顔の部分的なシミはスポット的な美白美容液が最適
美白化粧品には、化粧水、美容液、オールインワンなどいろいろな種類があります。その中でも、もっとも美容効果が高いと考えられるのが美白美容液です。
化粧水で肌にうるおいを与え、整った状態の良い肌に美容液の美白成分を浸透させるのが、美白効果を高めるのに最適な方法です。
それも、顔全体に塗った上で、スポット的に美容液を重ね塗りするのがおすすめです。
というのも、顔には見えているシミだけでなく、数か月から数年後にシミとして現れるシミ予備軍もあるからです。シミ予防のためには、一見きれいな素肌であっても美白成分を与えておくことが大切になります。
その点からも、顔全体に塗り、さらにスポット的に重ね塗りできる美白美容液は有効と言えるのです。
シミ消しのカギはハイドロキノンという成分
シミ消しに有効な成分として、一目置かれているのがハイドロキノンです。
ハイドロキノンは、還元作用を持っていて、写真の現像の際の還元剤、ゴムの酸化防止剤などの用途で用いられてきました。
アメリカでは、シミの治療薬として昔から使われていますが、日本では規制が厳しく、2001年の薬事法規制緩和まで使用ができませんでした。
ハイドロキノンは、2つの方法でシミを薄くします。
「肌の漂白剤」と呼ばれるほど強い還元作用により、できてしまったシミにもよく効きます。
ハイドロキノンのシミを作らない仕組みは、次のようになっています。
肌に刺激を受けると、脳から指令が出て、肌の奥にあるメラノサイト細胞が動き始めます。
酸化酵素チロシナーゼがアミノ酸のチロシンを活性化し、数段階の反応を起こして黒色に変化します。
ハイドロキノンは、この酸化反応を還元する力を持っています。そのため、黒く変化して出来上がったメラニンを還元して元の無色の状態に戻すことができるのです。
シミ予防として、シミを作る元となるメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、メラノサイトを作る細胞も減少させるはたらきがあります。
ハイドロキノンは、メラニン生成を行うメラノサイト細胞にも作用し、メラノサイト細胞を減少させる効果もあります。そのため、シミの元となるメラニン生成がそもそも行われなくなり、シミを作らなくなるわけです。
これが本当なら好都合ですよね。でも、実際には喜んでばかりもいられません。使い方を間違うと、肌が白くなりすぎることもあるからです。
ハイドロキノンは美白効果がきわめて高い成分である反面、刺激が強いため、肌に影響を与えやすくなっています。
容量を守らずに使い過ぎると、白くなりすぎる、肌が乾燥して肌荒れが起きやすくなる、という難点があります。ハイドロキノンは使用量と使用方法を守ることが大切です。
また、昼間、肌につけておくと、紫外線から肌を守る機能が低下した状態で過ごすことになるので、かえって肌を傷めることになります。
ハイドロキノン配合の化粧品は夜使うほうが安全ですが、昼間使う場合は、日焼け止めをしっかり塗っておくことが不可欠です。
トラネキサム酸もシミ消しに有効
トラネキサム酸は、アミノ酸の一種で、メラニン生成を抑える作用、炎症を抑える作用があります。
医薬品として、止血剤やのどの風邪の処方薬として用いられてきましたが、1979年に肝斑への効果が知られるようになり、肝斑治療薬として用いられるようになりました。
現在では、肝斑だけでなく、肌荒れやシミを改善する薬として使われるほか、美白化粧品にも配合されています。
トラネキサム酸の美白の仕組みは次のようになっています。
トラネキサム酸には、メラニン生成を引き起こすための情報伝達物質プロスタグランジンをブロックする作用があります。
そのため、メラニンを作るメラノサイト細胞自体の活動が抑えられ、シミやそばかすが予防できるのです。
肝斑に関しては、肝斑に影響があると考えられている酵素プラスミンの活動を抑える作用があり、処方薬にも用いられています。
アルブチンもシミを効果的に防ぐ
日本では、2001年までハイドロキノンの規制が厳しかったため、ハイドロキノンを真似た成分が開発されました。アルブチンもその1つです。
アルブチンの美白作用は、メラニン生成に必要な酵素チロシナーゼのはたらきを抑える、というのが基本的な作用です。
ですが、体内に入るとアルブチンの成分の一部は分解され、ハイドロキノンと同様の還元作用も発揮し、できてしまったメラニンを無色化することができます。
なお、アルブチンには2種類あります。
美白効果がやや弱いβアルブチンは、ウワウルシなどの植物に含まれる天然成分です。現在、美白化粧品の成分として注目されているのは、人工的に開発されたαアルブチンです。
αアルブチンは、日本の食品メーカーとスイスの企業による共同研究開発によって生まれた成分ですが、原料は、コケモモや梨などの植物です。
これらの植物にもともと含まれる成分に独自の配糖化技術を用いてハイドロキノンとブドウ糖を結合させ、作られています。
βアルブチンよりも低刺激で肌になじみやすく、美白効果も約10倍あるとされていますから、最近の化粧品の多くは、αアルブチンを活用しています。
敏感肌の方が美容液を使う際に注意すべきことは
敏感肌の場合、美白目的で美容液を使う場合、注意したほうが良いことをまとめておきましょう。
敏感肌の人には、美白成分が配合された化粧品は刺激が強いというのが定番でした。
敏感肌の場合、肌表面の角質層が荒れてすき間ができており、せっかくの美白成分が効果的に浸透しないばかりか、荒れた肌に刺激になり、肌の状態を悪化させてしまうこともあるのです。
でも、最近は敏感肌に配慮した化粧品も販売されるようになりました。
ただし、低刺激の化粧品は、肌には良いですが、美白効果が劣ることがあります。
究極の敏感肌用の化粧水は水、という言葉もありますが、つまり刺激のなさを求めていくと効果の強さも奪われるというジレンマに陥るのです。
とはいえ、いったん肌荒れが起こると回復するのに時間がかかるので、肌が敏感な人は、初めから低刺激の美容液を使うほうが無難です。
万が一肌荒れが起きた場合は、使用を中止して早めに肌を回復させましょう。
どこまでの強さに肌が耐えられるのか、効果と刺激性のバランスを見極めていくことが敏感肌の美白には大切なことです。