がんスキンケア外来
がんスキンケア外来を始めるにあたって
2人に1人ががんにながんスキンケア外来ると言われている。そう言われてもピンとこない若者も高齢者も同じように2人に1人ががんになるのか?もし、がんと言われたら?昨日まで、おしゃれをして洋服にも気を遣い人並みに働き・勉強していたのに今日からがん患者?がんですと言われた時から、心は不安で一杯、検査を重ね、治療開始。生活もなにもかもが、治療。昨日までの私、僕はどこに行ったのか。治療は無事終了するのか?無事、終了しても前とは違う感覚?自分でもつかみ切れない不安、これからどうなるの?主治医は、一生懸命治療をしてくれる。看護師さんも熱心で優しい。でも時間が無いらしい。忙しそうで申し訳ないから、出かかった不安の言葉を引っ込める。治療の副作用のことは、なんとなく言いにくい。特に色素沈着や、ちょっとした皮膚トラブル、食事や日常生活のちょっとしたことなどなど。テレビ、ネット、雑誌 情報は沢山あるけど、あり過ぎてどうしていいかわらない。少しでも前の私、僕に近づきたい ただそれだけ。
全てのがん体験者の方々がこのような思いを抱いているとは限りません。
日本の医療は優れています。しかし、がん拠点病院を起点とした地域医療連携は遅れており、今後の課題となっています。がんになっても自分らしい生活が送れるように、多方面からのサポートが必要です。当院では、微力ながら、
治療前から治療後のスキンケアを中心に、がん体験者、患者様のサポートができたら幸いと考えています。
抗がん剤治療の皮膚障害
皮膚について
皮膚は、表皮・真皮・皮下組織による3層からなり、感染や皮膚障害に対する防御作用を備えています。なかでも表皮は、4つの層からできています。
- 角質層 表皮の1番外側の外側の層で、扁平な核のない角質細胞(表皮細胞の死んだもの)が、10~20層にも重なってできています。古くなると剥がれ落ち、基底層で作られた新しい細胞と入れ替わります。角質層は、紫外線、化学物質、アレルゲン(アレルギー誘発物質)、細菌などから身体を守る、バリア機能があります。
- 顆粒層 角質層に変化する途中の細胞の層で、扁平・紡錘形をした1~2層の顆粒細胞からなりたっています。
- 有棘層 数層~10層程度の有棘細胞がならんでいて表皮では最も厚い層です。有棘細胞の外面には多くの突起状の棘が出ていて、細胞同士が密接に連絡され栄養分を運ぶリンパ液が流れています。外部から侵入した細菌やウイルス、アレルゲンなどキャッチして排泄する働きをします。
- 基底層 表皮の最下層にあり、真皮と接しています。円柱状の基底細胞が1列に並び、新しい細胞が次々に産生されています。基底細胞の間にはメラニン色素を生成するメラノサイトが点在していて、紫外線に反応してメラニン色素が産生。されます。このメラニン色素が紫外線を吸収するので、真皮を紫外線から守る役割をしています。
一番表面にある角質層は、皮膚を健康に保つために最も重要なバリアとして働きます。
角質層には3つのバリア機能(水分保持・柔軟性維持 緩衝作用静菌作用・細菌侵入防止作用)があります。
皮膚障害
抗がん剤を使うと、
皮膚の色素沈着、乾燥(乾燥性皮膚炎)、指先や爪の硬化、黒ずみ、ひび割れ
などといった症状が起こることがあります。抗がん剤の作用により皮膚表皮の新陳代謝が抑えられるのが原因です。抗がん剤は細胞分裂の速い細胞に作用しやすいので、皮膚の中では一番新陳代謝の盛んな表皮の基底層がダメージを受け、皮膚の再生能力がにぶります。同時に、皮脂腺や汗腺の働きもそこなわれ、皮膚のうるおいが減って乾燥し、外部の刺激や細菌から保護する防御機能も弱くなります。そのため、乾燥性皮膚炎などの炎症が起こりやすく、外傷も治りにくくなります。爪の色が黒く変色するのは、爪を造るもとの細胞の爪母細胞が刺激され、メラノサイト(色素細胞)の増殖が盛んになることが原因といわれていますが多くは機序が不明です。爪の色調は、貧血や栄養状態などの全身的な状態によっても変化します。
皮膚の新陳代謝は、骨髄や粘膜など盛んに新陳代謝を繰り返している細胞に比べるとスローペースですから、ゆっくりと症状が現れ、治療終了後、数カ月ほどで徐々に治ることが多いといわれています。
一般名 | 商品名 | 症状 |
|---|---|---|
ブスルファン | マブリン散 | 色素沈着 |
ダカルバジン | ダカルバジン | 紅斑性発疹、蕁麻疹、 光線過敏症 |
シクロフォスファミド | エンドキサン | 色素沈着、爪の変形・変色 |
フルオロウラシル | 5-FU | 色素沈着、びらん水疱、浮腫、掻痒感、紅潮、爪の異常 |
メトトレキサート | メソトレキセート | 紅斑、色素沈着、光線過敏症 |
シタラビン | キロサイド | 紅斑、色素沈着 |
ブレオマイシン | ブレオ | 皮膚肥厚、色素沈着、 爪の変形・変色 |
ドキソルビシン | アドリアシン | 色素沈着 |
パクリタキセル | タキソール | 斑状丘疹性皮疹、爪変化、 掻痒、皮膚潰瘍 |
ドセタキセル | タキソテール | 色素沈着、皮疹、皮膚剥離、爪疾患 |
エトポシド | ベプシド、ラステット | 紅斑、掻痒、色素沈着 |
ビンクリスチン | オンコビン | 発汗亢進、皮膚落屑 |
シスプラチン | ランダ、ブリプラチン | 掻痒、色素沈着 |
抗がん剤の点滴治療後に皮膚症状や違和感を感じた時は、治療先の病院に連絡 しましょう。早期発見、治療が重要となります。自己判断で処置(もむ、冷やす、温める)しないことが大切です。
皮膚障害起こったときのセルフケア
- 毎日シャワーを浴び石けんでよく洗い,肌を清潔に保つ
- 低刺激性で香料,保存剤を含有しない石けんを使用する
- シャワーはぬるま湯で使用し,長いシャワー,熱いシャワーは避ける
- シャワーまたは入浴後の15分以内に保湿剤を乾燥している部位に使用する
- 直射日光を避け,日光の遮断度の高い日焼け止めを使用する
- サイズの合った柔らかい歩きやすい靴を選ぶ
- 締め付けるような衣服や靴下をさける
抗がん剤による皮膚障害を完全に防ぐことは、難しいと言えますが、少しでも抑えることはできるとおもわれます。
抗がん剤治療をする可能性がある時は、日頃のスキンケア方法を見直してみましょう。
スキンケアというと顔というイメージが強いのですが、手、足や身体のスキンケアも必要です。
がんスキンケア外来では セルフケアにプラスできる、オーダーメイドのスキンケアを提供しています。 現在、治療中の方は、施術できないこともありますことをご了承ください。
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