NO.495 生理前症候群PMS その2 「エストロゲンとプロゲステロン/2つの女性ホルモン」
今日は、女性の月経をコントロールする2つのホルモンをご紹介します。
まず最初に「エストロゲン」を紹介しましょう。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は卵巣で作られる女性ホルモンの1つです。思春期には、乳房や性器、皮下脂肪を発達させ、女性らしい身体を作ります。月経での働きとしては、卵子を育て、子宮の内膜を増殖させる働きをします。からだ全体にも作用し、コレステロールを抑え、お肌の新陳代謝を促します。
【エストロゲン】
卵胞で作られる女性ホルモン!
女性らしい身体を作り出す!
月経での働きは・・・
卵子を育て、子宮の内膜を厚くします。
その他には・・・
タンパク質と脂質代謝/お肌の新陳代謝を促します。
もっと詳しく話していきましょう。
エストロゲンは、身体内でコレステロールを前駆物質として合成されますね。
この合成過程は、以前副腎疲労のところでやった副腎皮質ホルモンの合成と共通しています。男性と女性が有するエストロゲンは、同じ化学化合物であり、両者の相違は女性がより多くのエストロゲンを有するということです。
そして肝臓は、他のステロイドと共に、エストロゲン代謝において最も重要な役割を果たしています。
肝臓は使わなくなったエストロゲンを不活性化して、副産物を胆汁中に排泄し、最終的に糞便と尿の中に排除します。
男性の肝硬変において観察される女性化乳房、胸部の体毛減少、睾丸萎縮、性欲減退などは、肝臓でのエストロゲン不活化の不全によるものですね。
冒頭でも少し触れましたが、エストロゲンの身体への作用は数多く、生殖管、副生殖器官、骨格、タンパク質/脂質代謝と沈着など全身に影響を及ぼします。エストロゲンは、特に妊娠期に顕著となる子宮の肥大を起こします。
またエストロゲンは第2次性微の発達に関与します。エストロゲンは、ナトリウムと塩素の保持により水分の体内保持を起こし、これは排卵期と月経開始直前の血中エストロゲン値の上昇と共に顕著に観察されます。月経直前の水分保持は、過剰なエストロゲンによるタンパク質の同化作用に起因し、さらに月経前の緊張症や体重増加の原因となります。
これがエストロゲンによるむくみなどに関わっているのですね^^。
ちなみにホルモン補充などで、長期的なエストロゲン投与すると、女性に卵巣萎縮、男性に睾丸萎縮を誘発します。これは過剰なエストロゲンがホルモンの中枢である下垂体の抑制とゴナドトロピン放出ホルモンを抑制するために起こるのです。
次にもう1つのホルモン「プロゲステロン」です。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は妊娠をサポートするホルモンともいわれ、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に保ちます。排卵後、卵巣に残った卵胞は黄体と呼ばれる黄色の組織に変化し、黄体ホルモンはそこから分泌されます。黄体ホルモンには体温を高くする作用があります。
【プロゲステロン】
黄体や胎盤で作られる女性ホルモン!
妊娠を強力にサポートします!
月経での働きは・・・
子宮内膜に栄養を送ります。
その他には・・・
体温を高くする作用があります。
プロゲステロンは黄体組織、副腎皮質、胎盤により産生されます。プロゲステロンのほとんどは、肝臓で他のステロイドに分解され、胆汁内に排出されます。
プロゲステロンの作用は、子宮、妊娠の維持、乳腺のコントロールへの関与、排卵の抑制です。またプロゲステロンは電解質バランスとタンパク質異化に影響を及ぼします。
ご存知のようにプロゲステロンは妊娠の維持に関与します。プロゲステロンは胎盤や黄体から分泌されるため、妊娠を継続するためには活発な卵巣機能は必要ではないので、妊娠した場合は、排卵と月経周期の抑制をプロゲステロンの作用によって行なうとされています。
少し難しい話も入ってきましたが、この2つのホルモンが女性の月経周期をコントロールしています^^。
また月経というのは、妊娠の準備ということがありますが、
妊娠についてのこれらのホルモンの働きを少しお話すると・・・
エストロゲンによって未熟な卵胞から成熟な卵胞になって、熟したものから卵子が出てきますよね。
卵子が出てきて、精子と受精をし、子宮内膜に受精卵となってうまく着床すると赤ちゃんが生まれてきます。このエストロゲンは、卵胞から出てきて、最終的に卵子を出して、子宮内膜を分厚くして、着床しやすいようにふかふかにしていく赤ちゃんのためのベット作りという役割があります。
その後、一旦エストロゲンが減って、なぜに次のプロゲステロンが出てくるかとういうと、受精卵が着床しやすいように栄養を送るためなのです。
プロゲステロンは、血流量を多くして、子宮内膜に受精卵のための栄養を送る役割があるのです。
エストロゲンはベット作り、プロゲステロンは受精卵のための栄養作りというわけですね。
ちなみに子宮の中に受精卵が着床しなかった場合、子宮内膜は捨てられ、これが月経の出血になるというお話はしましたが、もし、妊娠すると、プロゲステロンが増えて、子宮内膜は排泄されません。
妊娠期が進むとプロゲステロンは胎盤で作られるようになり、量も増え、胎児の発達が可能になります。
妊娠中の多い時期にはプロゲステロンは300〜400mgにもなると言われています。
すごいですよね^^。
プロゲステロンが子宮を妊娠可能な状態に準備するためには、エストロゲンとの適切な比率が必要です。エストロゲン-プロゲステロン比におけるエストロゲン過剰はプロゲステロンの作用を抑制します。しかし、エストロゲン作用もまたプロゲステロンにより抑制されます。
このように、エストロゲンとプロゲステロンの相対量による相互作用が多くの影響を起こすことになっているのですね。
エストロゲンとプロゲステロン比は大変重要です。もしもエストロゲン過剰で肝臓障害が存在する場合、下垂体のプロゲステロン合成に対する欲求により、プロゲステロンが作られますが、同時にエストロゲンを増加させうる可能性もあります。
これはプロゲステロンがエストロゲンはもちろん様々なホルモンの前駆物質であるということがあります。
この話はまた後ほどにでも^^。
とにかく、生理前症候群PMSについてお話するのに、この2つのホルモン、そしてホルモンのバランスはとても重要になります。
エストロゲンが過剰になっても、プロゲステロンが過剰になっても特徴的なPMSの症状が起こると言えます。このことについてはこれからしっかり話していきますね。
小菅一憲