もし、あなたが「コレステロール」という言葉を聞くと、何を思い浮かべますか?
肥満、動脈硬化、心臓病、脳卒中、ダイエットの敵・・・などなどネガティブなイメージが浮かんできませんか?
実際、「最近、病院で血液検査をしたら、コレステロール値が200mg/dlを超えで、担当の先生から食事制限と運動しろって言われたの・・」とか、コレステロールには避けるべき悪者としてのイメージが定着してますよね!
しかし、いつも悪者扱いされているコレステロールは、実は人間が生きていくうえで必要不可欠なものでもあるのです!
そこで今回はコレステロールに関する疑問と真実、上手な付き合い方などについて、さまざまな角度から書いていきます。
コレステロールとは?
コレステロールは、三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)のひとつである脂質の仲間で、ヒトの体の中でとても重要な働きをしています。
コレステロールは、1785年に人の胆石の中から発見されましたが、当初から動脈硬化と関連があると考えられ、悪玉のイメージがありました。
しかし、その後さまざまな研究がされ、60兆もある人間の細胞の膜を構成している、血管や神経を保護する役目がある、また、性ホルモン(ステロイドホルモン)などのホルモンやビタミンDなどの原料にもなっていることが解っています。
このように、コレステロール自体は決して悪者ではなく、ヒトが生きていくために必要不可欠な物質なのです。
最近は、コレステロールが高いことだけが問題視される傾向がありますが、コレステロールが低過ぎても、うつ病、ガン、パーキンソン病などのリスクを上昇させると言われています。
コレステロールの種類
コレステロール(脂質)は油なので水には溶けません。そこで、コレステロールを血液の中に溶かして運ぶためには、特別な形の輸送船が必要になります。
この輸送船はリポタンパクと呼ばれ、血液中のコレステロールは、リポタンパクという輸送船に乗って血液の中をめぐっています。
病院の検査項目でもある血液中のコレステロール(リポタンパク)は、大きく分けると次の2つに分類されます。
LDL(悪玉コレステロール)
血液中のコレステロールは、比重の重さによって分けられます。
比重の低いコレステロールは、LDL(低比重リポタンパク)と呼ばれています。
血液検査を受けた時のLDLコレステロールの値は、LDL値=mg/dl(100mlの血液中のLDLコレステロールの量mg)として表されます。
LDLの役割は、肝臓からコレステロールを体の隅々まで運ぶことですが、LDLが増えすぎると、血液中のコレステロールが増えて動脈硬化を促進するため、悪玉コレステロールと呼ばれています。
HDL(善玉コレステロール)
比重の高いコレステロールは、HDL(高比重リポタンパク)と呼ばれます。
血検査を受けた時の、HDLコレステロールの値も、LDL値と同様に、HDL値=mg/dlとして表されます。
HDLは、体の隅々の血管にたまった余分なコレステロールを掃除して肝臓に運び、動脈硬化の防止の役割をするため、善玉コレステロールと呼ばれています。
*善玉コレステロールを増やす食品に関してはこの記事をご参考下さい!
LH比とは?
LH比とは、血液中のLDL値÷HDL値で示される比率のことです。
これは、別の言い方をすると、悪玉値÷善玉値=血液中の悪玉コレステロールの占める割合です。
つまり、LH比が高いほど、血管中の悪玉コレステロールの比率が高く、善玉コレステロールの割合が低くなります。
例えば、 LDL値が135mg/dlで、HDL値が45mg/dlとすると、「135÷45=3.0」 で、LH比は3.0となります。
この場合、LDL値もHDL値も、個別に見ると正常の範囲で問題はないなと思いますよね。
しかし、LH比=3.0という比率は、かなり動脈硬化が進んだ状態で危険!と考えられます。
では、どれくらいの値であればいいのでしょうか?
LH比=1.5以下が健康的な状態だと言われています。
酸化LDLとは?
金属が錆びたり、食べ物が古くなっていくことを酸化といいます。酸化という現象は、呼吸をして生きている私たちの身体の中で常に起こっています。
血液中のLDLコレステロー ルは、活性酸素(=さまざまな老化現象を引き起こす真犯人)などの攻撃を受けると酸化LDLに変化します。
酸化LDLは、動脈硬化の原料になり、また、直接血管を傷つけます。そして、心臓病や脳卒中などの病気の原因にもになる悪玉コレステロールのボスです。
*動脈硬化などが原因となる心臓病については、次の記事をご参考ください!
動脈硬化を防ぐには
心臓病などの生活習慣病の予防には、食事制限などで総コレステロール値を下げることが一番だと信じている人が、いまだに多いと思います。
しかしながら、実際には食物から摂れるコレステロールの量は、全体の20%ほどで、体内のコレステロールの80%は肝臓で合成されます。
しかも、日本脂質栄養学会が発表した、延べ17万人を対象とした研究では、総コレステロールが高いグループのほうが、低いグループより長生きをしたという結果が報告されました。
この結果を聞くと、「どうして?」と首をかしげる人が多いと思いますが、重要なポイントは、動脈硬化の原因となるLDL値を単に下げることだけではなく、LDL自体の酸化を防ぐことなのです。
つまり、抗酸化(活性酸素から酸化を防ぐ)の面からの動脈硬化の予防と治療です。
例えば、タバコを吸う人は、吸わな人に比べ、LDLを酸化されやすい状態にあります。
この場合、タバコを吸う人に抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEを摂ると血中の酸化LDLの値が改善しました。
活性酸素などの酸化の攻撃因子とビタミンその他の抗酸化による防御因子のバランスが保たれれば、LDLの酸化を防ぐことができます。
食品に含まれる抗酸化成分
- ビタミンC:オレンジ・キウイ等
- ビタミンE:ナッツ類・かぼちゃ等
- リコピン:トマト・スイカ
- セサミノール:ゴマ
- ポリフェノール:ブルーベリー・ビルベリー・赤ワイン・ココア等
- フラボノイド:豆類・玉ねぎ
- カテキン:緑茶
- イソフラボン:大豆・納豆
その他の要因
過剰なアルコール摂取や心理ストレスなども活性酸素が体内できやすくなる要因となっていますので、生活習慣の改善やストレスのマネージメントが大切です。
無理のない軽い運動を規則的にすることは、ストレスの改善や抗酸化にも大変効果的です!
まとめ
コレステロールには悪者のイメージがありますが、コレステロール自体は必要不可欠なものです。
動脈硬化の一番の原因は、酸化LDLで、コレステロール値だけでなくLH比を見る必要があります。
動脈硬化の予防には抗酸化食品の摂取と生活習慣の改善が基本です。
*ダイエットや生活習慣病予防に効果的な食べ物に関しては、次の記事をご参考ください!