目の周りにはステロイドを塗るべきではない重大な理由とは
投稿日 最終更新日 2017/05/24
目のまわりのアトピーの皮膚炎が出ているとき、「まぶたにステロイド塗っても平気なのかな?塗っちゃいけないのかな?」のように不安に思うことってありますよね。
私の場合、目の周りのアトピーが長引いているときに、「怖いな・・」と思いながらも、ほぼ毎日ステロイドを塗っていました。
でも、ステロイドをまぶたに塗るリスクについて調べてみると、かなり怖い情報を発見。
それ以降はステロイドを塗るのをやめて、別の方法でまぶたのアトピーを治しました。
その「怖い情報」というのは、緑内障のリスクがあるということです。とくにその皮膚炎が慢性化している場合には。
ということでこの記事では、緑内障リスクの詳細と、ステロイドを使わずにまぶたのアトピーを改善する方法についてお話ししたいと思います(根拠となる参考文献もご紹介しています)。
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目の周辺にステロイドを塗ると緑内障リスクが高まる
アトピー患者には緑内障が多いことが知られていますが、その理由は主に
- 目の周辺を掻く・こする・叩くことによる物理的刺激
- まぶたに塗ったステロイド成分による眼圧上昇
の2つです。
まずは1つ目の原因について。
まぶたのアトピーがひどいときって、目の周りを掻いたりゴシゴシとこすったりしたくなりますよね。
また、「掻いちゃダメだ…」と思うせいか、ペシペシと叩いてしまうこともあるはず。
こういった物理的刺激が続くと眼球は深刻なダメージを受けてしまい、それが原因で緑内障を発症してしまうのです。
ちなみに、緑内障だけでなく白内障も同じ仕組みで発症するリスクがあります。
そして、アトピー患者の緑内障のもう1つの原因が、まぶたに塗ったステロイド外用薬の影響です。
この点について、アトピー治療のステロイドについての専門書から引用します。↓
ステロイド外用薬の副作用としてもっとも重篤なのは緑内障である。
ステロイド薬の点眼や内服が眼圧上昇を惹起することはよく知られているが、外用薬でも眼圧上昇を起こす。
AD※1に伴う眼瞼炎※2の治療のため、皮膚科用ステロイド外用薬または眼科用ステロイド外用薬を眼瞼に塗布することによって生じる。
…(中略)…
ゆえにステロイド外用薬を力価※3がウィークなものであれ、長期間漫然と眼瞼皮膚に塗布することは避けなければならない。…(中略)…
症状を訴えなくても眼圧が上昇していることがあるので少なくとも2~3ヶ月に一度は眼科受診させ眼圧測定を受けることを指導するほうがよい。
『アトピー性皮膚炎治療のためのステロイドパーフェクトブック』p164~165
Atopic Dermatitis(アトピー性皮膚炎)の略です。
瞼(まぶた)の炎症のことです。
ステロイド外用薬の強さのレベルのことです。弱い順にウィーク・マイルド・ストロング・ベリーストロング・ストロンゲストの5段階があります。
ステロイド外用薬をまぶたなどの眼の周辺の皮膚に塗ると、ステロイド成分が眼の中に浸入してしまいます。
すると眼圧上昇という現象が起こり、これが緑内障の発症につながってしまうのです。
緑内障は、発見が遅れると視野が欠けたり最悪の場合には失明してしまう重大な病気です。治療のために手術が必要となるケースも多いです。
アトピー治療で緑内障になるのはイヤですから、私は目の周りにステロイドを塗るのをやめたわけです。
ただ、まぶたのアトピーにはステロイドは一切使わないほうがいいのか?と言えば、そんなこともありません。
まぶたにステロイドを塗っても良いケース・ダメなケース
目の周辺のステロイドが緑内障につながるのは、長期間にわたって塗り続けたケースです。
ステロイドを塗る期間が短ければリスクは小さいです。
たとえば、まぶたの炎症(アトピー以外)で眼科に行くと、「治るまで2,3日塗って下さいねー」というノリでステロイド外用薬がごく普通に処方されます。
このように、ステロイドを塗ればすぐに皮膚炎が治る、というケースではステロイドは塗るべきです。
ステロイドを使う期間が短いため、緑内障の心配は要らないからです。
一方、目の周りのアトピーが慢性化していて、ステロイドを塗り続けている場合には話が変わってきます。
ステロイドを塗る期間が長くなるので、緑内障の危険性が出てくるからです。
まぶたにステロイドを塗っているけどなかなか治らず、1ヶ月以上塗り続けている。
こんなケースでは、ステロイド以外の治療法を考えたほうがよいと思います(その方法はこれからお話しします)。
逆に言えば、アトピーであっても、
- ステロイドを塗れば短期間で治ることが経験的に分かっている
- まぶたにアトピーが出ることはあまり無い。たまに、という程度
というケースでは、ステロイドを長期間つかうことにならないので、塗っても問題は無いと思われます。
まとめますと、以下のようになります。
- ステロイドを塗る期間が短くて済むケース
→ 塗ってもOK。アトピー以外の炎症、慢性化しないアトピーなど - ステロイドを塗る期間が長くなるケース
→ 緑内障を避けるために塗らない方が安全。慢性化したアトピー
目の周りにステロイドを塗っている期間が長引いている場合、いちどお医者さんに相談してみましょう。
余談ですが、私と同様にアトピーの兄が先日、緑内障を発症して手術しました。
緑内障の原因は遺伝的な影響も大きいそうなので一概には言えませんが、皮膚炎の慢性化や目の周りに塗ったステロイドが無関係とは考えにくいです。
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ステロイドを使わずにまぶたのアトピーを改善する方法
次に、目の周辺のアトピーをステロイドを使わずに治す方法についてお話ししていきます。
ポイントは、
- 目の周辺の保湿を徹底する
- プロトピック軟膏を活用する
- 結膜炎・花粉症の治療を行う
- 抗アレルギー薬を飲んで痒みを抑える
- 顔の他の部分の皮膚炎をきちんと治す
といった点です。
まぶたのアトピーの原因を取り除く
目の周辺に限りませんが、アトピーを改善するには皮膚炎を悪化させている原因を取り除くことが大切です。
アトピーの原因は色々とありますし個人個人で異なりますが、目の周りのアトピーに関しては次の原因の影響が大きいと私は考えています。
- 皮膚の乾燥
- アレルギー性結膜炎
の2つです。
では、それぞれ順番に見ていきます。
まず、日常生活で顔はつねに露出しているため乾燥しやすいです。特に冬場に乾燥がすすみますよね。
目の周りの皮膚が乾燥すると痒みが増しますので、アトピーを悪化させてしまいます。
朝夕の洗顔・入浴のあとはもちろん、日中も乾燥してしまう前にこまめに保湿してあげると、皮膚炎の改善に繋がります。
次に、目の周りの皮膚がかゆいだけではなくて眼球自体もかゆい場合、アレルギー性結膜炎の可能性があります。
この場合、いくらまぶたにステロイドを塗っても目の痒みは収まらず、目の周りをこすったり掻いたりしてしまいます。
眼球自体にかゆみを感じたり目が赤く充血しているのであれば、眼科に行って結膜炎の治療を行いましょう。
治療のための目薬を貰えますので、それをきちんと使えば痒みはだいぶ軽くなるはずです。
ちなみに、結膜炎治療用の目薬にはステロイド系と非ステロイド系の2種類がありますが、ステロイド含有の目薬であっても、使用期間が短ければ問題ありません。
とくに春先の花粉症の季節には目が痒くなりがちですので、少しでも異変を感じたら眼科や耳鼻科に行って治療を受けましょう。
プロトピック軟膏をまぶたに塗る
アトピー治療でつかう軟膏としては、ステロイドの他にプロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)があります。
ステロイドとは異なり、プロトピック軟膏は眼圧上昇を起こさないため、緑内障の心配はいりません。
皮膚炎を治す(綺麗にする)効果・力は、ストロングクラス※のステロイド外用薬と同等レベルと考えられています。
5段階あるステロイド外用薬の強さのちょうど真ん中、3番目に強いランクです。
2歳未満の乳幼児には使用できないなどの用法用量の制限はありますが、プロトピック軟膏はステロイドよりも目の周りのアトピー治療に適したお薬だといえます。
皮膚科医の先生にプロトピック軟膏の処方を希望すれば、通常はすぐに処方してくれます。
ただ、プロトピック軟膏は塗り始めの数日間は特有のヒリヒリ感がともなうことが多いので注意が必要です。
プロトピック軟膏の詳細については、以下の記事で詳しくまとめていますのでご覧ください。↓
抗アレルギー剤を服用して痒みを軽くする
保湿を徹底しても痒みが軽くならないし、結膜炎も起こっているわけではない場合、からだ全体でアレルギー反応が強くなっていると考えられます。
生活を見直したり体質改善に取り組んだりして、徐々にアレルギー症状をしずめていくのが理想なのですが、早く皮膚炎をおさえたい場合、そうは言ってられませんよね。
タリオン錠(皮膚科でもらえます)
こういうときは、タリオン錠などの抗アレルギー内服薬を飲むと、一時的に痒みが軽くなることもあります。
皮膚科の先生に相談すれば処方してくれますし、もちろん健康保険は適用されます。
ただ、人によっては効果を実感できなかったり、副作用として眠気を引き起こすことがあったりと、個人的には「イマイチな薬」という印象です。
が、一度試してみる価値は有ります。
顔の他の部分のアトピーを治すと目の周りも治る?
最後に、個人的に一番オススメな方法について。
結膜炎などで眼球自体がモーレツに痒い場合は別ですが、目の周りが痒いときって顔の他の部分のアトピーの状態も悪いことが多くないですか?
たとえば、額やまゆ毛のあたりや、ほっぺた・コメカミなどです。
このように、顔全体のアトピーが酷い状態ですと、目の周辺も「ついでに」掻いてしまうことが多いのではないでしょうか。
私の場合はまさにこのパターンで、おでこを掻いたついでに目もゴシゴシ擦る、眉毛を掻いていたはずなのに気付いたら目をガシガシ擦っていた、なんてコトも多かったです。
そこで試してみたのが、目の周り以外の顔のアトピーを改善する、ということ。
目の周りにはステロイドは塗らず、プロペトなどのワセリン系保湿剤を塗るだけ。
顔にはロコイド軟膏(マイルドクラス)を朝晩2回きちんと塗る。
こんな感じで2週間ほど試してみたところ、顔のアトピーが治るにつれて目を擦る回数も減って、結果的にまぶたの皮膚炎も落ち着いてくれました。
「掻いているうちに他の部分も掻いてしまう」というのは、アトピーの方であれば身に覚えがあると思いますので、かなり有効な方法なのではと思います。
顔のアトピー性皮膚炎の改善のやり方については、↓の記事で詳しくお話ししています。ご覧ください。
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まとめ
緑内障リスクのことを考えますと、アトピー以外の皮膚炎や軽いアトピー性皮膚炎を除いて、まぶたなどの目の周りにステロイドを塗るのは極力避けたほうが安全です。
そして、ステロイド外用薬を使わずにまぶたのアトピーを治すには、
- 目のまわりの保湿を徹底する
- 結膜炎・花粉症の治療を行う
- 抗アレルギー薬を飲んで痒みを抑える
- 顔の他の部分の皮膚炎をきちんと治す
- プロトピック軟膏を活用する
といった方法があります。参考にしてみてください。
すでにステロイドを長期間まぶたに塗っている場合、いちど主治医の皮膚科医に相談してみることをおすすめします。
また、目になんらかの異常を感じるのであれば、眼科に行って眼の状態をチェックしてもらいましょう。
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