アメリカと日本のニキビ治療の違いをチェック!
医療先進国アメリカでは「ニキビはれっきとした疾患の一つ・皮膚科での治療が必要」という認識がすでに定着しています。
そのため、市販薬やスキンケアで何とかしようとするよりまず専門医に診てもらう人の方が多いのだとか。
最近は日本でもニキビ治療のために内服薬を処方する皮膚科医が増えてきましたが、アメリカとはやはりまだ差があるようです。
アメリカでのニキビケアはどんなもの?
「アメリカでは」と言っても、ニキビケア(スキンケア)の手順そのものに極端な違いがあるわけではありません。
クレンジングや洗顔で皮脂や汚れを落とし、保湿する…そこにニキビ治療薬が加わるかどうかだけです。
ソープフリー石けんを使う
人間の表皮は「弱酸性」であると言われていますが、どういう意味かご存知でしょうか。
実際にはPHで言うと5~6.5くらいで、やや酸性寄り。これは肌が外部刺激や異物に対して抵抗力を持っているためです。この状態を等電点と呼び、ここから酸性に傾くと肌は固く、アルカリ性が強くなると柔らかくなります。
石けんは動植物の油脂をアルカリ性の水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)や水酸化カリウム(苛性カリ)で煮て作るため、肌を柔らかくして汚れを落としやすくする働きがあるのです。
しかし、洗浄力が強すぎると必要な皮脂まで落ちてしまいかねませんし、もともと肌の弱い人にとっては石けん成分そのものが刺激となることもあります。ニキビができている肌ならなおさらですね。
そこで、そんなデリケートな肌にも使えるとして注目されているのがソープフリーの洗顔料。クレイタイプや、従来のような固形でも石けん成分を含んでいないもので洗顔しているのだそうです。
日本でも自然派化粧品のメーカーなどから発売されています。
過酸化ベンゾイルを使う
アメリカでは50年以上も前からニキビ治療薬に配合され、現在も主流となっている成分が「過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド)」。
アクネ菌を殺菌する作用に優れ、抗生物質とは異なり耐性もできないことから多用されています。
「だんだん効かなくなって強い薬にしていかなければいけない」といった心配は無用というわけ。
価格も安く、ニキビに悩む若い世代でも手に取りやすいという点もメリットでしょう。
洗顔後、この成分を2.5%程度含有したニキビ治療薬を塗布し、5~10分ほど放置して洗い流します。
と言うのも、過酸化ベンゾイルは紫外線を浴びると酸化して肌を赤くしてしまうから。また、乾燥対策も充分に行う必要があります。
また、この過酸化ベンゾイルはニキビに対して効果があることははっきりしているのですが、日本では残念ながら認可されていません。
そのため、アメリカ版では配合されているニキビケア用化粧品の代表格「プロアクティブ」も、日本版ではサリチル酸に差し替えられているのです。
もちろん個人輸入などで入手することは可能ですが、欧米人と日本人では肌質に違いがあるのでそのまま使うのは賢明とは言えないでしょう。
もどかしい気持ちになりますが、今のところは認可を待つしかなさそうですね。
ダラシンを塗る
ダラシンはクリンダマイシンという抗生物質の一種を主成分とする液状のニキビ治療薬です。クリンダマイシンは嫌気性菌などの細菌のタンパク質合成を阻害する働きを持っています。
ニキビの原因菌・アクネ菌は空気を嫌う嫌気性菌。そのため、クリンダマイシンがその効果で増殖を抑え、殺菌してくれるのです。
日本の皮膚科ではジェル状の「ダラシンTゲル」が処方されることがほとんどです。化膿や炎症を起こしているニキビにも使えますが、一日に二回、患部にのみ塗布するようにしてください。
夜はディフェリン
夜は朝同様、ソープフリーの洗顔料で洗った後、過酸化ベンゾイルのかわりにディフェリンを使います。
こちらはアダパレンという有効成分が入ったニキビ治療薬。クリームやジェル状になっています。過剰な皮脂や古い角質を取り除いて毛穴詰まりを解消する働きがあります。
アメリカでは夜はこの後にダラシンを顔全体に塗ってニキビケアはおしまいです。
ディフェリンゲルについて
ニキビ治療薬として日本でも2008年にようやく認可が下り、健康保険も適用となったディフェリンゲル(アダパレン)。
アメリカを始め、世界中ではその10年以上前から使われていました。それまでは効果があることがわかっていながら日本では認められていなかったため、海外通販や代行業者を介して購入するしかなかったのです。
ニキビに悩む人の気持ちは痛いほど分かりますよね。しかし、効果は確かにあったようですが同じくらい副作用によるトラブルも多かったようです。
例えば、ディフェリンゲルは使い始めると約80%の患者に赤みや乾燥、ほてりや落屑といった症状が表れるそうです。
すわ副作用か、と思うかもしれませんが、皮膚科医に言わせるとこれは「好転反応」や「随伴症状」で、これからよくなっていくためには避けて通れない道なのだそうです。
個人でディフェリンゲルを入手して副作用が出たという人のほとんどはこのために途中で使用をやめてしまったからではないかという意見もあります。
とは言え、せっかくニキビを治してキレイになれると思ったのに、よけいひどくなった(ように見える)のでは、治療へのモチベーションも低下してしまいますよね。ディフェリンゲルを使うことそのものがストレスになってニキビが悪化してしまう可能性もゼロではありません。
そこで重要になってくるのが皮膚科医との信頼関係です。医師は治療を中断せず、使い続けていれば1ヶ月ほどで症状は落ち着いてくること、その後は軽快することなどをよく説明し、患者も指導に従って適切な量をきちんと塗る、といった言わば協力体制をとることが大切と言えるでしょう。
ちなみに日本で認可されているディフェリンゲルのアダパレン含有量は0.1%のみ。アメリカでは0.3%のものもあるそうですが、国民皆保険制度を採用している日本では、特定の人に劇的に効くより、多くの患者に平均的な効果を得られることが重要視されているのでしょうね。
まとめ
こうして見ると、アメリカと日本ではニキビ治療に対する考え方や使用される薬剤もかなり異なることがわかりますね。
しかし、日本では健康保険が適用され、少ない自己負担で治療が受けられるというメリットがあります。
内容については、これからさらにアメリカに近づくことを期待しましょう。