肌の仕組みを知って保湿のメカニズムを理解しよう

アトピーの改善を目指すときや悪化をさせないために必ず必要なケアである“保湿”。

では、みなさんはなぜ保湿が必要なのか、保湿のメカニズムは何なのかを知っていますか?
今回は、肌の仕組みについてスポットを当て、保湿がどのようなメカニズムで肌を守ってくれるのかを詳しくみていきましょう。

皮膚の構造を知ろう

肌は表皮、真皮、皮下組織の3層にわかれています。
表皮には基底層、有蕀層、顆粒層、角質層が存在し、基底層の細胞が2週間かけて角質層までたどり着き、2週間角質層にとどまったあとに、古いものから剥がれ落ちていきます。
このサイクルのことを“ターンオーバー”と言います。

角質層には死んだ細胞(角質)ケラチンと言う物質が存在しています。
ケラチンは水分含むと柔らかくなり、そのおかげで、死んだ細胞で構成されている角質層はしっとりと柔らかいのです。

保湿とは一体何か?

“保湿”とは、角質層に潤いを与え、そこに水分を留めていくことです。
角質層はブロック状の角質が10~20層ほど組み合わさってできています。その厚さは0.02mmほどですが、外部からの水分の侵入を防ぎ、体内の水分が蒸発するのを防いでくれるのです。

こうした保湿機能とバリア機能で潤いが保たれているため、肌がしなやかで柔らかくなり、角質層自体にも20~30%ほどの水分が含まれています。

また、肌の潤いは、皮脂膜、NMF、細胞間脂質の働きによって保たれています。
それぞれの特徴と役割について紹介します。

皮脂膜

皮脂膜は皮脂と汗などが混じり合ってできたもので、肌表面からの過剰な水分の蒸発を防いでくれます。
肌の表面に存在していて、それが適度に存在するときは、肌がしっとりと潤っていて、なめらかな肌触りに保たれています。

皮脂膜が多いと肌がべたつき、汚れがつきやすく、ニキビなどの出来物もできやすくなり、逆に少なすぎると、カサカサが目立ち、肌を保護する力も弱くなってしまいます。

NMF

NMFは「Natural Moisturizing Factor」の略で、天然保湿因子とも呼ばれるアミノ酸です。
吸水性と保湿性に優れているため、捕らえた水分を逃がさず、角質層の保湿に大きく貢献しています。

ケラチンととも角質層内に存在し、肌の潤いを保ってくれています。

細胞間脂質

細胞間資質は角質層の細胞と細胞の間に存在します。
脂質ですが皮脂とは違い、細胞と細胞を繋ぎとめて固定するセメントのような役目を果たします。

この働きによって、細胞同士がはがれず、角質層がしっかり層を構成し、水分の蒸発が防げます。

一般的に、肌の水分保持量の割合は皮脂が2%、NMFが18%、細胞間脂質が80%です。

保湿に大切なこと

皮脂、NFM、細胞間脂質は優れた保湿成分です。
しかし、熱い湯に長時間使ったり、肌を洗うときに強く擦りすぎたりすると、保湿成分とともに角質層が壊されてしまい、せっかくの保湿成分が壊されてしまいます。

肌の保湿力を高めようとして保湿剤を使ったり、念入りに顔を洗うことはよいことですが、擦りすぎと洗いすぎには気をつけましょう。

洗い落とされた細胞間脂質やNMFは睡眠中に肌が回復させようと努めてくれますが、それまでの間、肌は無防備になってしまいます。
その間にお肌を守るために保湿が必要となります。

正常な肌であれば朝までに保湿成分が回復しているため、夜寝る前に肌を外部からの刺激から守る処理をしておけば大丈夫です。
しかし、アトピー性皮膚炎の方の肌は保湿成分の生産能力が衰えていたり、乾燥が進んで肌の保湿成分が回復しきらないことがあります。
そのため、NMFの主成分のアミノ酸を配合した保湿剤を使い、肌の回復の手助けになる保湿剤を塗ることをオススメします。

保湿する際のポイント

正しい保湿を行っていないと、肌に刺激を与えてしまったり、水分を含んだ肌になってくれない場合があります。
そこでここからは、保湿する際に抑えておきたいポイントを紹介します。

長風呂に注意

お風呂に長時間浸かっていると、健康に良いとされることが多いため、お風呂ではついつい長湯をしてしまう人もいるでしょう。
しかし、長時間肌が濡れている状態が続くと細胞間脂質やNMFがどんどん流れ落ちていってしまいます。

また、お湯の温度が高いと水分が蒸発しやすくなるため、お湯の温度も38℃くらいに設定しましょう。

お風呂上りは必ず保湿すべし

お風呂上りの肌はしっとりと柔らかくないですか?
お風呂のようにたっぷりと水分がある空間では肌がどんどん水分を摂り込んでくれます。

この水分を逃さない手はありません。しかし、お風呂上りは、細胞間脂質やNMFが流れてしまい肌はとても無防備な状態で、放っておけば水分はどんどん体外に出ていってしまいます。

そのため、お風呂から出たあとはできるだけ早く保湿を行い、水分を身体の外に逃がさないようにしましょう。

保湿成分をチェック

化粧水やクリームの保湿成分は気にしていますか?
例えばアミノ酸は肌の保湿成分をつくる材料になるため、保湿成分の生成を促進してくれます。ほかにも、NMFをそのまま配合しているものもあります。

さらに、スクワランやホホバオイルを配合しているものは肌にある水分を外に逃げないように保ってくれます。
肌の特徴や場合に合わせて選びましょう。

一方、アルコールの入っているものは肌に刺激を与えることもあるので注意しましょう。

コットンはNG

化粧水やクリームを塗るときにコットンを使う人もいます。しかし、実はコットンも肌の刺激になってしまうこともあります。
そのため、化粧水や保湿剤を肌に塗るときには、コットンを使わず、手で塗りましょう。

適量手に取り、なじませるように優しく塗り込んでください。こするように塗るのは厳禁です。
手のひら全体でなじませることで刺激が少なくなるため乾燥肌や敏感肌の方にもオススメです。また、手の温度であたためることで肌への浸透率もアップします。

油分の多いものは使い過ぎると逆効果?

油分の多いクリームはなじみやすく、肌に蓋をすることで水分を肌から逃がさないようにしてくれます。
しかし、塗りすぎてしまうと細胞間脂質のバランスが崩れてしまうので、塗りすぎには注意しましょう。

ワセリンも主成分は油ですが、肌に浸透することがないため、低刺激で細胞間脂質のバランスを崩すことは少ないです。

保湿を上手にして、肌の“防御力”を高めよう

保湿は人間の肌を守るうえでとても重要な行為です。
今、肌の保湿を何もしていない人や保湿をしていてもその方法が間違っている人は、もしかしたらそれが今後深刻な肌のトラブルを抱える原因となってしまうかもしれません。

肌の保湿を上手にすれば、いつまでも健康的な肌を保つことも可能です。
今のことだけではなく将来のことも考えて、賢く肌の保湿を行えると良いですね。