すぐ汗をかくのは健康な証拠?悪い汗は代謝の低下と自律神経が原因

すぐ汗をかくことは「新陳代謝が良い」という理由だけではありません。新陳代謝が悪くても人は汗をかくこと、ご存知ですか?良い汗と悪い汗の違い、汗と自律神経は深い繋がりがあることを詳しく解説します。

目次

  • みんなより汗をかきやすいのが辛い
  • すぐ汗をかく原因
  • すぐ顔だけ・腋だけに汗をかくパターン
  • すぐ汗をかく病気「多汗症」
  • かきすぎる汗を治す方法
  • 汗腺を鍛えて良い汗をかこう!

みんなより汗をかきやすいのが辛い

春夏秋冬関係なく、汗っかきな自分が目立ってしまうのはとてもつらいですよね。人より汗をかいたり、すぐ汗をかいてしまうと周りからは「新陳代謝が良いから」と言われることもしばしば。しかし、新陳代謝が良いからといってすぐ汗をかくことは間違いということ、ご存知ですか?なぜ人より汗をかくのか、そしてなぜすぐに汗をかいてしまうのか、私水野春子がその謎を詳しくお伝えします。原因と汗のかき過ぎを治す方法もご紹介します。

はるこ先生
人より汗をかいてしまうこと、周りは気にしていなくても、自分は気になってしまうものです。原因から学び、改善していきましょう! 

すぐ汗をかく原因

すぐ汗をかいてしまう原因は何でしょうか。新陳代謝が良い人だけが汗をよくかくわけではありません。それは、運動不足や時にはストレス、緊張も原因だったりするのです。また、運動をした際にすぐ汗をかくことは異常ではありません。運動後の汗は体温を調節するための汗なので、「すぐ汗をかく」ということではないのです。では、どのような状況、原因ですぐ汗をかくと悩むことになるのでしょうか。​

すぐ汗かく人=代謝が良いは間違い

すぐ汗をかく人=代謝が良いとは限られません。特に代謝が良くなくても、汗はかくのです。代謝が良い場合とそうでない場合の汗について説明します。​

代謝が良い場合

​まず私たち人間で言う新陳代謝とは、古い細胞を排出し、新しい細胞に入れ替えるための体内で定期的に行われる人間に必要不可欠な体内活動です。これを体内で行うには、栄養やエネルギーが必要になります。エネルギーを消費する際、熱が生まれ、この熱を外に出そうとする時私たちは汗をかくと言われています。つまり、新陳代謝が良い人は、これにより汗をよくかくということです。​

代謝が良くない場合

​新陳代謝が特によくなくても、汗は出ます。特に夏場など、暑くてすぐ汗をかくことがありますが、それは新陳代謝の問題ではなく、体温調節のためなのです。このため、汗をかくことは新陳代謝のみによるものではないと言うことができます。​

運動不足

​日頃運動をする人の汗は良い汗と言って、汗腺が鍛えられているので不純物のないサラサラな汗をかきます。そして運動をすることによって代謝が良くなり、汗をかくことは一般的なことですよね。運動不足の方は、運動をしないから汗をかかないと思っていませんか?それは違います。運動不足による汗腺の衰えで下半身や手足の汗は減りますが、体の特定の部分だけ汗をかいたりするようになるのです。その原因は、体が無理やり体温調節をしようとし、特定の部位のみ汗かきになるようです。​

冷え性も汗っかきの原因

​冷え性の原因はいくつか種類がありますが、汗かきの原因に冷え性が関係している可能性があります。その中でも冷え性のひとつ、水分過多の場合。冷たいものの飲み過ぎや胃腸の機能が低下すると冷え性の原因になる場合があるのです。そして、水分代謝の低下、水分が体をうまく回ってない状態になり、これが原因で水分が体内に溜まりすぎてしまった際、体が無理やり体外に水分を出そうと汗をかくと言われています。汗をかき過ぎる原因のひとつに冷え性があるのはこの為です。​

肥満は汗をかきやすい

​よく汗をかくという肥満体型の方は多いと言われています。それは代謝が良いからではありません。分厚い皮下脂肪に覆われるため、体内に熱が溜まります。脂肪が体内に溜まった熱の放出を妨げてしまうからです。体温が上がった人間の体は体温を下げようと必死になります。そのためには汗をかく必要があるので、大量の汗を流すことになるのです。​

はるこ先生
痩せているのにベタつく汗をかいてしまう場合、内臓脂肪に注意する必要があるかもしれません。内臓脂肪は動脈硬化を起こしやすいと言われています。また、皮膚の血行も悪くなるようなので、結果的に肥満体型の方と同じような汗の症状が起きてしまうかもしれません。 

緊張やストレスなどの精神的なもの

​緊張や強いストレスなどでも汗をかくことがあります。緊張することがあったり、強いストレスを受け続けたりすると、人は自律神経が乱れます。これにより、エクリン汗腺という汗腺が刺激を受け、発汗が促進されてしまうのです。これは精神面からくるもので、精神性の発汗です。​

食事も汗の大きな原因

​食事、特に摂る食品の影響を受けて汗をかくことを「味覚性発汗」といいます。主に熱かったり、酸味や辛味のある食品を食べた際に汗が出るというものです。これは生理現象の一つですが、あまり気にしすぎるがために余計汗をかいてしまう場合があります。「これを食べたら汗が出る」という意識によって、余計汗がでてしまったり、それが原因で精神性発汗に繋がってしまう場合もあり得ます。​

病気

多汗症

​多汗症はただの汗っかきとは違い、病気です。多汗症は運動や食事、状況に関係なく特定の場所(手や足)に大量の汗が出ます。緊張やストレスで発汗する精神性発汗でもありません。原因は現在不明ですが、自律神経の一種、交感神経の機能の乱れにより大量の汗を発汗してしまうという説もあります。

バセドー病

​甲状腺ホルモンの過剰な分泌により、代謝が異常に促進されてしまいます。体内の代謝が促進されることにより、通常より多い汗をかいてしまうと言われています。

その他に考えられる病気

  • 糖尿病
  • 更年期障害
  • 自律神経失調症
  • 結核

すぐ顔だけ・腋だけに汗をかくパターン


休眠中の汗腺が多い

​顔や腋、その他局部に大量の汗をかいてしまう人は「休眠中の汗腺」が多い可能性があります。汗腺は体が汗をかく必要がないと判断すると休眠してしまうと言われています。例えば、運動不足が長らく続いたりすることが一つの原因。他には夏場冷房の下にずっといて、汗腺を活動させなかったりしても、また一つの原因になるのです。

手足の汗をかかなくなると顔や腋、それ以外でも局部的に汗をかくことになります。つまり、手足で発汗すべき汗は、それ以外の皮膚を利用して発汗することになり、その部位の負担が大きくなるのです。休眠した汗腺が多いと、局部的に汗の量が増えるというのはこのためです。​

ベタベタ悪い汗が多い

​汗には2通りあり、良い汗と悪い汗が存在します。良い汗はサラサラで水に近く、蒸発しやすいのですぐに乾き、無臭です。しかし、悪い汗はベタベタしており、皮膚をアルカリ性にしてしまうミネラルを含んでいるので皮膚常在菌の繁殖がしやすく、悪臭がします。その上、乾きにくいです。​ミネラルを含んでいる原因は、汗腺の鈍りとされています。汗腺が鈍ることによってミネラルを再吸収できず、ベタベタしてしまうのです。

エクリン汗腺

​汗腺は二種類存在し、一つはエクリン汗腺と呼ばれます。エクリン汗腺からでる汗は生理的現象による汗がほとんどと言われています。エクリン汗腺から出る汗には三つの「温熱性発汗・味覚性発汗・精神性発汗」が存在します。温熱性発汗は体温調節をするためのもの、他二つは先ほどお伝えした通りです。​

アポクリン汗腺

アポクリン汗腺は局部に存在すると言われている汗腺です。においを出すための汗腺とも言われており、ワキガ臭はこの汗腺より発せられていると考えられます。また、アポクリン汗腺はエクリン汗腺よりも発汗量が多いです。そのため局部、特に顔や腋などの発汗量が多いとされています。​


すぐ汗をかく病気「多汗症」

多汗症の原因になる病気

更年期障害

​更年期前後では閉経によるホルモンバランスの乱れ(エストロゲンの減少)により「ホットフラッシュ」になる可能性が高いです。ホットフラッシュとは、体や顔が熱くなった、のぼせたような症状が起こってしまう更年期障害の一つです。ホットフラッシュはのぼせたような症状の他、多汗や発汗が起こります。これにより、多汗症となる可能性があるのです。​

バセドー病

​バセドー病の症状の一つに多汗があります。その他息切れや下痢、動悸、甲状腺の腫れ、イラつきなどが症状としてみられます。症状の出方は年齢によっても違い、多汗になる方やならない方もいるようです。また、近年エアコンなど冷房の普及により多汗の症状は軽くおさまっている方も多く、逆にバセドー病の症状に気づかない場合もあるそうです。​

糖尿病

​糖尿病の初期症状に汗が出ることがあります。主に多汗症状が多いですが、発汗の異常が起こるので、汗がでるべきところで出ないというケースもあるのです。糖尿病の発汗異常は交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないという自律神経の乱れからくるものと言われています。初期段階の糖尿病は、生活習慣の改善により治るといわれています。そのため、汗の異常な発汗もこれが原因とすると生活習慣の改善で治ることがあるのです。​

自律神経失調症

​発汗機能は、自律神経(交感神経・副交感神経)によって制御されています。つまり、自律神経失調症のように自律神経が乱れると発汗機能が正常に働かなくなるのです。これにより汗を異常にかいたり、汗が全然出なくなったりします。自律神経の乱れを改善すると、この機能も正常に働くようになります。​

原因のわからない多汗症

多汗症の症状として、何かしているわけでもないのに汗が大量に出てしまうことが上げられます。多汗症の出やすい場所は主に顔・頭・腋・手足です。この中では手のひらが特に症状がでやすいと言われています。原因として考えられるのは、自律神経の乱れです。交感神経の誤作動により多汗症になってしまうと言われています。​

アッキー
多汗症の判断基準として、両手・両足・両わきなど左右対称に症状がでているか、就寝中は汗が出ない、日常に支障をきたしているかなどがあげられます。 

かきすぎる汗を治す方法

汗をかくメリット

  • 美肌・美白効果がある
  • 免疫力があがる
  • 体温調節がしっかりできるようになる
  • 疲れがとれる

汗腺を鍛えて健康な汗をかく

汗腺を鍛えて、汗をかきやすくすることには大きなメリットがあります。汗をかくと、ミネラルを再吸収するので、美白・美肌効果があるのです。これは男女共に嬉しいことですよね。汗をかかないと体中の老廃物や悪いもの(毒素など)が溜まってしまいます。しかし、汗をかくことによってその老廃物などを体外に排出してくれるのです。これにより、免疫力も上がり、風邪をひきにくくなったり、ウイルス感染しにくい体になるのです。

もちろん、体温調節もしっかりできるようになります。汗腺を鍛えるためにはまず、運動不足を解消することが優先的にあげられます。運動といっても、いきなり激しい運動をするのは困難です。そんな時にはウォーキング・ストレッチから始めてみてはどうでしょうか?体を動かすことが汗腺を鍛えるには良いのです。慣れてきたらジョギングなどの有酸素運動も効果抜群です。

運動をしないでいると、汗腺は怠け者なのですぐに休眠します。これは私たち人間の体にとって良いものではありません。運動をすれば良い汗も流れますし、スッキリします。さらに、汗を流すと疲れがとれるというメリットもあると言われています。様々なメリットがあるので、日々の運動を心がけるようにしましょう。​

自律神経を整える

発汗に深く関係のある自律神経はとても重要です。自律神経の乱れに気づければあとは改善していくのみ。セルフでできる改善の方法をご紹介します。

食事中の改善

私たち人間にとって食事はとても大事なものです。食事中は特に副交感神経が優先的に活動すると言われています。副交感神経は体内の消化器官をコントロールし、きちんと消化できるように働いています。そしてこの副交感神経が正常に働くには、食事中リラックスしているかどうかなのです。落ち着かない状態での食事や気分が悪いときに食事するなど、不安定な状態での食事はやめるようにしましょう。

冷え性の改善

自律神経を整えるには、寒さや冷え性を改善することが一つの近道です。軽い運動や体を温めることで血液のめぐりが良くなり、自律神経に良い影響を与える可能性があります。

呼吸方法の改善

腹式呼吸や深呼吸で自律神経の乱れを改善、整えることができると言われています。浅い呼吸は自律神経の乱れを引き起こし、良いことがありません。しかし、人は社会で生きていくうえで悩むこともあり、ストレスを感じたりします。それが原因で呼吸が無意識に浅くなることがあるのです。意識的に呼吸を深くすれば改善することがあるので、日々の意識が大事になります。

ツボや半側発汗

​半側発汗をご存知ですか?半側発汗とは、体の上下や左右を圧迫することにより、圧迫した反対側に汗が回り、発汗するというものです。例えば顔汗を止めたい場合、体の上半身を圧迫すれば下半身に汗が回るので、顔汗を止めることができます。しかし、これは一時的、その時のみなので、圧迫されていない状態だと元に戻ります。しかし、圧迫といってもなかなか状況によっては難しいので、いつでも簡単に押せるツボをご紹介します。​

大包のツボ

​腋の真ん中~下当たり、高さ的には乳首と並行くらいの位置。この位置に大包と呼ばれるツボが存在します。両側を圧迫するように押しましょう。

屋えいのツボ

​乳首から約5cm程上の位置。この位置に屋えいと呼ばれるツボが存在します。大包と屋えいのツボを同時に押せるようであればさらに効果的なので、一時的に汗をとめる必要がある場合は是非試してください。

体温を下げる

首の後ろを冷やすなどの紹夏など暑いことが原因で体温が上がってしまい、これが原因によって汗を大量にかくことがありますよね。その場合には、体温を下げることが効果的です。具体的な体温を下げる簡単な方法は、リンパ節を冷やすこと。体のどの部位を冷やすべきか、以下をご覧ください。

冷やすと体温が下がりやすい体の部分

  • 首の後ろを冷やす
  • わきを冷やす
  • ひざ裏を冷やす
  • 鎖骨当たりを冷やす
はるこ先生
冷やす際は冷却シートや凍らせたタオルなどをおすすめします。氷などを直接あてることはやめましょう。

病院での治療方法

塩化アルミニウム​

手のひらの多汗症を治療する際に塩化アルミニウムの水溶液が使用されることがあります。塩化アルミニウムは制汗剤の成分として使われており、制汗作用があるのです。皮膚が薄いところに使用する際には注意が必要で、ヒリヒリしたり発疹が生じた場合は使用をやめて病院に行きましょう。皮膚科など、汗に関する治療を取り扱っている病院で処方されます。

ボトックス注射​

汗をとめる治療のひとつに「ボトックス注射」があります。アセチルコリンの抑制をするボトックスを多汗治療に用いられ、ボトックスを注入するボトックス注射ができました。アセチルコリンは交感神経の末端で分泌をする神経伝達物質です。エクリン汗腺の細胞に存在するレセプターと結合すると発汗をします。これを抑制することにより、汗も抑制できるのです。ボトックス注射は約3日~1週間で効果が現れるようです。​

イオントフォレーシス​

イオントフォレーシスは主に手汗の治療で使われています。汗腺細胞の働きをよくすることでイオンの出口をふさぎ、汗の分泌を防ぐというものです。治療方法は簡単で、微量の弱い電流を流した水に手を20分つけるだけ。とてもお手軽ですが、きちんと効果は実証されているようです。基本的に弱い電流を水に流しているだけなので副作用はありませんが、肌の弱い人はかゆくなったりすることがあるようです。​

手術

汗を止めるための手術が存在します。例えば手のひらの多汗を抑える手術では交感神経を取り除いたり焼くことで発汗を抑えます。手術時間は短く、痛みがすくないのがメリットです。副作用として、手の汗が引く代わりに他の場所で汗がでるようになったりします。わきや顔、頭で汗が出るようになるのです。手のひらで多くの汗がでていた分、体温調節が難しくなり、体内に熱がこもってしまう可能性もあります。​

汗腺を鍛えて良い汗をかこう!

​いかがでしたか?汗には良い汗と悪い汗があること、汗腺の種類と発汗のメカニズムなどをお伝えしました。運動不足で汗腺が働かなくなると、悪い汗がでたり、それによる悪臭がでたりと、良いことはありませんよね。よく汗をかくからといって、それが新陳代謝によるものではない場合もあるのです。私たち人間にとって発汗は生きるために行う体内の働きのひとつ。汗腺をしっかり鍛えて、良い汗を流し、健康な体を維持できるように心がけましょう!​