日焼け止めには2種類あります
世の中の日焼け止めには、紫外線吸収剤(紫外線を吸収し肌に到達させないもの)と紫外線散乱剤(紫外線を反射させ肌に到達させないもの)という成分の2種類があります。
紫外線吸収剤は化粧品として加工しやすいのが利点です。SPF値も高く作ることが可能で、肌から取れにくいよう界面活性剤との相性も良いです。しかし、有機化合物であり、紫外線を吸収すると肌に刺激のある物質に変化します。つまり肌に良くないということです。
一方、紫外線散乱剤は化粧品にすると白く浮きやすく、加工しにくく、SPF値を高く作ることが難しいのが欠点です。しかし、天然ミネラル(鉱物)でできているので、無機物です。つまり肌にアレルゲンとなったり、刺激になることが非常に少ないため、肌に優しいと言うことです。
推奨される適切なSPFとPA
日本皮膚科学会では、日常的にSPF15~30、PA+以上のサンスクリーン剤を使用することを勧めています。これは美容のみで無く、日光角化症(SCCの前がん病変)や基底細胞がんの予防のためにも大切なことです。日頃からSPF50の紫外線吸収剤を使用することは、逆に肌に対して刺激となり痛めかねません。
参考
SPF(サンプロテクションファクター)とは、UBVを防ぐ効果を示し、最大50+の製品があります。SPF15とは、たとえばUBVを浴びると10分で赤くなる人が10分×15=150分、つまり塗らないときに比べ15倍赤くなるのを延ばせるということです。日焼けやしみの原因です。
PA(プロテクショングレイドオブUVA)とは、UVAを防ぐ効果を示し、最大PA++++の製品があります。しわなど、真皮コラーゲンへのダメージの原因です。
日焼け止めの使い分け
紫外線散乱剤で構成される化粧品は肌に優しく日常的に使用すべきです。ほとんど外出しないのでしたら、日頃からビタミンAを使用していただいていると紫外線にも強いので使用しなくても良いと思います。しかし、10分でも外を歩くなど、外出があるのでしたら使用すべきと思います。紫外線散乱剤でSPF値も満たすものも多いです。しかし、海やプールなど、レジャーとなると肌なじみがよく、落ちにくい紫外線吸収剤を使用しないと仕方が無いのかなと考えます。SPF50PA++++ということです。
最近は紫外線吸収剤でも、肌に刺激とならない工夫が売りの日焼け止めも市販されているようです。また、紫外線散乱剤でもSPF値が50のものはいくつかございます。
薬局では紫外線吸収剤が使用されていないもは「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」「紫外線吸収剤不使用」と書いてあります。(成分表に載っています。)
当院で推奨している日焼け止めです。
エンビロンのラドローションは紫外線吸収剤と散乱剤と両方でできているのですが、肌へ低刺激となる工夫や、他の美容成分、抗酸化成分がたくさん使われており、美容液のように使用可能です。もちろん日常的に使用を推奨しています。レジャーの場合は必ず3時間程度で塗り直しをして使用してほしいです。SPF16ですが、塗り直しをすると焼けません。
ビューティフルスキンのUVミルクですが、こちらは完全に紫外線散乱剤のみでできています。SPF30ですが、こちらも塗り直しをしないと焼けるような印象があるので注意してください。しかし、この製品は化粧水感覚でジャブジャブと使いやすく、軽いです。もちろん肌へ刺激になりにくいです。少し塗り始めは皮膚からはじかれるように見えますが、ゆっくりなじませていただければ大丈夫です。
5/14東京国際フォーラムでキャンデラユーザーズミーティングが開催されました。当院ではキャンデラ社製ジェントルシリーズというレーザーで医療脱毛やレーザーフェイシャルを行っています。この会で医療脱毛について、復習したことを備忘録として、私見も含めて述べます。
エステサロンの脱毛との根本的な違い
レーザー機器を使った脱毛は医療機関でしか許可されていません。サロンでの脱毛は「美容ライト脱毛」と称する光脱毛ということになります。医療機関でないので、毛を発生させる毛乳頭・皮脂腺開口部・バルジ(幹細胞)を破壊する行為はできません。とういことは低出力の光を用いて減毛させることになります。クリニックでのレーザー脱毛も、正確には永久脱毛と言えないのかもしれませんが、永久脱毛の定義もはっきりしないので、長期的な減毛というのが正確です。メラニンの少ない産毛や白髪は難しいということですが、クリニックですので、上記の毛を発生させる器官を破壊する行為が可能なのは確かです。
禁忌や合併症について
リウマチなどで金製剤を投与されている方、金の糸が体内に留置されている方です。ニキビや湿疹については、やはり良くなることが多いので演者の先生と同様、当院でも積極的にお勧めしています。
毛嚢炎や紅斑は割と起こります。マイルドステロイド(ロコイド)+抗菌薬(アクアチム)などの外用で対処します。熱傷、色素沈着は時々経験します。テクニカルな問題では三日月型の色素沈着の場合、冷却不十分(これは照射角度や機械の不具合)が考えられます。過冷却による色素沈着も肌質により経験することですが、長引く傾向にあります。硬毛化については以下に述べます。
硬毛化について
硬毛化しやすい人
20~30歳代
色白
産毛が多く、毛の量も多い
毛穴が開き気味
好発部位(うなじ、肘上、背中、腰など)は数パーセントで起こりえます。逆に下肢ではどの先生も硬毛化の経験がないというのが不思議であり、このメカニズムの解明が待たれるところです。
硬毛化に対する照射プロトコールも出てまいりました。アレキサンドライトの連続照射法やYAGに切り替えることです。当院はロングパルスYAGレーザーも備えており、硬毛化の際には使用することがあります。
ニキビ治療について
・基本に忠実。皮膚科学会は新薬が出ると治療ガイドラインをこまめに改定していますので、当院もこれにのっとって結果出しています。
・治療のゴールはニキビ跡の予防 ということはいかに新しいにきびを作らず、できたときに軽く済ませるかです。・赤ニキビを早く治す。・そしてmini-scar(0.5㎜~2㎜の小さいニキビ跡)を無くす。炎症性ざ瘡の8.2%がなってしまうとのことです。
・きれいにニキビ跡を治すためにも、自由診療は必要です。ピーリングやレーザー(ダイオードなど)です。
・抗生剤単独使用は避ける。 BPO併用など、必要です。
メラノーシスを起こす、パラクラインサイトカイン系
UVBにより、ケラチノサイトや線維芽細胞からET-1、エンドセリン、SCFなどのサイトカインがメラノサイトを活性化するメカニズムの話がありました。また、最近老人性色素斑においては表皮の処理では再発する例に対し、これは真皮の線維芽細胞からのサイトカインシグナルが原因との話はよく出てきます。