ロタウイルスは冬から春に流行する感染性胃腸炎で、0〜2歳の赤ちゃんがかかりやすい感染症です。白色の便がでること、下痢や嘔吐を繰り返すため、赤ちゃんの身体が心配というママやパパが多いようです。そこで今回は、ロタウイルスの症状、注意すべき合併症、治療法、予防法についてまとめました。
ロタウイルスとは?
ロタウイルスはノロウイルスと同様に、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一つです。冬から春にかけて流行しやすいウイルスで、ノロウイルスよりも嘔吐や下痢が長引くとされています。
5歳までにほぼ全ての乳幼児がロタウイルスに感染するといわれるほど、感染力の強いウイルスです(※1)。
赤ちゃんのロタウイルスの症状は?
赤ちゃんがロタウイルスに感染すると、2〜4日程度の潜伏期間を経て、下痢や嘔吐が3~8日続きます。さらに39度以上の発熱や腹痛が起きたり、咳や鼻水が見られたりします。
下痢や嘔吐では水分が排出されてしまうため、通常1〜2週間で自然治癒しますが、脱水症状には十分注意しなくてはなりません(※2)。
赤ちゃんのロタウイルス感染は便の色でわかる?
ロタウイルスの症状の中でも、特徴的なのは便の色です。ロタウイルスに感染すると、白っぽい水様便が1日に何度も出ますが、その本当の原因は現在では判明しておりません。
症状は軽くても便の中にはロタウイルスが排出されている可能性もあるので、感染が広がらないようにしなくてはなりません。
赤ちゃんのロタウイルスで注意すべき合併症は?
赤ちゃんがロタウイルスに感染した場合には、下痢・嘔吐による脱水はもちろんですが、深刻な合併症まで発展しないよう、経過を見守ってあげてください。例えば症状が重症化すると、腎不全、心筋炎、脳症などが起こる可能性があります。
脳炎・脳症の場合には重症化し、てんかんや知能障害などの後遺症を残した症例もあります。意識の低下やけいれんの症状が見られたら、速やかに小児科を受診しましょう。
赤ちゃんのロタウイルスの治療法は?
現時点で、ロタウイルスに効果のある抗ウイルス剤はないため、対症療法になります。脱水を防ぐための水分補給や、体力を消耗しないように栄養を補給します。脱水症状が悪化した場合には、入院しての静脈輸液や経口補液を行います。
赤ちゃんに下痢の症状があっても、市販の下痢止め薬は使用しないように。嘔吐も下痢も、ウイルスを体外に排出するための必要な症状なため、薬の使用によって症状が悪化する可能性があります。小児科医の指示に従って、自宅での対処も行うようにしましょう。
ロタウイルスに感染した赤ちゃんの食事は?
赤ちゃんがロタウイルスに感染すると、食事をどうすべきか迷うというママも多いようです。食欲がないときには無理に食事を与えなくてもよいでしょう。脱水症状に注意して、経口補水液などの水分をこまめに与えてあげるのが大切です。
授乳中の赤ちゃんであれば母乳を与えても構いません。離乳食を開始している赤ちゃんであれば、普段よりも消化のいい食事に変えるため、一段階前の柔らかい状態の離乳食にしてみましょう。さつまいもやごぼうなどの食物繊維が豊富なものや乳製品といった消化するのに胃腸に負担がかかるものは、避けるようにしましょう。
ロタウイルスの感染を予防するには?
ロタウイルスは空気中でも安定で、ウイルスが10〜100個程度のごくわずかな粒子でも経口感染します。赤ちゃんに感染してしまったら、家庭内で細菌を広げないようにすることが大切です。ロタウイルスに感染した赤ちゃんの便には、1gあたり約1000個のウイルスがいるといわれているため、嘔吐物や便の処理には十分注意しましょう。
手洗いの徹底
感染を予防するには、まずパパやママが外からウイルスを持ち込まないこと。帰宅後の手洗いうがいを徹底するようにしましょう。
嘔吐物や便の処理
下痢の便がついたオムツを交換するときにはゴム手袋を使って、汚れたオムツは一つずつポリ袋に入れてしっかり口を縛りましょう。嘔吐物で衣服が汚れたときは、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤)でつけ置き消毒した上で、個別に洗濯するのがおすすめです。
消毒液は家庭用塩素系漂白剤とペットボトルで、簡易的に作ることもできますよ(※4)。消毒したいものに合わせて利用しましょう。
● うんちや嘔いた物がついた衣類、トイレなどを消毒する場合は、0.1%濃度に薄めた消毒液
● おもちゃや調理器具など、直接手で触れるものを消毒する場合は、0.02%濃度で薄めた消毒液
赤ちゃんのロタウイルスにはワクチン接種が必要?
ロタウイルスの予防には、ロタウイルスワクチンの接種も効果的です。100%感染を防ぐことはできませんが、感染したときの重症化を避けることができます。
ロタウイルスワクチンは自費による任意接種で、ロタリックスとロタテックという2種類のワクチンがあります。ロタリックスは2回、ロタテックは3回受ける必要があり、希望するときには上手くスケジュールを組みましょう。
ロタリックス
一番流行して重症化しやすい1種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン。ほかの種類のロタウイルスにも有効で、4週間隔で2回接種します。生後3ヶ月半過ぎまでに1回目を受け、生後24週までに接種を完了する必要があります。生後24週以降は接種することができません。
ロタテック
5種類のロタウイルスを弱毒化したワクチン。4週間隔で3回接種します。生後3ヶ月半過ぎまでに1回目を受け、生後32週までに接種を完了しなければならず、生後32週以降は接種することができません。いずれのワクチンも、生後15週までの開始が推奨されております。
ロタウイルスは大人にも感染するの?
ロタウイルスは大人にも感染します。しかし、過去に何度も感染を経験している人が多いため、症状が出るところまでは至らないことがほとんどです。
ただし、発病しないとは言い切れないため、感染予防をしっかり行うようにしましょう。
赤ちゃんがロタウイルスに感染したら、家庭内での二次感染予防を
赤ちゃんがロタウイルスに感染すると、嘔吐や下痢などお世話が大変になりますが、二次感染を予防するためにも、汚れの処理には十分注意して行いましょう。処理後は、手洗いを徹底するようにしてくださいね。
小児科を受診する際には、便の写真を持参すると症状が説明しやすく診察がスムーズです。また、小児科によっては他の赤ちゃんに感染しないように別室で待つことも。受診時に受付に確認すると対応してくれますので、一度確認してくださいね。