鈍痛から激しい痛みまで!みぞおちの痛みはこんな病気の疑いが!
普段の生活の中で、みぞおちを意識することって、あまりないかもしれません。そもそも、「みぞおちって、具体的にはどこ?」という疑問さえ持つ方もいるかもしれませんね。
みぞおちは、お腹の中央上部、左右の肋骨の間の辺りです。ボクシングなんかの格闘技では、ここを殴ることが重要なテクニックになっているくらい、外からの衝撃で強い痛みを感じる場所でもあります。
でももちろん、殴られたわけでもないのにみぞおちが痛むことだって、あります。そんなときは、もしかすると病気が原因なのかもしれません。
ここでは、みぞおちや肋骨の痛みから考えられる病気を、ご紹介していきます。
侮らないで!みぞおちから右下に痛みが移動したら盲腸かも!
急性虫垂炎、いわゆる盲腸は、大したことない病気というイメージをお持ちの方が大半ではないかと思います。確かに、適切に対処すれば何も怖いことはありません。でも、受診が遅れたりすると、重い合併症が出ることも無いわけではありません。
ここでは、盲腸を軽視しすぎることなく、適切な対応ができるように、盲腸について正しい情報をお伝えしたいと思います。
盲腸ってどんな病気?
盲腸といえば、お腹が痛くなる病気で、手術すれば簡単に治るというのは多くの人が知っていることと思います。大まかにはその通りですが、もう少し詳しく見てみましょう。
盲腸は、正式には急性虫垂炎といいますが、その名の通り、盲腸の先っぽにくっついている「虫垂」という部分が炎症を起こすものです。
後述するように、基本的にそれほど難しくない手術で治るため、軽い病気という認識の方が多いかと思います。ところが、対応が遅れると大変なことにもなり得るんです。
急性虫垂炎を放置していると、虫垂に膿が溜まってしまいます。症状が悪化すると、溜まっていた膿が腹腔内に出てしまい、腹膜炎を併発する危険性があります。
こうなってしまわないためにも、「たかが盲腸」と侮らず、以下のような症状が現れたら早めに病院へ行きましょう。
盲腸の原因
盲腸が発症するメカニズムとしては、虫垂に便が詰まるなどで血行不良を起こしたところに、大腸菌などの細菌やウイルスが入ってしまって炎症を起こすものです。
そうなってしまう原因は不明であることも多いのですが、よくあるものとしては以下のようなものが挙げられます。
- 暴飲暴食
- 過労
- 便秘
- 胃腸炎
盲腸の症状
盲腸の症状には、よく知られているものの他にも、いくつかあります。
- みぞおちから右下腹の痛み
- 発熱
- 嘔吐
盲腸といえば腹痛ですよね。よく言われるように、最初はみぞおち辺りが痛み、だんだん右下腹へ痛みが移動するのが特徴です。
ただし、人によっては必ずしもこの通りの痛み方とは限らないので、痛みが移動しないからといって盲腸ではないと決めつけるのは危険です。
盲腸の治療法
盲腸の治療法は、手術と薬に分けられます。
| 治療法 | 特徴 |
|---|---|
| 開腹手術 | もっとも確実な治療法 |
| 腹腔鏡手術 | お腹に穴を開けて器具を挿入して切除する 重症のケースでは使えない |
| 薬物治療 | 抗生物質で炎症を治す 再発のリスクがある |
やはり手術で切ってしまえば、再発の危険もなくなりますし、確実に治ります。しかし近年、意味のない部位だと思われていた虫垂に、免疫機能に関する役割があることが分かってきています。
重症で切除するしかないケースならば仕方ないですが、薬でも対応できるなら、治療法について医師とよく相談されると良いと思います。
ぜひ覚えておいてね!
健康診断で偶然見つかることも!胆石の症状や原因について解説!
胆石も、みぞおちや肋骨の奥が痛むことがある病気のひとつです。「医者に胆石があるって言われちゃって…」なんていうお話は、しばしば耳にするものですが、具体的にはどんな病気なのか、じっくり見ていきましょう。
胆石とはどんな病気?
体内にできる石を結石といいます。胆石は、肝臓・胆のう・胆管にできる結石のことです。
肝臓内にできる結石を「肝内結石」、胆のうにできる石は「胆のう結石」、胆管にできれば「胆管結石」というように、結石ができる部位によって名前が異なります。つまり、「胆石」とは、これら3つの総称です。
日本人では、胆石のうち「胆のう結石」が8割弱と、大半を占めます。胆管結石は2割くらいで、「肝内結石」はかなり少ないという統計があります。そのため、一般的に胆石といえば胆のう結石を指すことが多いようです。
胆石の大きさや数は、実に様々です。人によっては100個以上もの胆石が見つかることもあります。
胆石の原因
胆石ができる原因には、いくつかの種類があります。中でも一番多いのが、以下のような「コレステロール結石」と呼ばれるものです。
胆汁の中のコレステロールと胆汁酸のバランスが崩れると、コレステロールが結晶化して胆石のもとになります。この結晶がムチンというタンパク質によってくっつき、結石となります。
これは、コレステロールの摂り過ぎがきっかけになることが多いため、コレステロールたっぷりの食事を控えることで予防できます。
胆石ができるその他の原因としては、大腸菌感染、溶血性の貧血や肝硬変などが挙げられます。それぞれの原因によって、できる石の形や色も異なります。
胆石の症状
胆石があるからといって、必ず症状が出るというわけではないんです。それどころか、無症状であることもしばしばで、健康診断で偶然見つかるケースもあります。健康診断を受けない人もいますから、知らないうちに胆石を持っているという人は意外と多いのかもしれません。
とはいえ、症状が皆無というわけではなく、以下のような症状がでることもあります。
- 右の肋骨やみぞおちの痛み
- 発熱
- 黄疸
代表的な症状としては、みぞおちや肋骨から背中に渡る痛みです。痛み方は人によって、キリキリと痛む人もいれば、鈍痛、張ったような感じなど、様々です。
胆石の治療法
健診などで「胆石がある」と言われても、症状がなかったり、特に希望がない場合は治療の対象とはなりません。経過観察で大丈夫です。でも、痛みなどの症状が出てきたら、やはり治療をしなければなりません。
具体的な治療法としては、胆石溶解療法、体外衝撃波などの内科的なものと、外科手術の2種類があります。それぞれについて、以下にご紹介します。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 胆石溶解療法 | 内服薬で胆石を溶かす 1年またはそれ以上服薬し続ける必要がある 治癒率が低く、再発率が高い |
| 体外衝撃波 | 衝撃波という音波を胆石に当てて砕く 小さくて個数の少ない胆石に適用される |
| 開腹手術 | 痛みや発熱があれば手術が望ましい 開腹して胆のうごと摘出する |
| 腹腔鏡手術 | お腹に穴を開けて腹腔鏡を入れ、 胆のうや胆石を摘出する |
胆石の数や大きさ、自覚症状によって治療法が決められますが、痛みなどの症状がある場合は手術をした方が良いケースが多いです。
手術は避けたいという方には薬による溶解療法もありますが、全員に効くわけではなく、効いたとしても再発することが多いため、オススメの治療法ではありません。
体外衝撃波は、このように切開も臓器に傷をつけることもなく、胆石だけを粉々に砕くという新しい治療法です。粉々になった胆石は、尿と一緒に自然に排出されます。実施できる医療機関が限られていますが、やってみたい方は医師に相談されるとよいですね。
油っこい食べ物が大好きという人は、コレステロール結石のリスクが上がっちゃうから、気を付けて!
お酒の飲み過ぎでリスク上昇!急性と慢性がある膵炎はこんな病気
次にご紹介するのは、膵炎です。膵炎って聞いたことがありますか?「耳にしたことがあるどころか、どんな病気かまで知っている」という人は、もしかしたら少ないのではないでしょうか。
この機会に、ぜひ膵炎についても知っておきましょう。
膵臓ってどこ?膵炎ってどんな病気?
膵炎とは膵臓に起きる炎症のことですが、膵炎以前に膵臓がどこにあるのかもよく分からないという人も、決して珍しくはないと思います。
膵臓とは、胃の後ろで背中近くに横たわる、細長い臓器です。この膵臓の炎症すなわち膵炎には、急性と慢性があります。
慢性膵炎は、繰り返し膵臓に炎症が起きるもので、進行性です。一方、急性膵炎は、酵素によって自分の膵臓が消化されてしまって炎症が起きるもので、軽症から死に至るケースまで、様態は様々です。
膵炎の原因
膵炎の原因は、不明であることも少なくありません。しかし、分かっている中で引き金になる要因は、主に以下のふたつです。
- アルコール
- 胆石
急性膵炎では、この2大要因と原因不明(突発性膵炎)がほぼすべてですが、慢性膵炎の場合は、これ以外に遺伝も関係することが分かってきています。
アルコールが原因になることが多いので、普段から飲み過ぎだという人は、ほどほどの量にしておきましょう。膵炎の患者さんの中には、禁酒を言い渡される人もいます。こうならないうちに、お酒好きな人ほど、適度な飲酒習慣を持ちましょう。
膵炎の症状
膵炎の症状には、慢性・急性どちらも以下のようなものが挙げられます。
- みぞおちの痛み
- 膨満感
- 吐き気
慢性膵炎の場合、どんどん進行してしまうと、下痢、体重減少、糖尿病などの症状がみられることもあります。
先にも少し触れましたが、急性膵炎の場合は放置すると全身状態が悪くなってしまうこともあるため、すぐに病院へ行った方が良さそうです。
膵炎の治療法
膵炎の治療法には、どんなものがあるでしょうか。急性と慢性に分けてご紹介します。
| 急性膵炎 | 慢性膵炎 |
|---|---|
| 絶飲絶食 薬物治療 胆石除去 | 禁酒禁煙 食事療法 |
胆石が原因になっている急性膵炎では、胆石を取り除くことによって治癒します。
それ以外のケースでは、膵臓を大切にすることが治療になっていきます。
こちらは慢性膵炎の患者数の推移ですが、年々増えている背景に、食生活の変化があります。脂肪分の高い食事や暴飲暴食はリスクを高めます。特にアルコールは膵炎の大きなリスクになりますので、酒豪の方はくれぐれもお気を付けください。
満腹になるまで食べちゃう習慣のある人も、膵炎のリスクが上がると言われているよ。身体に優しい食事と腹八分目を心がけてね!
手遅れにしない!膵臓癌を早期発見するために知っておきたいこと
前章では膵炎についてお話しましたが、その他の膵臓の大きな病気として膵臓がんがあります。
膵臓がんは手遅れになりやすいガンとして少しずつ知られるようになってきましたが、まだまだ認知度はじゅうぶんとは言えません。ぜひこの機会に膵臓がんについて知っていただきたいと思います。
膵臓がんとは?
膵臓がんとは、文字通り膵臓にできる癌です。60歳ごろから年齢を重ねるにつれて増えていくガンで、近年、日本でも多くの方が膵臓がんに罹っています。患者数と死亡者数がほぼ一緒という事実が、治る人の少なさを物語っています。
このように、膵臓がんは手遅れになりがちという特徴があるため、50歳以降の方は特に、人間ドックなどでよく調べてもらうことをお勧めします。
膵臓がんの原因
膵臓がんの原因は、まだ不明な部分がほとんどです。ただ、引き金になる要因はいくつか分かってきています。
- 糖尿病
- 慢性膵炎
- 肥満
- 飲酒・喫煙
- ストレス
これらの要因がある方は、そうでない人に比べて膵臓がんのリスクが高くなります。特に、喫煙との関連が大きいことが分かっています。
膵臓がんの症状
先にも少し出てきましたが、初期の膵臓がんにはこれといった症状がありません。進行してくると、下記のような症状が現れます。
- 背中・みぞおちの痛みや違和感
- 体重減少
- 黄疸
どれも激しい症状というわけではなく、我慢したり受診を先送りしがちなものです。そうしているうちに膵臓がんは進行してしまい、発見されたときには手の施しようがないということになってしまいかねません。
膵臓がんの治療法
膵臓がんの治療法としては、大きく分けると
- 手術
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
の3つがあります。
もっとも確実なのは、やはり手術です。膵臓の一部を切除、全摘出など、ガンの大きさや位置によって手術する部位が異なります。
しかし、膵臓がんの場合、手術できないほどガンが広がっているケースも多々あります。その場合は、抗がん剤や放射線による治療となります。
中年期以降の人はもちろん、若い人も、お父さんやお母さんに健康診断を勧めたりして、膵臓がんへの意識を高めてほしいな。
ストレスをうまくコントロールして、十二指腸潰瘍を遠ざけよう!
十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と並んでよく耳にする胃腸の病気ですよね。ということは、「十二指腸潰瘍になったことがある!」という人も多いと思います。予防や治療もそれほど難しくありませんので、この際どんな病気か詳しく学んで、潰瘍を遠ざけましょう!
十二指腸潰瘍ってどんな病気?
そもそも、十二指腸ってどこにあるのでしょうか?十二指腸とは正式には小腸の一部で、ご覧のように、胃と小腸を結ぶカールした形の消化器官です。
十二指腸潰瘍は、この十二指腸に傷がついて潰瘍ができてしまい、出血したり穴が開いたりしてしまう病気です。胃に近い部分に潰瘍ができるケースが大半です。
胃潰瘍は中年期に多いのですが、十二指腸潰瘍は10~20代の若い年齢層に多く見られます。
十二指腸潰瘍の原因
この病気の原因は、比較的はっきりしています。
- ピロリ菌
- 薬剤
- ストレス
十二指腸潰瘍のうち95%は、ピロリ菌が原因とされています。残りの5%は、アスピリンなどの薬剤やストレスの影響だと言われています。
これらの原因によって十二指腸の粘膜が弱まり、そこに過剰分泌された胃酸が流れ込むことで、潰瘍ができてしまいます。
十二指腸潰瘍の症状
十二指腸潰瘍の症状には、こんなものがあります。
- 空腹時のみぞおちの痛み
- 下血・吐血
- 胸やけ
空腹時にお腹やみぞおちが痛み、食事をすると治まるのが特徴です。
軽い潰瘍ならそれほど強い症状はないのですが、潰瘍が進行して粘膜に穴が開くと、激しい腹痛が起こります。
十二指腸潰瘍の治療法
治療法は、原因となっているものや出血の有無などによって変わってきます。
ピロリ菌が原因の場合は、ピロリ菌を除菌する薬で治療します。また、薬剤が原因の十二指腸潰瘍は、その薬剤を中止します。
出血がある場合は、内視鏡的止血治療という、外科的な治療が試みられます。また、十二指腸に穴が開いて消化物が腹腔内に出てしまうなど重篤なケースでは、緊急手術となることもあります。
どの治療法でも基本的に、飲酒喫煙はやめて胃腸に優しい食事を摂るよう指導を受ける、食事療法も同時に用いられます。
ストレスが大きな原因になっていると判断された場合は、カウンセリングなどの心理的治療を並行することもあります。
ピロリ菌を除菌する薬は、症状がなくなっても指定された日数分をきちんと飲み切ってね!
みぞおちや肋骨を意識すれば、病気の早期発見にもつながる!
みぞおちや肋骨の奥周辺には、消化に関する臓器がたくさん集まっています。それゆえに、病気の種類や原因もたくさんありましたね。
しかも、あまり大変な症状が出ないものも多くて、気づいたら重症化していたという事態になる傾向があるのが、みぞおち周辺の臓器の特徴とも言えるかもしれません。
暴飲暴食を避けて、お酒やたばこは程々にし、規則正しい生活をするということで予防できる病気も多いものです。そんな当たり前のことに気を配って、お腹の中身を大切にしてあげましょう。
そのためには、暴飲暴食やお酒・たばこのやりすぎは厳禁! ちょっとでも気になる症状があったら、僕たち医療スタッフに相談してくれ!