メガネの鼻パッドの当たるところは・・・

 メガネの鼻当ての当たるところって、黒ずんでシミになっている方はとても多いと思います。このシミは慢性的な機械刺激、つまりパッドによってこすれたり圧迫されたりして皮膚が慢性炎症を起こし田状態が続くため、炎症後色素沈着が全然改善しない状況になっています。炎症後色素沈着の治療方法について

私の予防策

①メガネの種類を細かく使い分け、同じ場所ばかり鼻当てが当たるのを防ぐ。

②できるだけ軽いメガネを使用する。

③パッド全体が皮膚にあたるように(つまり均等に圧がかかり、一点集中しないように)する。しかし、実際はパッドの下方に重さが集中し、下の方だけは赤くなってしまいますよね。

 

ノーズパッドレスのメガネ

 そこでノーズパッドのないメガネを提唱して開発した先生が、新潟にある美容皮膚科の野本先生です。当院では同先生の開発したミネラルファンデーションも採用し好評のため、メガネもどんなものか興味があり、先日の日本美容皮膚科学会で現物を見てきました。

このサングラスはノーズパッドは無く、サイドパッドが頬骨に当たることでささえています。写真では透明の素材のサイドパッドがわかります。

こちらはAirFly(㈱ジゴスペック)です。同社同製品のHPはこちらです。同様の機構です。顔にフィットするよう、自分でパッドやテンプルを調節することが可能です。

私は実際に買って使っています。このサイドパッドによる恩恵をまとめてみます。

・鼻にメガネの跡がつかない。

・鼻パッドの当たる部位のシミができなくなる。

・同部のメイクが崩れない。

・装着した時に顔が軽い感じがする。圧迫感がない。

・汗をかいてもズレにくい。

心配なことはサイドパッドがあたる部位は慢性的な刺激でシミにならないかということです!鼻よりも圧が分散しそうですから、大丈夫かと思うのですが・・・。こまめにパッドの当たり方を調節しておくしかないと思います。3時間使用した時の、右頬部の発赤の写真を示します。

ごく軽度です。それより毛穴が目立つので、がんばってエンビロン、ロールキットを転がさないといけません。

今回日本美容皮膚科学会でこの展示ブースはなかなか盛況でしたから、こんご世に広まっていくこと期待しています。


ご興味のある方は、当院「形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック」にお問い合わせください。

今回は特殊なシミの投稿でした。光治療やレーザー治療ではダメです。そもそもそこにパッドが当たらないようにしないと!


 

 

 

 

脂漏性角化症はありませんか?

 色は褐色調ですが、黄色っぽいものから黒色調のものまでさまざまな濃さのものがあります。大きさは数mmから2~3cmくらいで、平坦なもの(老人性色素斑とも言われます)やわずかに盛り上がるものから突出したしこりになるもの(老人性疣贅やアクロコルドン)まであります。


写真は背中の脂漏性角化症で、茶褐色の小さな点々があります。(写真下方の左右にある濃い黒い点はホクロですから、脂漏性角化症とは全く違います)

良性ですから放っておいても問題はありません。アンチエイジングの観点から考えると、やはり肌老化を感じさせ、老けた印象で、決して若々しくありません。また、多発すると、自分でも見た目が気持ち良いものではないなと、思ってしまいます。

治療法の主体はレーザーで取ること。

 小さく平坦、もしくは若干の盛り上がりのあるものは炭酸ガスレーザーによる除去が良いと思います。病変は皮膚のとても浅いところにあるので、除去しても正常な皮膚が再生するため、痕が残りません。ちなみにホクロはレーザーで除去しても、病変が深いので少なからず痕が残ります。


写真は除去後の同じ部位です。(ホクロは痕が残るので取らなかったケースです)治療直後ですが、若干の赤みがあります。少し擦り剥けた状態ですから、数日軟膏を塗布しておいていただければ綺麗に治ります。

麻酔は無しでも耐えられることが多いです。ご不安な方には麻酔クリームを塗布します。

 他の治療法としては、大きいものは手術することもあります。また、液体窒素による凍結療法も行う施設があります。電気メスで焼く施設もあります。手術は別として、凍結療法や電気メス焼灼は脂漏性角化症の病変周囲にも損傷が広がることもあり、その結果、炎症後色素沈着という、治療後の数か月続くシミになったりするリスクが高くなると思います。炭酸ガスレーザーは周囲組織への影響を最大限抑えるように工夫されているので、最も愛護的な除去方法と思います。

下の写真は治療翌日です。治療部位が赤い点状に見えます。数日で治ってしまいますが、顔や首など、見える部位の場合は施術時期を考えた方が良いかと思います。


多発症例のレーザー治療

 前述のとおり、大変優れた治療方法ですので、デメリットは少ないです。ぜひとも治療されることを希望します。下の写真は頸部の脂漏性角化症、アクロコルドンと呼ばれるものやスキンタッグ、軟性線維腫といった首のイボです。左は治療前、右は治療後1週間目です。とてもきれいになっていますし、清潔感と若々しさが戻った印象です。

・治療は麻酔をしなかったので、若干の痛みがあること。

・沢山の個数を治療すると時間がかかり、痛みと焦げ臭い匂いで少しつらいこと。

・手間をかけて治療した分、大変エクセレントな結果になること。

 


当院での工夫

 上記のような多発例には向きまんが、孤発例の治療では、拡大鏡(ダーモスコープ)をしようして、綺麗に取れているか確認しながら治療しています。

このように拡大鏡を使用すると、除去できているかよくわかるので、極力浅く最小の侵襲で治療することが可能です。また、逆に取り残しの可能性も少なくなります。

 

首にできる多発するイボや、上の写真のようなレジャーで良く日焼けする中高年の顔のシミやイボは、脂漏性角化症であることが多いです。綺麗に治療できる可能性が大きいので相談にいらしてください。

 

岐阜市薮田南3-7-7 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック 脂漏性角化症、老人性イボ、首のイボ、炭酸ガスレーザーによる除去に関する投稿

 

 

 

 

 

 

 

シミは「レーザーで一発で消せる!」と思っていらっしゃる方がおられます。確かに美容皮膚科診療に初めて来られた方の多くはそう思っていたり、テレビで芸能人がビフォーアフターに登場し、いとも簡単にシミが消えたという印象を与えている場合もございます。勿論、そのように簡単に除去できるシミの種類や治療方法もあります。

今回はシミの種類と治療法でどの程度良くなる見込みがあるのか、まとめてみます。

その前に光治療(フォトフェイシャルなど)とレーザー治療の違いを理解しないといけませんが、目的や施術は似ておりますが、理論は大きく異なると考えます。このあたりは少し難しいので、別の項で述べたいと思います。

老人性色素斑

単発もしくは散在する茶色のシミ

フォトフェイシャルで、反応します。繰り返し定期的に施術をすることで、改善の見込みは高いと思います。完全に根絶しようと思うと、Qスイッチ方式と呼ばれる照射のできるレーザーが、一度の治療で根治の可能性があります。ただ、Qスイッチレーザーを照射しても数回治療しないと取れないものもあります。3か月おきに治療します。(つまり年4回治療ができます)また、照射後はテープ保護など、顔に何らかの保護を施しますので、ダウンタイムがある治療になります。一方フォトフェイシャルでは、効果としてはかなり良くなると思われますが、治療を終了すると再発してくるものもあります。ただ、ダウンタイムはほぼ無しですし、全顔照射ですので、全体にあるシミを少しずつ薄くしていくことができます。1回で効果が出ることはほとんどないので、繰り返し照射に通います。1か月に1回の照射です。つまり1年で12回です。12回照射すると、効果も良く感じられる方が多い印象です。また、美肌効果がつよく、お化粧のノリが大変良くなるので、シミの改善がマイルドでも、美肌効果で継続される方は多いです。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

まぶた、頬、おでこなどに、両側に同じように散在する、青っぽいもしくは灰色っぽいシミ。25歳前後で気になり始める人が多い

ADMはフォトフェイシャルでは対応不能です。それはメラニンの深さに関係します。ADMは真皮内にメラニンがある(深いということです)ので、通常のフォトフェイシャルの発振では光をそこの深さまで到達させることができません。これができるのはQスイッチレーザーのみです。本気でADMを治療される方はレーザ―治療を受けなければなりません。フォトフェイシャルで良くなったという方もみえますが、それはそもそも診断が違うのか、ADMに混在する老人性色素斑を改善しただけということになります。

肝斑

まぶたには生じませんが、頬やおでこ、鼻下などに両側対称性に生じる茶色のぺったりした感じのシミ

肝斑はフォトフェイシャルで良くなるという人もいますし、変わらないという人もいます。いずれにしろ強い照射は肝斑の病態である炎症後色素沈着を悪化させる可能性があるので避けています。

Qスイッチレーザーは通常の照射方法では、かなり強い炎症後色素沈着を生じますので通常禁忌です。そこで最近はレーザートーニングという施術に人気があります。レーザーフェイシャルとは違います。レーザートーニングもまだ賛否ありますし、長期成績はよくわかっていません。やはり肝斑の治療は基本に内服と習慣の改善があることは間違いありません。

そばかす

小児期よりある頬に対称的に散在する茶色の小斑

フォトフェイシャルでも色調の改善は望めます。また、Qスイッチレーザーでもダウンタイムがあっても構わない場合は治療可能です。しかし、いずれにせよ、再発の可能性が高いです。フォトフェイシャルを継続的に行うのが効果的なのかもしれません。

 

岐阜市薮田南3-7-7 形成外科・美容外科ぎふスキンケアクリニック

多く見られるシミの種類

 シミといっても、シミにはいくつかの種類があります。今回は、エイジングとともに問題になるシミに絞って、どんな特徴があるのか、考えてみたいと思います。

おもに4つあげられます。

1)老人性色素斑
2)脂漏性角化症
3)後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
4)肝斑

おおよそ老人性色素斑と脂漏性角化症が主な問題となっている方が、7割程度と最多と思います。
ADMが1割程度、肝斑が5%ぐらいといわれています。

世間では肝斑(かんぱん)という言葉が割と浸透してしまっていますので、「肝斑ですよね」と受診される方がとても多いのですが、実際はそんなにみんながみんな肝斑ということはないでしょう。

そのほか、思春期ごろから増えてくる雀卵斑(そばかす)も、受診のきっかけとなる方はよく見られますが、実際、そばかすといっても老人性角化症や、ADMであることもよくあります。

何でもかんでもシミ、ソバカスでまとめて呼ばれるので、しかたがないことです。


それぞれの特徴

老人性色素斑、脂漏性角化症

 これらは露光部位に、点状もしくは斑状に円形の茶褐色のシミとして出現してきます。年齢とともに増加していくものです。表面がやや盛り上がって角化が強いと脂漏性角化症といって、時にかゆみがあったりすることもあります。色の元であるメラニン色素は表皮内に存在します。つまり、浅い色素性病変ということができます。

ADM

 額の左右や頬、まぶた、などに、茶褐色から灰色、少し青っぽい数ミリの多発する斑です。両側に発症します。思春期ごろから出始める方も見えますが、私の印象としては25歳前後の発症が気になります。
メラニン色素は真皮の中に存在しています。つまり、老人性色素斑や肝斑よりも病変は深いのです。

肝斑

 頬の高まりや額、口のまわりにこれも両側対称性に出現する、茶褐色のぺったりとした斑です。
境界はぼやけているという人もいますが、割とはっきりわかります。30~50代に多く、ホルモンが影響する、女性特有のシミです。メラニンは表在性です。
 

 

シミによる治療方針の違い

 レーザー治療はどんなシミでも消せるなんて、そんなことはありません。しかし、正しく診断して、シミに合わせたレーザーの選択、照射法を適応すると、改善が期待できます。

 老人性色素斑や脂漏性角化症はフォトフェイシャルやレーザーフェイシャルでも改善が期待できます。これらの治療法は美肌効果もあり、継続して行うと満足度が高いです。しかし、再発も考えられます。根治を目指すなら、Qスイッチレーザーという方式で照射すべきですが、ダウンタイムがあるのが、欠点です。

 ADMの場合はメラニンが深くに存在するので、深くまで、強く進達するQスイッチレーザーでな
ければ治療は困難です。

 では肝斑はどうか?Qスイッチレーザーをそのまま照射しては炎症後色素沈着のために、悪化した状況になるリスクが高いです。ハイドロキノンといった美白剤と、トラネキサム酸やヴィタミンCの内服といった治療を中心とされ、予防的治療、なんといっても紫外線対策が要になります。最近はQスイッチレーザーの中でもYAGというレーザーを低出力で肝斑に照射する、レーザートーニングという施術が話題です。1~2週ごとに10回前後続けるのですが、いまだ賛否あります。



診断が大切

 以上のことから、シミの種類によって、治療法に違いがあるということですから、正しく診断することが大切です。多くの場合は上記のシミが混在しているので、治療は組合せ、集学的に行うべきと思います。

 鑑別診断のポイントと考えることですが、肝斑でないADMを、肝斑だと間違えることが多いようにおもうので、違いを理解していただきたいと思っています。
鑑別ポイント

a.色調

 肝斑は茶褐色、ADMは茶褐色~灰色~青褐色

b.境界

 肝斑ははっきり、ADMはぼんやりと言われます。ぼんやりといっても何となく境界はわかります。

c.部位

 共通点は両側に出現するという点です。違いですが、肝斑は見事にまぶたには出ません。ADMはまぶたにも出ることがあります。肝斑はまぶたと頬の境界を作るように出ることがよくあります。

その他で重要なことは、肝斑は夏に悪化して、冬に悪化しないというのも重要な特徴です。

 皮膚のシミには様々な種類がありますが、この炎症後色素沈着(PIH)もなかなか手ごわいシミだと思います。

 通常の皮膚科・形成外科診療ですと、けが、やけど、湿疹、皮膚炎などの痛みやかゆみが治まってきたような時期、つまり、治って何週かしたぐらいから、赤味が引いて、今度はなんとなく茶褐色の斑が出現します。日焼けも炎症後色素沈着の一種と言えます。基本的には数か月の経過で改善してくることが多いです。原因はまだよくわかっていないことも多いようですが、刺激により、メラニンの産生が亢進することによります。時間が経つと改善してくるケースが多いです。

 厄介なのは、このシミにお目にかかるのが、何らかの皮膚治療の後にもあることです。たとえばレーザー治療後、液体窒素療法後、もちろん手術後にもあり得ます。

 本来のシミをレーザーで治療、しかし、治療したら反応が強く出すぎて、炎症が長引き、色素沈着してしまい、元のシミより濃くなってしまったようなシチュエーションは、治療の内容により、十分可能性があります。予想外に強く反応してしまった・・・しかし、患者さんにしてみると、失敗してシミが濃くなった!と思われてしまいます。この状況を説明するのが私の仕事だと思っておりますが、ご理解はしていただいているけど、状況を受け入れ難いような気持ちになられております。

 とくにQスイッチレーザーという治療や、フォトフェイシャルなどでもあり得ます。また、炭酸ガスレーザーや高周波メスによる皮膚焼灼(ほくろ・いぼを取ったり)などでもあります。

 処置後炎症後色素沈着のリスクは事前に十分説明させていただきますし、防ぎ得ることに関しては十分努力義務を果たすようにしております。

 さて、炎症後色素沈着の治療ですが・・・

★基本的には待ってみることです。
★ただし、紫外線は悪化因子ですので、遮光やUVケアは必ず行います。
★また肝斑同様、摩擦なども内容に注意してもらいます。
★メラニンの産生が強い時期にはハイドロキノンを使用して抑制します。
★イオン導入、その他、肌に負担のないお手入れをします。
★トラネキサム酸の内服、ビタミンなど内服、点滴をお勧めします。

 いずれも積極的にシミを消しに行くぞという治療ではないので、消極的だ!と患者さんに言われることもありますが、下手に手出しをすると悪化を招きます。

 1年近くしてもまだ色素が残っているときは、メラニン色素の一部が、深い層へ落ち込んで取れなくなっていると考えることがあります。その場合はトレチノインや、レーザー治療など、比較的積極的な治療を行うという考え方もあります。状況に応じて判断します。