食事など、毎日色々なものを何気なく口の中に入れていますが、そんな口の中の一部である「舌」に違和感を覚えたことはあるでしょうか?
違和感の中でも、時として舌にしびれを感じる方がいらっしゃいます。
実は、舌の状態で自分の健康状態を把握できるのです。
そこで今回は、舌にしびれが起こる原因について、ご紹介していきます。
原因と病気について
まずは、舌にしびれが起こる原因について、ご紹介していきましょう。
舌痛症(ぜっつうしょう)
舌痛症とは、舌にヒリヒリ、ピリピリ、ジンジンといった、しびれや痛みが現われ、食事中にはこのような症状が無く、いつもと変わらずに食事をとることができるのが特徴です。
舌痛症が起こる原因については、未だ解明されていることが少なく、更年期時期を迎えた女性に多く発症していることから、ホルモンのバランスだったり自律神経障害などの関係で発症しているのではないか、と言われています。
精神的な過剰なストレスも、関わっていると考えられていて、うつ病を患っている方にも、上記のような症状が見受けられることが多い、と言われています。
タバコなどの刺激
口内に刺激を与える、タバコや食べ物が原因になることも多くあります。
特に、タバコを強く吸い込む方に、症状が多く見られますが、強く吸い込むことで口内に入ってくる煙の温度が上がる、強いアルカリ性の煙になる、ということにより、舌の低温火傷やアルカリ火傷を起こすのです。
これが、耳にしたことがある方も多いでしょうが、タバコによる舌焼けと呼ばれる状態です。
また、舌焼け以外にも、口内の乾燥による舌への刺激も原因の一つになるのですが、非喫煙者に比べてタバコを好む方は口内の乾燥が目立ちます。
食べ物の中には、香辛料や炭酸飲料などは刺激が強く、舌の粘膜の刺激の原因になり症状が起こることがあります。
また、パイナップルやキウイなどは、食べ過ぎると舌が痛くなったりしびれが起こったり、ということは多くの方が経験があるのではないでしょうか?
コーヒーやアルコールも原因となり、特に過剰なアルコール摂取は粘膜を傷付ける原因になるので、注意が必要です。
このように、何気なく口にしている食べ物でも、しびれを起こすことは大いにあるのです。
亜鉛欠乏症
体内の亜鉛の量が減少してしまうと、免疫機能の低下が起こり、様々な症状が現れます。
例えば、皮膚炎や脱毛症、皮膚疾患、消化器系疾患、全身症状、舌咽症状などが挙げられます。
亜鉛欠乏症を原因として舌炎が起こっている場合には、舌に発赤や乾燥などの症状が現れます。
鉄欠乏性貧血
女性多く見られる疾患の鉄欠乏性貧血とは、血中のヘモグロビンが減少し、様々な臓器へ酸素が行き渡らなくなって機能低下に陥ります。
鉄欠乏性貧血になると、ヘモグロビンが不足し、酸素が体中に運ばれる量が減ります。これにより、運搬機能を高めようと、肺や心臓が通常より活発に動くため、動悸や息切れ、倦怠感、疲労感、めまいなどの症状が起こります。
しかし、急激な変化がある訳ではなく、徐々に進行していくため、初期段階には無症状ということも少なくありません。
鉄欠乏性貧血を原因とする舌炎の場合には、舌乳頭の萎縮(いしゅく)、舌尖から舌縁にかけて「ぶつぶつ」したV字型の発赤、むくみ、舌痛、味覚障害、飲み込みにくい、などの症状が現れます。
ハンター舌炎
ビタミンB12の欠乏による舌炎を、ハンター舌炎と呼んでいます。
体内のビタミンB12の不足が起こると、苛立ち、落ち着かない、などの精神的な不安定症状が起こりやすくなります。
他にも、めまいや動悸、疲労感、倦怠感、手足のしびれ、運動神経の低下、うつ、精神統合失調症など、様々な症状がおこります。
ハンター舌炎を原因とする舌炎の場合には、舌がしみる、乾燥する、などを感じることが多く、強い痛みなどはありません。
糖尿病
生活習慣病の一つである糖尿病とは、血糖値が高い状態が慢性的に起こる疾患です。
日本人の10人に1人は糖尿病だ、と言われるほどで現代病とも言えるのが糖尿病です。
糖尿病には、Ⅰ型とⅡ型と二種類があり、原因や症状もそれぞれ違います。
糖尿病の症状としては、どちらの型であっても、全身に様々な症状を引き起こします。
また、糖尿病のサインとして、舌のしびれが初期症状で現れることもあります。
■「糖尿病」のセルフチェックや詳細は下記をご参照下さい。
舌腫瘍(ぜつしゅよう)・舌ガン
腫瘍は内臓などだけではなく、舌にもできることがあり、それを舌腫瘍、悪性のものは舌ガン、と呼びます。
舌に腫瘍ができる原因には、刺激やリンパ管の先天的形成異常、遺伝など、様々なものがあると言われています。
また、舌腫瘍には種類も数種類あります。
- 乳頭腫、線維腫、血管腫、リンパ管腫、舌ガン その他などです。
三叉神経痛(さんさしんけいつう)
脳神経には頭部と顔に関連する12本の神経がありますが、三叉神経はその中でも最大の神経と言われています。
この三叉神経に、刺激が起こることで、顔面に、「突き刺すような」激痛、三叉神経支配域(顔や頭部)に、痛みやしびれなどが起こる症状を、三叉神経痛と呼んでいます。
時間は、数秒から長くても数十秒で、日常的な「洗顔・メイク・髭剃り・歯磨き」などで顔に痛みがでるようです。
舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)
三叉神経と同様に、脳神経の一つに舌咽神経というものがあり、舌と咽頭の働きを支配する神経なのですが、やはり、舌咽神経に圧迫などの刺激が起こると舌や喉頭などに、痛みやしびれなどが起こるのが下咽神経痛です。
得に中年男性に多く発症するようですが、まれな神経痛である、と言われています。
咀嚼運動時などに、舌の奥や喉に痛みが起こり、三叉神経痛を伴っているケースが多い傾向にあります。
また、耳の奥にも強い痛みが出ることもあります。
まとめ
ここまで、舌にしびれが起こる原因について、ご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
香辛料などの刺激物によって起こるしびれなどは、とても身近なもののように感じますが、あまり耳にすることの無い疾患などもあり、驚いた方も多いと思います。
自分の健康状態を把握できる一つの手段として考え、もし舌のしびれが続いたり、何か他にも症状がある場合には、医療機関を受診するようにしましょう。