いろいろなコケとその対策

水槽に生えるコケはいろいろな種類があります。

ここでは、その種類別の対策を考えます。

 

海水水槽で生えるコケで、主な種類は、

茶ゴケ(珪藻)、赤ゴケ(藍藻)、緑ゴケ(緑藻)、石灰藻があります。

 

 

 

~茶ゴケ~

 水槽壁面やライブロックに生える、茶色いコケです。

 ほとんどが珪藻で、ガラスと同じ‘ケイ酸’の骨格

 を持っています。

 人工海水の塩を溶かす水に

 ケイ酸が多く含まれている場合は、

 常時発生しやすいコケです。

 また、水槽セット直後~半年程度までの、

 水質が不安定な期間や、

 硝酸やリン濃度が高い場合に大発生することが

 多いです。

 

 茶ゴケ自体は、

 タンクメイトへの害はほとんど無いのですが、

 2-3日に1回のコケ掃除をしなければ、観賞の妨げになってきます。

 これは、水質に問題があると思いますので、何らかの対処を行いましょう。

 ろ過システムに対して、

 餌や魚の量が多すぎるか、ケイ酸過剰が原因と思われます。

 

 対策

 水槽をセットして時間が経つと、自然に落ち着いてくる場合が多いのですが、

 条件によっては悪化していくこともあります。

 手軽な順に対策を述べます。

 ●ライブロック導入時に、ライブロックの掃除をしっかり行っておく。

 

 ●シッタカガイ、ヤエヤマギンポなどの小型ギンポに

   食べてもらう。

   海道システムでは、

   小さめのシッタカガイ3匹+ヤエヤマギンポ1匹を

   入れておけば、

   水槽壁面の茶ゴケ掃除の手間は

   半減すると思います。

   ただし、シッタカガイは、

   サンゴを転がしてしまうリスクが高いものです。

   サンゴをしっかり安定させておくか、

   水中ボンドで岩組みに接着してしまいましょう。

   水中ボンドは、観賞魚用ものをお使いください。

 

  ●魚だけの水槽では照明を暗めにし、

   点灯時間を短めに、8時間程度にする。

 

  ●サンゴが入っている水槽の場合、

   好日性サンゴと魚のバランスを考え、魚を少なめにして、

   茶ゴケの原因になる、魚の排泄物から出る窒素やリンの量を

   サンゴが吸収しきることができる量に抑える。

 

  ●コケ防止剤である、コーラルライフの‘マリンタンククラリファイヤー’を使ってみる。

  

  ●‘シリケイトリムーバー’‘フォスフェイトリムーバー’のような

   ケイ酸、リン酸吸着ろ材を使用する。

   ただし、これらのろ材は微量元素の一部も吸着するので、規定量を守って使いましょう。

   当社の試験では、規定量の2倍量の使用で、

   サンゴや海藻がいっせいに調子を崩し、 回復に1ヶ月程度かかってしまいました。。

 

 

 

 

~赤ゴケ~

 ラン藻の仲間で、

 「シアノバクテリア」と呼ばれることもあります。

 ほかのコケとは違い、核膜を持たない、

 細菌(バクテリア)に近い藻類です。

 太古の地球で最初に光合成を行った生物は、

 このラン藻でした…

 強靭な生命力は

 水槽内でも遺憾なく発揮されます。

 困ったことです。

 

 水質が不安定な、設置して間もない水槽のみならず、

 設置後、数年が経過したような水槽でも発生します。

 餌をたくさん与える魚水槽や、

 サンゴの入った水槽では、ヘドロが溜まりやすい水流の よどみ に発生しやすいです。

 つまり、有機物が蓄積されると発生しやすいコケ、と考えることができます。

 

 この赤ゴケが発生すると、赤紫色の薄い膜が、底砂やライブロック表面を覆います。

 条件がそろってしまうと、成長の速さは茶ゴケ以上!という厄介者です。

 

 対策

 ●水槽壁面に生えた赤ゴケは、

   シッタカガイ、ヤエヤマギンポなどの小型ギンポに食べさせる。

   前章をご参照ください。  

 

 ●底砂の上に生えた赤ゴケは、

   マガキガイ、ミズタマハゼのようなベントス食のハゼ(カニハゼ以外)、

   小型のナマコに掃除をしてもらう。

   特に、ハゼの効果はテキメンですが、底砂に深い穴を掘るので、

   ライブロックのレイアウトが崩れないように注意します。

   私達の試験水槽では、即効性は無いのですが、マガキガイを1-2匹

   入れておけば、1月もするとだいたい治まりました。

 

 ●こまめにコケを吸い出す。

  しかし、他の要因が改善されないと、またすぐに生えてきます。

 

 ●水流ポンプを追加して、水流の よどみ を減らす。

 

 ●給餌量、または魚の量を減らす。

 

 ●アンチレッド(赤ゴケ抑制剤)を使用する。

 

 

 

 

~緑ゴケ~

 緑藻の仲間です。

 ウミブドウなどの観賞用海藻の多くも、

 この緑藻の仲間です。

 緑ゴケは、

 水槽をセットして

 数ヶ月~半年ほど時間が経って、

 水質が安定してくると出てくる場合が多いです。

 水槽壁面にポツポツと付く硬いもの、

 糸状のもの、鳥の羽状のようなものなど、

 いろいろなタイプがあります。

 

 成長は、茶ゴケや赤ゴケほど速くはないです。

 そのため、大量発生にいたることは稀なのですが、

 茶ゴケや赤ゴケよりも硬いので、拭き取りにくいです。

 このコケの発生は、水質がほぼ良好な状態に保たれている証なので、

 予防、というよりは、掃除方法を工夫しましょう。

 

 対策

 ●水槽壁面に生えた緑ゴケは、

  シッタカガイ、ヤエヤマギンポなどの小型ギンポに食べさせる。

  前々章を参照ください。

 

 ●コケ掃除用具で、週1回程度の清掃を行います。

  コケ取り用のスクレーバー状の工具が市販されています。

  ガラス水槽の場合は、1000番の耐水紙やすりを使うと、割と楽に緑ゴケを落とせます。

 

 

 

 

~石灰藻~

 石灰藻は、ほかのコケとは違って、

 どちらかといえば、歓迎されるコケです。

 水槽壁面やライブロック表面に生える、

 赤やピンク色をもつ石灰質のコケで、

 別名サンゴ藻とも呼ばれます。 

 硝酸や、リン酸が少なくて清浄で、

 かつ、カルシウム、微量元素が豊富な水質で

 よく成長します。

 

 このコケが安定して生える水槽は、

 石サンゴ飼育に適した水質になっている、と言え、

 かつ、美しいので、

 そのための添加剤「カリブシー・パープルアップ」もございます。

 

 対策?

 

 このコケは、観賞価値が高いので、

 水槽前面や側面に生えた部分だけを

 除去すれば良いのです。

 しかし、このコケは、

 一般に市販されているような

 柔らかいコケ取り器具を使って取り除くことは

 困難です。

 かたいスクレーバー状のコケ取りや、

 耐水紙やすり(1500番)だと取り除けますが、

 これらは、アクリル水槽に傷をつけるので

 注意が必要です。

 つまり、

 石サンゴを本格的に飼育される場合は、

 ガラス水槽を選ばれる方が無難と言えますね。