トスキサシンがよくわかる

トスキサシンは安心な医療薬であるのか?

細菌のDNA複製を阻害することにより殺菌作用を示します。感染症の治療に用いるニューキノロン系の抗菌薬です。
通常、呼吸器感染症、尿路感染症、耳鼻科領域感染症など広い範囲の感染症の治療に用いられます。
感染症は、病原微生物が人の体に侵入し悪さをする病気です。腫れや発赤を生じ、ときに化膿し、痛みや発熱により苦痛をもたらします(実は、このような症状は病原微生物と戦うための体の防衛システムでもあるのです)。
病原微生物には、細菌やウイルス、真菌(カビ)などが含まれます。トスキサシンが有効なのは おもに“細菌”による感染症です。グラム陽性菌や陰性菌をはじめ、クラミジアという細菌にも有効です。病原菌が死滅すれば、腫れや発赤がおさまり、痛みがとれ、熱があれば解熱します。
尿路感染症をはじめ、呼吸器感染症、皮膚感染症、また耳鼻科領域の感染症などに広く用いられています。本来、インフルエンザを含め一般的なウイルス性の“かぜ”には無効なのですが、細菌による二次感染時やその予防のために処方されることがあります。
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。てんかんなどの痙攣性疾患またはその既往歴、腎障害、重症筋無力症妊娠または授乳中他に薬を使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、大衆薬も含めて他に使用中の医薬品に注意してください)。

そもそもトスキサシンって?

ピリドンカルボン酸系抗菌剤は抗菌スペクトラムの拡大、抗菌力の増強及び体内動態の改良により、広範囲感染症治療剤として近年、急速にその重要性を増しています。
しかし、これまでのピリドンカルボン酸系抗菌剤は最近問題となっているメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)をはじめとするグラム陽性菌や嫌気性菌に対して十分な抗菌力を示さず、中枢神経系の副作用が問題となっています。これらの点を改良し開発された薬剤がトスキサシン錠(トスフロキサシントシル酸塩水和物)です。
ニューキノロンと呼ばれる抗菌薬です。旧来の抗菌薬に比べ抗菌力が強く、いろいろな細菌に有効です。病巣への移行がよいのも特徴です。飲み薬では治療の難しかった難治性の感染症にもよい効果を示します。副作用も少ないほうです。
この系統は比較的アレルギーを起こすことが少なく、ペニシリン系やセフェム系などの抗生物質にアレルギーのある人にも使われます。
錠剤に加え、小児用の細粒剤があります。従来、副作用の心配から子供には用いませんでしたが、その後 有効性と安全性が認められ、小児用細粒剤として承認を取得、販売されることになりました。ニューキノロン系の成人用錠剤は多数販売されていますが、小児感染症を適応とする同系製剤は国内初です。一般的な抗生物質が効きにくい難治性の肺炎や中耳炎に有用と期待されています。

トスキサシンの有効成分はトスフロキサシン

トスキサシン錠75mg/トスキサシン錠150mgはアボット ジャパン株式会社から発売されています。錠75mgは1990年7月に、錠150mgは1990年4月に発売されました。
トスキサシンは処方せん医薬品です。

トスキサシンの効果・効能のメカニズム

適応症は表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽です。
細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣを阻害し、殺菌的に作用します。
主な副作用として、発疹、かゆみ、蕁麻疹、発熱、光線過敏症、しびれ、振戦、幻覚、胃部不快感、腹部不快感、下痢、軟便などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
・息苦しい、目や口唇のまわりの腫れ、発赤 [ショック、アナフィラキシー様症状]
・皮膚の赤い発疹、水疱、眼球結膜の充血 [中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群]
・全身倦怠感、食欲不振、皮膚や結膜などの黄染(黄色くなる) [肝機能障害、黄疸]
・腹痛、下痢、血のまじった便 [偽膜性大腸炎、出血性大腸炎]
・手足の筋肉の痛み、脱力感、赤褐色尿 [横紋筋融解症]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。