通常の医療環境であれば、アトピー性皮膚炎、色素沈着、手荒れ(手湿疹)は皮膚科、アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科、アレルギー性結膜炎は眼科、喘息様咳嗽は呼吸器内科という具合に4つの医療機関か、同一病院であれば複数科を受診しなければならない若い女性をいわゆる漢方併用アレルギー科である当院にて治療して、予想以上の治療効果を得ましたのでご報告したいと思います。

 

症例29歳女性 職業:医療関係(石鹸や消毒液による手洗いが多い)

 

病歴10年前からアトピー性皮膚炎、春、秋を問わない通年性のアレルギー性鼻炎、目の痒み、喀痰を伴わない咳嗽、頑固な手荒れが出現、皮膚病変に対しては病院務めである関係で、プロトピック軟膏、アンテベート(ステロイド)軟膏などで対症療法を行ってきた。漢方薬は治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)を1年間服用したが効果無く、当院受診前に中止した。

 

初診時(平成23112日)皮膚所見をご覧ください。(写真下)


前額部、眼瞼周囲、特に右側口回に痒みを伴う発赤疹が著名です。この写真でも手首、から手掌、手背の痒疹が観察されます。皮膚は乾燥傾向にあります。


 

顎から前胸部にかけて、いわゆる苔癬化「乾燥、ゴワゴワ、ツッパリ感を伴う」皮膚病変と、色素沈着が顕著です。


後頚部にも同様の痒疹が顕著ですが、色素沈着や苔癬化は軽度です。


 

右肩部分の乾燥した痒疹と腋下周囲の色素沈着が認められます。痒疹の表面が乾燥しているのが観察されます。


同様に、左側腋下周囲にも色素沈着が目立ちますが、右側に比較して肩部分の痒疹は軽度です。


 

アトピー性皮膚炎に典型的な肘部の痒疹と色素沈着が認められます。右手首にも痒疹があります。

 


 

両側手背部、指の慢性痒疹があります。皮膚は湿潤ではなく、乾燥傾向があります。患者さんは右利きですが、慢性炎症のために左の中指、薬指に炎症性の浮腫があります。

 

初診時に私が考えたこと

 

赤みや痒みには、清熱解毒祛風は当然ながら、副作用としての皮膚の乾燥は避けなくてはならない。従って、養陰清熱が必須であり、祛風止痒と同時に、皮膚を潤さなくてはならない。漢方用語で言えば、養陰清熱潤膚祛風止痒が治療の基本である。治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)は論外に置く{理由:養陰剤の配伍なし、蒼朮(燥湿健脾)は温燥の性質を持つ。大黄の配伍目的が不明、過去に著効した経験が無い等}。接触性皮膚炎にも似た手荒れに対しては、保湿が必須であり、皮脂を失わせてはならない。治療がうまくいけば、色素沈着は自然に回復するはずである。鼻や目のアレルギー症状に対しては、その都度、対症療法をすればいい。先ずは皮膚病変の改善を第一目標とすべきである。慢性の咳嗽に対しては、肺陰を補いつつ止咳し、以て潤膚にも働く。以上のように治療方針を立てました。

 

初診時処方:プロトピックは無効であるから継続は疑問であり中止。ステロイド軟膏を直に皮膚に塗ることも悪循環の苔癬化を防止する目的の為に中止。保湿剤、痒み止め、康仁堂漢方薬エキス(養陰血、清熱涼血剤)、極少量のステロイド剤(通常の1/15濃度)を混合して外用剤として処方。経口剤として、養陰血/祛風止痒剤(康仁堂慢性アトピー方)を12回午前中空腹時と眠前に服用、西洋抗アレルギー剤(オロパタジンやステロイドを含まない)を眠前服用。康仁堂慢性アトピー禁食方による食事指導。

 

治療経過

 


 

治療開始後3か月:第6診

 

前額部、眼瞼周囲、口回の痒みを伴う発赤疹は大いに減軽。皮膚の乾燥傾向は改善されました。頬が赤いのは頬紅のお化粧のためであり、病的ではありません。

 


 

後頚部の痒疹は消失、色素沈着も有りません。

 


 

27診:平成24926:背部のブラジャーに接する皮膚部分と腋下の色素沈着はまだ残存しています。他の痒疹はほぼ消失しました。(写真上)

 


 

30診(平成24128日):背部の色素沈着は大幅に改善されました。(写真上)

 

平成25年度に入ってからは、皮膚病変、色素沈着の改善が一層顕著になりました。

 

35診(平成25326日)

 


 

背部の色素沈着、腋下の色素沈着がほぼ消失。

 


 

顔面痒疹は消失、別人のようです。関西では「ベッピンさん」と言います。

 


 

後頚部の皮膚は正常化して、美しい項(うなじ)になりました。ベッピンさんの項(うなじ)です。


 

肩部分の痒疹も腋下周囲の色素沈着も消失。顎下から前胸部にかけての苔癬化病変と色素沈着は消失。矢印(➡)部分の手甲部分も綺麗な肌になりました。皮膚が美しくなったのは一目瞭然です。

 

 

漢方医としての責務である色素沈着を残さないで、皮膚病変を改善することが出来た症例です。大変にお美しい「ベッピンさん」になられました。咳嗽は勿論のことですが、鼻、目アレルギー症状も改善したのです。私自身驚いています。

 

 

皮膚科領域では効果が一目瞭然ですから、「論より証拠」なのです。臨床家としての経験が決まりきった「標準的治療」より大切な分野です。高度に専門的になりますので、方薬と加減は省略させていただきました。

 

数字を並べる臨床データはいくらでも改ざんが可能です。皮膚病変は写真という証拠が残りますから、捏造は特殊機関でもなければ不可能です。捏造は詐欺です。朝日新聞は「(国民ではなく)読者にお詫び申し上げます」と記者会見を開きましたが、大泣き元県議、秘書給与詐欺の現民主党女性議員よりも詐欺の性質(たち)が悪いですね。組織的な悪意を持った捏造に、国民はどれだけ長い間、騙されていたのでしょうか。

 

 

 

ドクター康仁

 

2014920日(土)