乾燥肌に悩む方にとって、保湿ケアの重要性はよく知られていることでしょう。しかし、正しい保湿ケアをしているつもりでも、乾いたお肌がなかなかうるおわない、と困惑する方が多いです。スキンケア以外に、乾燥肌の要因となることの一つに、「ダイエット」があります。なぜダイエットと乾燥肌に関係があるのでしょうか?
ダイエットによる食生活の乱れとお肌の状態の関係を理解して栄養の補給をすれば、間違ったダイエットをして乾燥肌を進行させることはもうありません。
皮膚科の医師も推奨する、乾燥肌を助長しない食生活や摂取したい栄養などについてここでご紹介しましょう。
間違ったダイエットが乾燥肌の原因となる
美しいお肌づくりというと、ついスキンケアやメイクなど、表面的な美のためのメンテナンスに注意がいきがちです。しかし、食生活はお肌に大きな影響力を持ちます。というよりも、食事がお肌を作る、と考えたほうが適切でしょう。
普段からバランスのとれた食生活を送っていれば食事や栄養、食生活が原因での乾燥肌は起こりません。
しかし、最近では極端なダイエットやバランスの悪い食事、偏食、欧米型の食事などに原因がある乾燥肌になってしまう女性が増えています。
乾燥肌にならないために必要な栄養素
乾燥肌と食生活は切っても切れない関係にあります。
お肌の水分保持力は、角質層にあるセラミドなどの細胞間脂質がおよそ80%、天然保湿因子(NMF)がおよそ18%を担っています。細胞間脂質や天然保湿成分が十分あれば、お肌は健康な状態です。そのような状態をキープするにはいろいろな栄養が必要になります。中でも、以下の栄養素は決して不足することがないように気をつけたいものです。
たんぱく質
私たち人間の皮膚や肉体は、たんぱく質から合成されています。そのたんぱく質が不足してしまうと、角質細胞の生まれ変わりが正常に行われないために、ターンオーバーに遅れが生じます。そうなると皮膚の水分保持力には以下のような影響を受けてしまいます。
・天然保湿因子(NMF)
天然保湿因子(NMF)は、角質層の下にある顆粒層の細胞の中にあるたんぱく質が細胞のターンオーバー(角化)過程において、NMFに変化しますが、たんぱく質が不足しているとターンオーバーは乱れて天然保湿因子は正常に生成されません。
・細胞間脂質(セラミド他)
天然保湿因子(NMF)と同様、セラミドもお肌のターンオーバーの過程で生成されます。その後角質層へ放出されますが、たんぱく質が不足することでターンオーバーに乱れが生じると、角質層の中にある細胞間脂質の量が減少して、結果お肌が乾燥しやすくなるのです。
必須脂肪酸(オメガ3系脂肪酸など)
資質の中には、私たちの体が合成できない「必須脂肪酸」という脂質があります。
必須脂肪酸は、私たちの皮膚だけでなく、細胞の「細胞膜」の主要な材料となるものです。よって、必須脂肪酸が足りないと、細胞の生まれ変わりは正常に行われないのでターンオーバーも乱れてしまいます。
これは、たんぱく質の箇所で述べましたが、ターンオーバーが乱れればお肌の水分保持能力の大半を担っている細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)の生成は減ってしまいます。
必須脂肪酸は大きく2種類に分けられます。「オメガ3系脂肪酸(アルフェリノレン酸系列)」と「オメガ6系脂肪酸(リノール酸系列)」の2つです。それぞれ、以下のような食品に多く含まれています。
・オメガ3脂肪酸・・・サーモン、イワシ、サバなどの魚介類
・オメガ6脂肪酸・・・コーン油、ゴマ油、大豆油、ベニバナ油
ただ油を摂取すれば良いのではなくて、オメガ3系とオメガ6系の脂質の両方からバランスよく摂取することが大切です。
ダイエットの中には、油分を極端にカットしてしまうものもあります。この場合、オメガ3とオメガ6の両方の脂肪酸が不足しがちであり、欧米型の食生活を送っている方や魚介類が苦手な方では、オメガ3系の脂肪酸が不足しがちとなります。
アメリカでは日本のように魚介類の摂取をする習慣がないため、オメガ3系必須脂肪酸の欠乏による乾燥肌が生じるケースが多く見られます。そのため、乾燥肌の方向けのサプリメントとしてオメガ3系の脂肪酸は広く浸透しています。
亜鉛
亜鉛は私たちの肉体にとって非常に大切なミネラルであり、皮膚や毛髪、爪などの健康を保持するために必要不可欠です。
亜鉛不足に陥る地、皮膚炎や湿疹になったり皮膚の傷が治癒しにくくなったりします。また、脱毛の原因となることもあります。
通常の、健康的な食生活であれば亜鉛不足の心配はありません。でも、以下の事項に当てはまる方は、亜鉛不足の可能性があります。
・極端なダイエットをしている方・・・単品ダイエットなどを行うと、食事から亜鉛が十分に摂れていない可能性があります。
・お酒をたくさん飲む方・・・アルコールが肝臓で分解させる際には多量の亜鉛が消費されます。
・加工食品をよく食べる方・・・加工食品に含まれていることが多い「ポリリン酸NA」という添加物には、亜鉛を体外に排出する作用があります。
・未精製の穀物をよく食べる方・・・玄米などの未精製の穀物は体によいイメージがありますが、玄米には「フィチン酸」という、ミネラルを体外へ排出する成分が多量に含まれています。
・菜食主義の方・・・単品ダイエットなどの極端なダイエットの場合と同様に、食事による亜鉛の摂取が不十分な可能性があります。加えて、未精製の穀物を摂取している場合には先に述べたように亜鉛は体外に排出されてしまいます。
ビタミン類
ビタミン類の不足がお肌に悪いことはよく知られています。乾燥肌の方に大切なビタミンは特に以下のようになります。
・ビタミンA・・・天然保湿因子(NMF)の生成を促進し、皮膚や粘膜の状態を正常に保つ働きを持ちます。不足すると角質層の保湿力が弱まります。
・ビタミンB群・・・皮膚のターンオーバーを正常に保ちます。不足すると、ターンオーバーに乱れが生じ乾燥肌やニキビなどを引き起こします。
・ビタミンE・・・お肌の血流を促進して新陳代謝を活発にします。抗酸化作用に優れ、活性酸素から細胞を保護します。
・ビタミンC・・・コラーゲンの精製を促し、正常な新陳代謝を保つ働きがあります。
このように、お肌のバリア機能を正常にして乾燥肌を防ぐにはさまざまな栄養素が必要なことがわかります。極端なダイエットをしていて乾燥肌に悩む方は、一度食生活を見直してみましょう。