結膜炎は白目に症状が現れるため、ちょっとした充血でも心配になることが多いようです。原因としては、細菌性、ウイルス性のほか、花粉やハウスダストによるアレルギー性が挙げられますが、症状は類似しているため、自分で判断するのは難しいものです。また、角膜に近い非常に敏感な部分なので、症状が進行すると角膜潰瘍を患ったり、ドライアイなど他の疾患を併発したりと、さまざまな影響を及ぼします。間違った判断で対処すると、なかなか治らなかったり、人にうつしてしまったりするため、気になる症状があれば受診して早めに対応することが大切です。
「学校保健安全法」により、ウイルス性結膜炎に感染した場合、主要症状が出なくなった後2日を経過するまでは出席停止となります。
ウイルス性結膜炎(うつる)
ウイルス性の結膜炎は「はやり目」ともいわれ、非常に感染力が強い種類の場合、家族全員にうつることも少なくないので注意が必要です。ほとんどの場合、目に触れた手やタオルの使い回しなどから次々とうつります。感染を予防するには、よく手を洗うことが基本です。
ウイルス性の結膜炎は特効薬がなく、症状を抑える対処療法となります。症状が軽くなってもウイルスはまだ残っていますので、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
流行性角結膜炎
アデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなどで、検体を採取して確認します。いずれも他人からウイルスが体内に入って発症します。家族内での感染はもちろん、学校内の集団感染(出席停止)を招くこともあります。
ウイルスが感染して7〜14日間の潜伏期の後に発症します。結膜が充血し、目やに、涙が自然に出て、ゴロゴロした目の痛みがあります。重症化すると、角膜潰瘍を起こすこともありますので早めに処置するなど注意が必要です。
咽頭結膜熱(プール熱)
夏に流行する急性のウイルス感染症です。多くは飛沫による感染で、手指を介した接触感染、タオルの共用などによる感染も見られます。家族は室内でもマスクを装着、タオルを分けるなど注意が必要です。プールで感染することもあるため「プール熱」と呼ばれます。
ウイルスが感染して5〜6日間の潜伏期の後に発症します。発熱、咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎が主な症状です。38℃〜40℃の高熱が出ますが、通常は数日の経過で治ります。成人での発症は少なく、5歳以下が全体の約80%を占めています。
アデノウイルスが死滅するまでに10日〜20日間かかるといわれています。そのため、感染者が触れたものなどには十分な注意が必要です。
- ハンカチ、タオル、洗面用具などは家族と別にする
- 感染者がふれた後のドアノブや蛇口はさわらない
ようにし、消毒用アルコールで何度も拭く - 家族とは部屋を別にする
- 使い捨てのペーパータオルを使う
- 使ったペーパータオルやティッシュは袋に入れて封をして捨てる
- 使ったタオル、ハンカチは90℃の熱湯で5秒、煮沸消毒する
- 煮沸消毒できない場合は、家庭用ドライヤーで1分間、熱風を当てて加熱する
- 入浴や洗髪は症状がおさまるまで控え、シャワー程度にとどめる
入浴する場合は、家族の最後に入り、すぐに浴槽の栓を抜いてきれいに洗い流す - 衣類を洗濯するときは、部屋干しをしない
院内感染を防ぐための配慮をしています
ウイルス性結膜炎はとても感染力が強いため、ひらばり眼科では、他の患者さまに広めないよう、優先的に診察するなど速やかな対処を心がけています。急に症状の変化がある場合、家族にも似た症状の見られる場合は、ウイルス性結膜炎の可能性がありますので、受け付けでお申し出ください。
アレルギーによる結膜炎(うつらない)
アレルギー性結膜炎
主な症状は、目のかゆみ、充血、目のはれなど。かゆいからといって何度もこすったり、強くたたいたりすると、目を傷つけ、症状を悪化させて別の疾患を招くこともあります。症状がなかなか良くならない原因のひとつとして、ドライアイ、コンタクトレンズ装用、アトピー性皮膚炎(眼瞼炎)のほか、いくつかの原因が重なっている場合も見られます。
治療は主に点眼薬を使いますが、症状が悪化してからでは薬も効きづらく、症状はなかなか改善しません。花粉が飛散する2週間くらい前から薬物療法を始める「初期治療」の場合、発症時期を遅らせる、症状を軽くする、薬剤の使用を少なくできるなど、多くのメリットがあります。
- 花粉症というと「耳鼻咽喉科」に受診する方も多いですが、鼻炎に目に症状が強く出る方は眼科で受診することをお勧めします。眼科では、アレルギー性結膜炎の点眼薬を豊富に揃えており、一人ひとりに合った(相性の良い)点眼薬を処方することができます。
<目のかゆみを和らげるには>
- 点眼薬を使用する前に、人工涙液などで抗原を洗い流す
- 水道水での洗眼は避ける(塩素による刺激を避けるため)
- 市販の目洗浄カップ液での洗眼は避ける(多くは防腐剤入りで、カップ液自体がアレルギーの原因になることがあるため)
- 冷たいタオルで冷やす
その他の結膜炎(うつらない)
うつるタイプの結膜炎(ウイルス性)との見分けは非常に難しく、自分で判断しないことが大切です。眼科で検査を受け、正しい治療を受けましょう。
細菌性結膜炎
ブドウ球菌、淋病、連鎖球菌、肺炎球菌など、さまざまな細菌が原因となって起こります。体力が落ちて抵抗力が低下したときにかかりやすい病気です。充血、ウミをもった目やに、流涙が起こります。細菌による結膜炎はほとんどの場合、抗菌点眼薬によって1週間程度で症状が治まります。
急性結膜炎
急激に起こる炎症で、症状としては充血、かゆみ、まぶたの裏側のブツブツ、目やになど。冬の冷たいが刺激になったり、ドライアイが影響したりと、原因はさまざまです。
慢性結膜炎
急性結膜炎の軽い症状が長く続く状態。ドライアイを患っている人、抵抗力が落ちている高齢者に起こりやすいといえます。
- 結膜炎が重症化すると、角膜潰瘍といって、角膜に傷がついたり、うみがたまったりして、激しく目が痛むこともあります。目に何かがささる、ドライアイの場合に引き起こされることもあります。検査結果が出たら、すぐに適切な抗生物質を投与します。
出 血
結膜下出血
結膜下の小さい血管が破れて出血したもので、痛みなどはありません。くしゃみ・せき、過飲酒、月経など原因はさまざまです。白目部分がべったり赤く染まるため、驚かれる方も多いですが、眼底出血ではないので慌てないこと。出血は1〜2週間ほどで自然に吸収されますので、ほとんどの場合心配はいりません。