今までの研究レポート
ミスト化粧水の性能評価
日中、メイクをした肌の上から使えるとして市場が伸びているミストタイプの化粧水と、今話題の電動式ミスト化粧水(モバ美)について使用感と性能の評価を行いました。
研究目的
日常的にメイクをしている女性の間で、日中のうるおい補給やメイク直しの際に使うために化粧水を持ち歩く人が増えている。
特に、今夏は手軽なミスト化粧水は節電の夏を乗り切るためのクールダウンアイテムとして注目されたが、冬場は乾燥が気になる肌の保湿のためのアイテムとして、その人気は衰えていない。最近は、持ち歩き可能な携帯型美容家電『モバイルビューティー(モバ美)』が登場し、どこでも使える優れものとして女性誌やテレビ、ネットなどで注目されている。
本研究では、メイクの上からでも使用できるミストタイプの化粧水と化粧水がミストで出る美容家電を購入し、その性能と使用感について評価を行ったので、参考にしてもらいたい。
試験概要
ミスト化粧水8点の比較評価。
使用感評価は、肌当たりやなじみ、しっとり感などについて7段階評価を行った。性能評価は、ミストの性能、メイク崩れのしにくさ、保湿力について擬似モデルを使ってビジュアル化し、評価した。
試験品
| プッシュ式ミスト | ①アベンヌ ウォーター(ピエールファーブルジャポン) ②フリープラス エアシャワーミストN(カネボウ) ③dプログラム デーリペアミスト(資生堂) ④ハダラボ 極潤ヒアルロンミスト(ロート製薬) |
|---|---|
| 美容家電ミスト(モバ美) | ⑤ハンディーミスト アイミー(素数) ⑥携帯用ハンディミスト プラチナホワイト フォトミスト(ヤーマン) ⑦超音波美容器ハンディミスト EH-SM30(パナソニック) ⑧ポケット吸入器 EW-KA30(パナソニック) |
試験項目
1.ミスト化粧水の調査
手動のプッシュ式または電動の美容家電などのタイプ、価格、重量、噴霧量など商品の特徴を調査する。
2.使用感評価(7段階)
女性研究員6名で7段階評価をする。
3.性能評価試験
(1)ミストの性能
濡れると色が変わる紙に試験品をスプレーした際のミストの広がり、濡れ、ムラ付きの具合を観察・撮影し、ミストが細かく均一に噴霧されているかを評価した。
(2)メイク崩れのしにくさ
クロスペーパーにメイク(ファンデーション、アイブロウ、チーク、口紅)を施し、試験品をスプレーした際の表面状態を観察・撮影。
(3)保湿力
ミンクの毛に試験品をスプレーし、一定時間放置した状態を観察・撮影。
試験結果
1.ミスト化粧水の調査
調査したミスト化粧水8種類について、それぞれの商品の詳細と特徴を一覧表(表1)にまとめた。
(表1)から、以下のような特徴があることが分かった。
| タイプ | ・①〜④は手動で、自分の好みの量をスプレーする。 ・⑤〜⑧は電動で、電源が必要。⑥は充電式で、それ以外は電池式。 自動停止するので、数回繰り返して噴霧する。 |
|---|---|
| 重さ・大きさ | ・③〜⑧は、100g前後・15cm以内なので、コンパクトで手軽。 ・① ②はその他と比べると重く、背が高い。 |
| 噴霧量 | ・① ②は噴霧量が多く、素早くスプレーできる。 ・③〜⑧は噴霧量が少なく、数回繰り返して噴霧する必要がある。 |
| 価 格 | ・プッシュ式は800〜2000円台で、手ごろな価格である。 ・モバ美は1万円台で、やや高額である。 |
| 使用方法 | ・① ② ⑤ ⑥ ⑦ は身体や髪にも使用できる。 ・どれも乾燥が気になったときにいつでも使用できる。 |
| 商品特徴 | ・どれもメイクの上から使用できる。 ・モバ美は投入用化粧水が必要。 ⑤ ⑥:化粧水はメーカーのサイトなど、購入できる場所が限定される。 ⑦:一般に市販されている資生堂「アクアレーベル」の化粧水なので、 ドラッグストアなどで簡単に手に入る。 ・モバ美はタンクに化粧水を長時間入れたままにはできないため、定期的に化粧水 を入れる。 ・モバ美の本体は手入れをする必要がある。 |
2.使用感評価
女性モニター6名によるミスト化粧水8種の使用感評価(7段階評価)の結果を図1に示す。
図1から、モバ美はプッシュ式に比べ、評価が高いことが分かる。
⑤アイミー、⑥ヤーマン、⑦パナソニックは「ミストのきめ細かさ」、「肌当たり」、「濡れ感」、「肌なじみ(浸透感)」、日中使用時の「肌当たり」、「メイク崩れ」、「肌なじみ(浸透感)」の項目で評価が高かったことから、優しいミストで濡れることなく肌になじむと実感され、日中、メイクをした上からでも崩れずに使用できるといえる。
「総合評価」でも⑤アイミー、⑦パナソニックの評価が顕著に高かったことから、使用満足度が高い製品であることが分かった。
プッシュ式は、ミストが粗く、肌当たりが強いと自覚され、顔が濡れることもあり、モバ美よりも使用満足度は低かった。
3.性能評価試験
各項目の試験方法は以下の通りである。
(1)ミストの性能
濡れると色が変化する紙に、15cmの距離から①・②は2秒間、③・④は1プッシュ、⑤〜⑧は30秒間スプレーし、ミストの広がり具合や液ダレの状態を撮影・観察。
(2)メイク崩れのしにくさ
クロスペーパーにメイク(ファンデーション、アイブロウ、チーク、口紅)を施し、①・②は3秒間、③・④は10プッシュ、⑤〜⑧は30秒間スプレーした際のメイク崩れ具合を撮影・観察。
(3)保湿力
ミンクの毛に、試験品を同量(3ml)スプレーし、長時間(約6時間)放置後の保湿状態を観察・撮影。(時間が経っても毛が広がらず、スプレー直後の状態を保ったものほどしっとり感をキープしたといえる。)
まとめ
使用感評価・性能評価試験の結果から、以下のようにまとめられた。
- 使用感評価では、プッシュ式よりもモバ美の方が全般的に評価が高く、中でも⑤アイミー、⑦パナソニックは使用満足度が高かった。
- ミストの性能では、ミストが噴出して当っているにもかかわらず、濡れ感が少なく、液ダレしない良好な使用感なのは、モバ美の⑤アイミー、⑦パナソニックであった。
- メイク崩れのしにくさでは、噴霧をしても崩れずにメイクの変化が少なかったことから、メイクの上からでもスプレーしやすいのは、プッシュ式の③dプログラム、④ハダラボ、モバ美の⑤アイミー、⑥ヤーマン、⑦パナソニックであった。
- 保湿力では、長時間しっとり感を保ったため、ミストによる保湿効果を得ることが期待できるのは、プッシュ式の④ハダラボ、モバ美の⑦パナソニックであった。
使用感評価と性能評価の結果をまとめ、一覧表(表5)に示した。
(2012.01.10 美容・健康科学研究室)