人によって体臭発生のポイントは違う
体臭検査で分かる大事なことの一つに、「体臭発生ポイントの特定」というものがあります。若くて代謝が活発で、それこそ全身ビッショリになるくらい汗をかく人は、広範囲から体臭が発生する可能性はあります。(汗をかく場所=体臭発生ポイントというのも、あまり当てにはなりませんが)またトリメチルアミン尿症等の病気に起因する体臭や、長期的に服用している薬の影響などがある場合等、血液にニオイ物質が乗って全身を駆け巡るケースは、代謝の良さとは違った意味で全身から体臭が発生します。
しかし、ワキガや足のニオイ、加齢臭や普通の汗のニオイ等は、発生場所が限られていて、ケアすべき少数のポイントを見つけることが出来る場合が多いようです。そして、ケアポイントさえしっかり把握して、カラダと衣類の消臭を行えば体臭を改善出来ますし、うまくすれば第三者に全く感知されなくなります。
ここでひとつ間違えないでほしいのは、「ワキガは脇から」「加齢臭は耳の後ろから」という流説に流されないで頂きたいということ。この「体臭発生ポイント」というのは、人によって変わってくるのです。特にワキガの場合は、脇の下だけワキガクリーム等でケアしている人が実は全然違う場所も発生ポイントだった、と言うケースが当社体臭検査ユーザーで頻発しています。
さて、この体臭発生ポイントですが、ミクロな視点で見た時にはどんなことが起こっているのでしょうか?
分泌・体表での細菌の関与・酸化。3つの体臭発生ルート
脇の下から大量の汗をかく。かいた汗にアンモニアが混じっていて、それがアンモニア臭くなる。また湿気た脇の下部分には細菌が繁殖しやすく、汗や皮脂を餌にして更にアンモニアを生成して臭くなる。こんなことが若い、代謝の活発な人々には起こりやすいようです。大まかに言えば、どんな体臭もこれと同じことが言えます。見逃しがちなのは、「体の中で既に臭う物質は発生している」ということ。
体表に関していえば、細菌が無くても悪臭物質に変わるものもあります。例えば加齢臭。青臭くて古い脂のようなオジサン臭を加齢臭と呼びますが、その原因物質は2-ノネナールというアルデヒドです。あまり体内では生成されないのですが、2-ノネナールに変質するパルミトレイン酸等のちょっと脂っぽいカルボン酸類は、カラダからどんどん排出されています。特に年代が上がるにつれて、その分泌量も上がり、代謝の落ち始めるオジサン特有の脂っぽい汗にはたくさん含まれて肌に長く居座って、次から次に空気と反応して(酸化して)2-ノネナールになっていきます。ちなみにパルミトレイン酸自体は無臭です。
オジサンオジサンと言ってきましたが、オバサンも当然ニオイの強いアルデヒド類を持っています。ノネナールも深刻ですが、他のノナナールやオクタナール等、少量なら良い香りのアルデヒド類が40代以降大量に発生します。これらは、大量に有る場合は脂臭さとモワッとする質感が特徴の体臭物質です。化粧品や香水の香りに頼らず、まずは悪臭物質の解決を考えてみてください。
ワキガも同じ。体内の物質分泌が関与しているはず。
ワキガについては、アポクリン腺という汗腺の一種の中で、カラダから分泌される物質を餌に細菌が悪臭物質を作り出している、と言われてます。だからアポクリン腺を切除したり、焼いたりすればワキガは根本解決を見る。まあ簡単に言えばそういうことらしいですが、私が検査した人々の結果を見れば、ワキガも様々なニオイのタイプがあり、それは多分、体内から分泌される物質によって変わってくると思われます。クミンのようなツンとくるスパイシー系のワキガ臭は、ヒドロキシ系アルデヒドがニオイの元ですが、これは脂肪酸や他のアルデヒド類と同じように「水素」「炭素」「酸素」の元素だけで成り立っている。けれど、モワッとする玉ねぎのようなニオイや温泉のようなニオイのワキガ臭からは硫黄系物質が検出される。つまり別な要素が絡まる。つまりは、アポクリン腺に居る細菌が関与するにせよ、元々の物質供給が人によって違うと考えられます。
つまりは、アポクリン腺内だけの問題でワキガのタイプが決まるわけではないし、ニオイを除去しようと考えれば、窒素類なら窒素類、アルデヒド類ならアルデヒド類と、同じワキガにも臭いの原因によって全く違う改善策があるのです。
ニオイのタイプその他ワキガに付いては、別の機会にゆっくりご説明します。
足の臭いは指先。原因はイソ吉草酸。アンモニア分泌もあれば、なおヒドイニオイに
去年の夏、私の息子の足の臭いが酷くて、最初は明らかにイソ吉草酸のニオイだったものが、時間を追うごとにえも言われぬヒドイ悪臭になりました。最悪臭はカルボン酸とアンモニアを餌に、細菌が悪さをしたとしか言えません。猫のオシッコのニオイに似ていましたが、それは「3‐メルカプト‐3‐メチルブタノール(C₅H₁₂OS)」という窒素系物質が絡むはず…当初、硫黄系のニオイよりもアンモニア(NH₃)のニオイが強かったので、ちょっと考えられなかったのですが、ひょっとしてニンニクの食い過ぎでアリシンでも分泌していたのかも知れませんが。彼は当時スポーツマンでしたから…
ともあれ、ニオイの元をしっかり消臭しておかないと、悪臭がさらに悪臭を生む実例でした。