪の根源が郊外大型店だけにあるのではないことを商店街店主にまず認識してもらう、(2)合理的に町の再生を図るため、土地の所有権と利用権を分離する、(3)従前の商店街に店舗入れかえ(新陳代謝)システムを導入していくことを段階的に進めていった。

・ 高松丸亀町商店街再開発の特徴

 高松丸亀町商店街再開発の最大の特徴は、所有権と利用権の分離である。
 地元住民が中心となって、自治体出資比率5%の民間主導型第3セクターの「高松丸亀町まちづくり株式会社」を設立し、土地の所有を変えずにビルの床をまちづくり会社が取得・運営する仕組みを構築し、商店街全体のマネージメントを行っている。
 街区ごとに地権者の共同出資によるまちづくり会社を設立(A街区は、高松丸亀町壱番街株式会社)、地権者は自分の土地を所有しつつ、この会社と60年の定期借地権契約を結び、土地を貸し出す。建物はまちづくり会社が所有し、家賃収入から必要経費を除いた分を地権者に分配する。この仕組みで、土地の利用と所有が分離され、まちづくり会社が適切な場所に適切な種類の店舗を配置するテナントミックスが実現でき、地権者側も安心してまちづくりに参加できる。
 まちづくり会社は、初期費用(500万円)は行政の支援を一部受けているが、運営資金は自主財源で賄う収支計画で、利益は地元に還元している。

・ A街区の開業効果

 A街区のエリア全体の年商は、開発前10億円から開発後33億円に増加、1日当たりの通行量も、開発前12,000人から開発後18,000人に増加している。

・ 高松市の税収

 再開発を進めたことにより、建物の固定資産税が大幅に上がっている。
 A街区の固定資産税は、開発前400万円から開発後3,600万円に増加、B・C街区の固定資産税は、開発前428万円から開発後3,740万円に増加している。7街区完成時の国・県・市の増税予想額は、99,409万円という試算である。
 高松市にとって、中心市街地活性化への補助金は税収の増加となってリターンすることができる良質の行政の投資と言える。

<質疑概要>
Q:昨年1年間で13,000人の視察を受け入れたとのことであるが、どのような方が視察に来ているのか。

A:13,000人のうち、議会関係者4,800人、自治体6,000人、残りが商店街関係者となっている。自治体では、北九州市、青森市、熊本市、札幌市等が熱心に研究されているようである。

Q:定期借地権契約は地権者全員と締結しているのか。

A:街区ごとに設立したまちづくり会社と全員が契約している。全員合意というのは難しいことではあるが、初めにA街区で成功をおさめれば、隣接するB街区、C街区の整備の際に、地権者の抵抗感も少なく、理解を得られやすい。
 「成功」を連鎖させるため、A街区に集中投資を行ってでも成功例が欲しかった。

Q:まちづくりの仕組みはどのように検討したのか。

A:再開発に乗り出すことを決めた初期の段階から、全国トップクラスのまちづくりの専門家を交えて地権者とともに議論を重ね、再開発スキームを構築した。1回の開催ごとに200万円の経費がかかる検討会であるが、振興組合はこれを町の再生のための先行投資と考えた。この経費は駐車場収入により賄っている。


商店街再生のシンボル「ガラスドーム」
Q:駐車場の設置について。

A:安定的な自主財源を確保することを目的として、昭和59年に地権者に1人当たり100万円を出資してもらい、設置した。この利益により、それ以降は地権者に頼ることなく駐車場を増設することができた。
 表向きは商店街の買い物客用の駐車場であるが、実際には隣接するビジネス街の客をターゲットにしており、あくまでも利潤を追求した駐車場経営を行っている。



建築・都市整備・道路委員会

委員長 森  裕之
副委員長 関  勝則
副委員長 加納 重雄
委員 鈴木 太郎
委員 藤代 耕一
委員 石渡由紀夫
委員 星野 國和
委員 牧嶋 秀昭
委員 井上さくら
委員 河治 民夫
委員 藤田みちる



横浜市会議会局 - 2011年03月31日作成 - 2016年05月31日更新
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