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仕事一筋で定年まで働けば、身体のところどころにガタが来ているもの。ダイエットで肉体を“オーバーホール”すれば、その後の人生もぐっと楽しくなる。財田徳七さん(72歳、群馬県)がダイエットを始めたのは、62歳の定年直後のこと。身長164センチで体重は74キロ。入社時60キロだったスリムな体形はすっかり失われていた。
「50代後半のある日、献血に行ったら血圧が高すぎて危険だと追い返された。医者からは、『このままでは死ぬから降圧剤を飲め』と脅され、仕方なく飲み始めました。それでも若い頃には体育会系でならし、体力には自信があったので、退職まで何ら生活改善をしませんでした」
そして定年。そろそろ減量しようかと、軽い気持ちで市のトレーニングセンターに顔を出した。ところが、初日の健康チェックで「ドクターストップ」がかかった。エアロバイクを漕いだところ、血圧と脈拍が異常値を示したのだ。
「身体を動かして体重を落とそうと思ったのに、運動できる状態じゃないと言われれば、それはショックですよ……。インストラクターが私に付きっきりでトレーニングをするならという条件付きで、どうにか会員証を発行してもらいました」
この一件で財田さんはダイエットに本気になった。ただ、現役時代は毎日6、7合の酒を飲んだ酒豪なので、大好きな酒を断ってまで痩せたくはない。食事療法は一切せず、根気よく運動トレーニングに励むことにした。
財田徳七さん●72歳
エアロバイクなどの運動トレーニングで1 1キロの減量に成功。大好きな山登りのためと思えばトレーニングも楽しいという
トレーニングは週3日。時速6キロの速いペースでウオーキングマシンの上を30~40分間歩いた後、負荷をかけたエアロバイクに同じく30~40分間乗る。
時折、バーベルを持ち上げたり、太股の筋肉を鍛えるマシンも使う。ただ、最初にドクターストップを受けたこともあり、決して無理しないように心がけた。
効果は確実に現れ、1年後に体重は65キロまで落ち、現在は62~63キロに。一時88センチあったウエストは82センチまで減った。血圧も、上が130~140とかなり改善した。
いったん減量に成功すると気が緩む人も多いが、財田さんは10年間もこつこつとトレーニングを続けている。
「定年後、会社時代の後輩に誘われて始めた山登りに取りつかれたんです。山頂に到達した時の達成感、高山植物の可憐な美しさに出会う喜びは何物にも代え難い。山に登り続けるためにも太れません」
今では月に2回は山に登っている。夏には2000メートル級の山を目指し、富士山にも毎年登る。「仕事に没頭した会社員時代も充実していたが、新しい趣味を見つけた60代からの人生のほうが楽しいかもしれない」と財田さんは笑う。
酒を飲む楽しみ。山に登る楽しみ。財田さんは人生を心ゆくまで楽しむためにダイエットをしている。若者のダイエットはどこか苦行のイメージが伴うが、財田さんは対照的。悲そう感のかけらもない。
見てくれのためにする若者のダイエットとは違って、マスターズ世代のダイエットの最終目標は活力ある生活の実現。だからこそ、そこに楽しみを見つけることが、一番のダイエット成功の秘けつなのだ。
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