先月落札した古いニッカンのバリトン(コチラ)、製造時期を特定すべく色々調べているのだが、有力な手掛かりは掴めていない。
放置するのも可哀想なので、少しずつ手を加え、吹ける状態まで修復を試みよう。

最初に洗浄。(ユーフォ洗いはコチラ
風呂場でバラし、フレキシブルクリーナーで内部をゴシゴシやっていると黒ずんだ液体がポタポタ。あ~バッチイバッチイ。
楽しみにしていた? 異物とかは出てこなかった。
最後にお湯を通して終了。

今回はベルの修復。
修復といっても道具は木槌しかないのだが。



裏アテに15tジャッキを使用。布を被せ、曲面を合わせて歪みを叩き出す。
熱を加えると加工が容易になるという話を聞いてガスバーナを使ってみたが、大して意味がない。



修復前。
慎重に、時には大胆に、原型を留めている部分と見比べながら叩く。



とりあえずこんな感じ。
皺状になった部分は素人には手の施しようがないので深入りしない。





内側をピカールで磨き、縦置き可能な状態に。
ベコベコだけど、元が元だからこれでヨシとしよう。

ベルはほぼ元通りにはなったものの、それで音程や響きが変わった訳でも無し。
音程は唇で何とか調整出来る範囲だが、困った事にピッチが異常に低い。
開放音をチューナーで測るとA=435とか437とか、まるで戦前の標準ピッチだ。
ちなみに戦後の標準ピッチはA=440Hz(時報や音叉の音)。
現在は管弦楽や吹奏楽は通常A=442Hzというのが一般的で、合奏で使うにはマウスパイプかチューニング抜差管を切る必要がある。
低いピッチがこの楽器特有のものなのか、これも謎。

それともう1つ、マウスパイプの径が細くて現在のバリトン用マウスピースが途中までしか入らず、ピッチは更に下がって想いは19世紀以前の古楽器の世界へと旅立つ。



右側が附属品のマウスピースで、サイズも見た目も「アルトホルン」の世界。
これで吹くと痩せた音しか出ず、ホルン吹きが手頃なマウスピースを付けて吹いていたんじゃないかと勘繰りたくもなる。
やはり現行のバリトン用マウスピースのほうが吹き易いし楽器本来の音が出る。
しかし径が合わない。

謎は深まるばかりだ。



コメント
遅ればせながら・・・
あけましておめでとうございます♪

すごいっ!
楽器を直したりもしちゃうんですねー!
私のデジカメ、一部へこんでしまって、レンズのフタがスライドしなくなったのも、叩きだせば直るのかしら・・・?

・・と、おバカなことを考えてますが、今年もよろしくお願いします♪
ゆりちゃん URL 2009年01月05日 10:30:45 編集
シャンクの太さ
自分のばらしてしまったバリトンも現在のヤマハのマウスピースのシャンクとは合いませんでした。細管ではすっぽりと緩々で、太管では先っちょがチョビットはいるだけでしたね。オリジナルが無かったので判りませんでしたが。
この系統のサクソルン族、種類が多くて、系図を描くと凄い情報量になりそうですよね。煙突ユーフォってのもあるんですか?
No title
>ゆりちゃん

こちらこそどうぞ宜しくお願いします。
デジカメは預けて下されば木槌一丁でプロ並みに分解して差し上げますゾヨ。

こうした事は本来プロのリペアマンに依頼すべき分野なのですが、この楽器、私と縁が無ければ単なる真鍮屑として無に帰するしかない状態でした。
楽器吹きの意地で何とか吹けるようにしたいという想いがあるんです。
恐らくこの世に存在しないであろう、昔この楽器を吹いていた人はどんな方だったろうとか、そんな他愛のない連想が身を動かすんですよね。

アナタの次にコメントを頂いた方は異なる楽器を組み合わせて1つの楽器を完成させたという凄い方でして、私とは住んでいる世界が違うみたいです。
宅配便がちゃんと届いたのでどうやらこの世の人らしいのですが、会った事がないので確証が持てないのです。


>手ウイぱぱさん

さて、マエストロ。
ピッチやマウスパイプ径の規格が、現在の形に統一されたのは大体いつ頃からだったのか、是非知りたいものです。
主管を少なくとも50ミリ程度カットしないとピッチの問題は解決出来ないのですが、楽器本体の構造上許されるのはせいぜい20ミリ。
シャンク(マウスピース差込口の径)はメーカーによってバラツキがあるようなので、楽器屋に持ち込んで現場合わせしたくても、バリトンやテナーホルンのマウスピースなんて普通在庫していませんしね~。

煙突ユーフォ、「EP-101」ですね。吹いた事はありませんが見た事はあります。
我々より10歳くらい上のユーフォ吹きであれば割と馴染み深いのではないでしょうか。

funfunfun409 URL 2009年01月06日 00:25:36 編集
No title
funfunfun409さん、バリトンですが、マウスパイプとメインチューニング管は同じ口径ですか?あと刺さっている長さはどんなもんでしょ。切り詰めるとすればそこでしょうね。スライド管ごときりつめてショートにするって感じです。見た目は10センチ位縮めれそうですが。
洗いましたか
クリーニング時の状態はすごかったのでしょうね。

お疲れ様でした。。
よしき URL 2009年01月06日 20:28:27 編集
No title
>手ウイぱぱさん
マウスパイプとチューニング管の径ですが、今朝、測るのを忘れました(笑)
チューニング管は、本体側のカットは避けたいのでやはり差込側ですね。
ギリギリ50ミリがいいところですね。
ロウ付けがうまく行けば強度的には問題ない箇所ですが、不安が残ります。

>よしきさん
廃液の濃さが歴史を物語っていました。
あとはセッセと磨きます。

funfunfun409 URL 2009年01月07日 08:59:59 編集
No title
はじめまして。mixi経由でやってきました、

以前、日管の煙突小バスを吹いていましたが、マウスピースのシャンクが合わずに大変でした。

で、ティルツかどこだかが販売しているシャンクアダプター(スモール→ミディアム)を咬ませて解決した記憶があります。

是非ともお試しくださいませ。
サン・ラ URL 2010年10月20日 09:34:18 編集
No title
はじめまして、mixiから来ました。

メインはベッソンなのですが、うちには煙突(65年式)が現役でございます(中細はアダプターがないとマウスピース探しに難儀しますね)中細といえば、日管のドイツ式バスTb(62年式)もあるんです。これもまた演奏可能な個体です。

このバリトン吹いてみたいですね…(笑)
fekete_macska URL 2011年02月05日 06:02:04 編集
No title
>fekete_macska さん

どうも初めまして。
未だに製造時期を特定出来ません・・・困ったものです。
息漏れがするのでブロ友のTUBA職人さんに修理を依頼しており、もうすぐ演奏可能な状態になるようです。
どんな音がでるか、動画でアップしましょうか?(笑)

ヤマハが本格的にテコ入れする前の現役ニッカン楽器をお持ちとは羨ましいですね。
煙突型のバリトンは高校時代にブラバンの楽器庫にあったのを見ていますが、ユーフォは未見です。時々ヤフオクに出品されるのを見ていますが、家庭の事情が許さないというワケでして・・。
funfunfun409 URL 2011年02月05日 17:31:32 編集

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