ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 3話2016年12月25日 06:40前作の評価、ブクマありがとうございます。ランキングにも載ってて、本当に嬉しかったです町はクリスマスムードですが、皆さんはどうですか?町中を歩いてるカップル見ると刺し殺したくなりますよね〜アハハ〜。まぁ冗談ですけど、彼女のいない俺には少しキツいです。まぁ、取り敢えずメリークリスマス!リア充は爆ぜろ!「では履歴書を見せて下さい」「あ、はい」 予想外に超真面目な雰囲気で始まった面接は履歴書を見せる事から始まった。 今までに何回も同じ事をやっているはずなのに、何か今日はちょっと恥ずかしい。俺の今までの経歴がこの人に見られるという事からくるものだろうと思うが。 じっと履歴書を見ているだけなのに絵になるなんて、この人どこかのお嬢様じゃないのん?という錯覚に陥る。「……………」 黙って履歴書を見ていた水本さんが顎に手を当て何かを思案し始めた。 昨日書き上げて、1回見直して、今日ここに来る前にもう1回見直したからおかしい所はない……と思いたい。 「えっと…」 目標の攻撃動作を確認!iフィールド及び電子リフレクター及びGNフィールド展開!目標からの攻撃に備えよ! …よし、準備OK。これで、俺の過去を抉る質問が来ても精神は守られるはずだ。 「比企谷さん、失礼かと思いますが、あなた「ヒキタニ」って言われてませんか?」「……そうですけど」 予想していた質問と内容が違った為、何テンポか返事が遅れたが何とか返答する事が出来た。 というか誰だよ。俺の間違った情報流した奴。お兄さん話があるから後で顔貸しな。肉体言語ってやつを教えてやるよ。フへへへへ。……キモ。「そうですか。あなたが文化祭と修学旅行で最低と噂されていた「ヒキタニ」でしたか」「………」 何で知ってるんだ?とは思わない。大方ここに来た総武高校生が俺の事を話のネタにしてたんだろう。 全く、そういう話はネットでして欲しいですね。じゃないとその「ヒキタニ」 の噂に尾ひれついて広まっちゃうじゃん。俺「ヒキガヤ」なのに、「ヒキタニ」で俺の顔が浮かんでしまう皆はちゃんと人の名前を覚えた方がいいと思います。はい。 でもまぁ、この人まで知ってたら仕方ない。ここで雇ってもらうのはもう諦めるか「辛くないんですか?」 諦観した直後、彼女の口から出た言葉は、俺を罵倒するものでもなく、嘲笑するものでもなく、純粋な疑問だった「何とも思わないんですか?不思議に思わないんですか?自分がした事が間違ったように捉えられて悪く言われるのに疑問を持たないんですか?」 何で見ず知らずのこの人が、俺がやった事が間違ったように捉えられていると知っているのか。 超気になるがここはスルーしよう。人生知らないことの1つや2つくらいあってもいいと思うんです。 水本さんは本当に優しい人だ。今言った言葉も俺の身を心配してからの事だろう だとしたらそれは間違いだ「誤解も解のうち何ですよ」「…仰っている意味が分かりません」「そうですね……テストの回答を間違える事あるじゃないですか」「テストで間違えた事なんてないんでよく分からないんですが…」 困りながらも、物凄いことをしれっと言いのける水本さん え?何この人テストで間違えた事ないの?もしかして小学校から今まで試験で100点しか取ったことないの?……べ、別に羨ましくなんかないんだからね!「とにかく!間違えることあるじゃないですか」「はい」「その時、先生に「僕ここの答え間違えたんで、書き直してもいいですか?」と言って、答案用紙を返して貰えると思いますか?」「…思いませんけど」「それと同じです。出した答えは取り戻せない。どんな事にも通用する事なんですよ」「じゃぁ…」「そうです。俺がやった事に対する答えは周囲がもう出してしまってる。だから、その答えを修正する事何て出来ないんですよ」「………」 そうだ。解はもう既に出てしまっている。出してしまった答えを覆せるほど俺は強くないし、その間違った答えを否定してくれる第3者もいない。 だが、これでいい。これでいいのだ。比企谷八幡は、生来からこういう運命の元に生まれて、死ぬまでこの運命からは逃れられないのだから「分かりました」 しばらく思案していた水本さんが、顔を上げ了承の声を上げる。その凛々しい表情から何かを決意したように見える。 あぁ、次に続く言葉が想像出来るよ〜。 「ごめんなさい。うちではちょっと…」がこの人のイメージにピッタリだな。うん「あなたを採用します」「ふぇ?」 採用します?俺を? ていうか、即決でいいのん?「今日は土曜日ですが、比企谷さんにはなるべく早く仕事を覚えて貰いたいと思うので、明日から来てもらってもいいですか?」「あ、はい」「では、明日8時にここに来てください」「あ、はい。では」 自分が採用された事に少し驚いたが、取り敢えず今日は帰ろう。 何か採用されたっていう実感があまり湧かない。返事も生返事だったし。ホント何で俺を…物好きだなぁ。「比企谷さん」「はい」 ドアノブに手を掛けようとした所を、後ろから響いた声に阻まれた 体ごと後ろを向き、水本さんと向き合うようにする。柔らかな微笑みは慈愛に満ちていて、直視するのを躊躇うくらい美しいものだ。「私あなたの事気に入りました」「………は?」 強烈なアッパーを顎にモロ食らったかのような錯覚に陥るほど、彼女の口から出た一言は俺に衝撃を与えるのには充分だった 当の彼女は、俺の反応を見るなり先程の表情から一転。小悪魔のような怪しい笑みを浮かべながら、その顔をこちらの耳へ近づける「だから、あなたの全部を私に教えて下さい」「ひゃ、ひゃい」 耳元でこんな言葉を囁かれたら、どんな男でも慌てるはずだ。むしろ、こんなんで慌てないのは余程女慣れしてるか、ホモォしかいない。 DTであり、女慣れしていない俺には効果抜群で、顔全体に一気に熱が広がるのを感じる「ふふ。それではまた明日」 水本さんの声に反応すること無くドアを閉め、急ぎ足で通路を歩く。スタッフルームを出る間際に、一色から声を掛けられた気がするがそれを無視してただ歩く。 すまん一色。今度奢るから今回は許してくだせぇ。 自動ドアの向こう側に出ると、店内とは真逆の冷たい空気に晒されたが、熱っぽい体を冷ますには丁度いい。 彼女の発言の真意が読み取れない。俺の何が彼女に興味を持たせたのかよく分からない。 だが、今は採用されたという事実を噛み締めながら帰ろう。真意を読み取るのはそれからでも遅くはないと思う。