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手湿疹は、ドライスキンの手にいろんな外的刺激またはアレルギーが原因となって起こります。

外的刺激が原因の時、昔からよくいわれる、いわゆる皮膚が弱いという状態です。

刺激が原因のときの症状は、主婦の場合、普通利き手の右に強く、触って起きているときは手のひら側の指に現れます。
症状が強くなると、指全体に拡大し、手のひらにまで広がります。
洗剤の液の中で何かしていると、ぬかみその中に手を突っ込むと、皮膚の角層が薄い指の背側に症状が強くなり、手背にもできてきます。

清潔主義で常に消毒・セッケンを使って洗っていると、それだけで手に湿疹ができます。
このときはほぼ対称性です。

刺激による湿疹のときは、かゆみは、それほど強くありません。
かゆみが強くなってきたときは、何らかの接触したもの(外用剤を含めて)によるアレルギーが加わったと考える必要があります。

指の背部に湿疹が続くと、皮膚が古くなったゴムのように硬くなります。
そうなると、皮膚は伸びにくいために、曲げると割れて、亀裂(きれつ)ができ、結構痛くなります。

手の湿疹にゴムの手袋を直接はめると、しばしばラテックスや塩ビや可塑剤のフタル酸エステルのアレルギーが生じ、手背などにかゆみを伴った接触皮膚炎がプラスされます。

子供の場合、加わる刺激としては、
・手の洗いすぎ、セッケンの使いすぎなどが多く(大人でもありますが)、
・遊びの中で触っているもの、
・たとえば、砂場の砂、粘土、バットやグローブ、鉄棒、ボール、テニスラケット、自転車のサドル(大人では自動車のハンドル)などです。
そこに、アレルギーの要因が加わることがあります。
・草むしりして生じる草の接触皮膚炎、
・グローブの皮革に含まれる金属クロムなどによる接触皮膚炎、
・粘土の防腐剤の接触皮膚炎
などです。

大人の手のアレルギー性の湿疹としては、
・草花(サクラソウ、キク、球根類、アネモネ・ラナンキュラスなど)、
・犬猫などのペット類、
・ゴム手袋、
・薬剤(農薬、肥料など)、
・安物の指輪の金属、
・ハンドクリーム
・ステロイド外用剤
などが原因になります。

女性の手湿疹で手背に強いタイプは、しばしばいろんな外用剤で接触皮膚炎を起こしている可能性があります。
成人男性が手に湿疹ができたときは、とにかく仕事か趣味で触っているものを考えるべきです。

両手にほぼ対称性に同じように湿疹ができたときは、原因は外的なものではなく、内的なものも考えるべきです。
最も多いものは、扁桃炎などの病巣感染ですが、歯科金属などアレルギー、自己免疫的要因なども考えられます。

しばしば上下対称、すなわち手足とも同じような湿疹ができることがあります。
特に、足底の水疱を伴ったようなかゆみのある湿疹は、掌蹠膿疱症に近いものかもしれません。
とにかく感染症後にできやすい傾向があります。

 
治療としては、刺激が原因のときは、二重の手袋をするなど、まずその刺激を減らす工夫をすることです。
アレルギーが原因のときはそれを除くことです。

洗いすぎているとき、消毒液を使いすぎているときは、まずその生活習慣を止めることです。
というものの、簡単に止められない患者さんがたくさんいます。

刺激が原因の時は、ワセリンやハンドクリームで保湿するのもよいかもしれません。

それでよくならなければ、ステロイド外用剤です。
が、原因・悪化要因を除かないまま強いものを使っていると、どんどん皮膚が薄くなり、ますます治りにくくなります。

亀裂のところにステロイドのテープ剤が用いられます。
あまり長くつけたままにしておくのは、よくありません。
テープが刺激になり、白く浸軟してかえってよくありません。

慢性のアレルギー疾患全般に言えることですが、もし原因がはっきりせず、あるいは除くことができなければ、ひどくならない程度の弱い治療で経過を見るべきです。
早い話、主婦や水仕事が止められないのであれば、ワセリンを併用しながら、VW--1程度の外用剤で我慢です。

尿素タイプ(尿素が10%入りと20%入りの二種類があります)は好き嫌い、合う合わないのある保湿剤です。
亀裂が少なければよいのですが、どうしても刺激感があり、ステロイドを使いすぎて角層の薄くなっている患者は合わないようです。
尿素軟膏は、手背に症状が少ない刺激性の皮膚炎向きです。
角層が分厚くなっている足底には向いています。

保湿剤として、ワセリンがべとべとして嫌いで、他にないということで、ヒルドイドソフト・ローションがよく使われています。
保険を使えば3割負担で市販のものよりは安いようですが、ハンドクリームとしては高価で、接触皮膚炎には用心が必要です。

手湿疹がステロイド外用剤でよくならないとき/かえってひどくなるときは、カンジダや土壌真菌などの真菌(カビ)が手に繁殖していると考えるべきです。

特に、手の一部に説明できない湿疹部位があるとき、接触皮膚炎とはとても考えられない孤立した発疹部位があるときは、恐らくカビが合併しています。

手にカビが付くと厄介です。手は水仕事などの刺激が多く、露出しているために、簡単に引っ掻いたり触ったりします。
また、手湿疹の上にカビがのっている時は、特に厄介です。


なぜなら、ステロイド外用剤は湿疹はよくなりますが、正常免疫を低下させるために、カビは増えます。抗真菌剤だけを外用すると、カビは減りますが、湿疹はむしろ悪化します。

ということで、最初弱めのステロイド外用剤と抗真菌剤の両方を同じところにに外用し、湿疹が軽くなれば、抗真菌剤だけにするのがよいでしょう。

しかし、カビがアレルギーの原因になり湿疹をつくっている時は、難物です。
また、抗真菌剤がもっぱら足白癬用に開発されただけに、必ずしも土壌カビに効果があるとは限りません。
効かなければ、系列の異なる抗真菌剤を試すか、抗真菌剤の内服しかない場合もあります。


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